1. 企業情報
- 概要: 産業廃棄物処理と資源リサイクルの大手。廃液・廃油の中間処理・再資源化、汚泥処理、土壌汚染の調査・浄化、鉛リサイクル(使用済み鉛蓄電池)、大型タンク等の洗浄、潤滑油精製・販売などを展開。1945年創業、名古屋本社。
- 事業内容(連結は単一セグメント: 環境関連100%)
- 産業廃棄物(廃液・廃油・汚泥等)の処理・リサイクル
- 土壌汚染の調査・浄化(ダイセキ環境ソリューション)
- 鉛リサイクル(ダイセキMCR)
- タンク・設備洗浄(システム機工)
- 廃プラ・廃石膏ボード・紙の回収再資源化、潤滑油・防錆剤等の製販
- 上場市場: 東証プライム(サービス業)
- 従業員: 1,264名、平均年齢40.8歳、平均年収733万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 産業廃棄物処理・リサイクルの有力企業。許認可・設備・安全運用ノウハウが参入障壁となり、安定した取引基盤を形成。
- 廃液・廃油処理で強み。グループで土壌浄化、鉛リサイクル、設備洗浄までカバーするバリューチェーンを保有。
- 競争優位性:
- 許認可・専用処理設備・安全管理の運用実績
- 顧客業種の多様化と継続的な廃棄物発生に基づくストック性
- リサイクル・再資源化による付加価値と環境規制対応力
- 課題:
- エネルギー・人件費・原材料高のコスト上昇
- 鉛相場・為替等の市況影響(鉛リサイクル)
- 建設業の人手不足・工事進行の前後倒しによる案件期ずれ(土壌浄化)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示要旨)
- 循環型社会の実現に資する高付加価値リサイクルの拡大
- 安全・法令順守を基盤にした安定稼働と品質向上
- 需要の強いエリア(例: 関東)での案件獲得力強化
- 2026年2月期の会社予想(据え置き)
- 売上高 700億円(前期比+4.0%)
- 営業利益 157億円(+9.6%)
- 経常利益 158億円(+6.5%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益 99億円(+6.3%)
- 第1四半期の重点動向
- 産廃(本体): 廃液確保が進み売上は過去最高、コスト上昇で利益は計画やや未達
- 土壌浄化: 関東の高付加価値案件が寄与し増収増益で計画超
- 鉛リサイクル: 生産は順調、鉛相場・為替・原材料高で利益やや下振れ
- 設備洗浄: 工事時期の前後で売上・利益とも計画未達
- 自己株式取得: 第1四半期に80万株(約29.5億円)を取得(株主還元・資本効率の観点)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 処理受託料+リサイクル・精製品販売(鉛・潤滑油等)。規制・許認可に基づく継続需要と、産業活動に連動した処理量で安定性あり。
- 適応力:
- コスト上昇には価格改定・効率化・高付加価値案件の比率向上で対応
- 市況感応(鉛相場・為替等)は分散ポートフォリオと契約条件で緩和
- 地域・案件分散とグループ内一貫体制で稼働調整に柔軟性
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 廃液・廃油処理のノウハウ、土壌浄化技術、鉛リサイクル精錬、設備洗浄の安全・品質管理。法規制に適合した運用・品質保証体制。
- 収益牽引:
- 主力: 産業廃棄物(特に廃液・廃油)処理・リサイクル
- 成長寄与: 関東エリアの土壌浄化の大型・高付加価値案件
- 補完: 鉛リサイクル、潤滑油・防錆剤等の製販、設備洗浄
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 3,355円、EPS(会社予想)206.88円、BPS 1,732.48円
- 指標:
- PER: 3,355 / 206.88 ≈ 16.22倍(会社公表値と一致)
- PBR: 3,355 / 1,732.48 ≈ 1.94倍
- 配当利回り(予想): 72円 / 3,355円 ≈ 2.15%、配当性向 ≈ 38%
- EV/Sales(概算): EV ≈ 時価総額1711億 + 有利子負債62億 − 現金266億 ≈ 1507億 → 1507億 / 売上685億 ≈ 2.2倍
- EV/EBITDA(概算・LTM): 1507億 / 144億 ≈ 10.5倍
- 業界平均との比較(提供平均: PER 17.0倍、PBR 1.8倍)
- PERは平均をやや下回り、PBRはやや上回る水準
7. テクニカル分析
- 現在値: 3,355円
- 移動平均: 50日 3,592円、200日 3,649円 → 現在値は両移動平均を下回る
- 52週レンジ: 高値 4,015円、安値 3,260円 → 現在値は安値寄りの水準
- モメンタム: 52週騰落 -3.29%。10日平均出来高(14.4万株)は3カ月平均(12.8万株)を上回り、短期的な売買関心はやや上向き。
- 信用動向: 信用倍率0.84倍(売り長)、買残+2.4千株/売残+7.3千株(前週比)。需給はやや上値抑制要因。
8. 財務諸表分析
- 収益推移(百万円)
- 売上高: 2022/2 56,867 → 2023/2 58,572 → 2024/2 69,216 → 2025/2 67,304 → LTM 68,513
- 営業利益: 2022/2 12,946 → 2023/2 12,716 → 2024/2 14,820 → 2025/2 14,323 → LTM 14,247
- 親会社純利益: 2022/2 8,376 → 2023/2 8,666 → 2024/2 9,465 → 2025/2 9,307 → LTM 9,061
- 成長性:
- 3年CAGR(売上、2022→LTM)≈ +6.4%
- 直近期(2026/2期1Q)売上 +7.2% YoY、営業利益 △1.9% YoY
- 収益性(LTMベース)
- 粗利率 ≈ 32.9%(22,549/68,513)
- 営業利益率 ≈ 21.4%(提供値)
- 当期純利益率 ≈ 13.2%
- ROE(実績)11.29%、ROA(概算)≈ 8.2%(9,061/総資産110,684)
- 金利負担は軽微(利息費用34百万円、EBIT対比で十分なカバレッジ)
- 安全性・流動性(2025/5/31)
- 自己資本比率 73.9%(期末実績74.2%)
- 流動比率 ≈ 323%
- D/E(有利子負債/自己資本)≈ 0.07倍
- 現金等 265.9億円、有利子負債 62.3億円(ネットキャッシュ)
- キャッシュフロー・投資
- 減価償却費は増加傾向(2022/2: 24.6億 → 2025/2: 35.5億)で設備投資を示唆
- 1Qで現金及び預金は前期末比39.27億円減(自己株取得の影響等)
- 通期進捗(1Q対通期予想)
- 売上進捗 ≈ 25.6%、営業利益 ≈ 24.4%、純利益 ≈ 24.7%(会社見解: 想定線)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想: 年間72円(2025/2実績・2026/2予想とも)。予想配当性向 ≈ 38%。
- 予想利回り: 約2.15%(株価3,355円基準)。5年平均利回り 1.56%。
- 自己株式取得: 2026/2期1Qに80万株(約29.5億円)を取得。期末自己株式比率上昇(自己株口5.73% → 四半期末3,723,261株)。
- 大株主: 国内信託銀行・海外機関投資家の保有が厚く、機関保有比率約55.8%。インサイダー保有約11.8%。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 株価は50日・200日移動平均を下回り、52週レンジの下方に位置。短期の出来高増加が見られる一方、信用需給は売り長。
- イベント
- 2025/10/2: 決算発表予定
- 2026/2/26: 配当権利落ち予定
- 影響要因
- コストインフレ(エネルギー・人件費・原材料)
- 鉛相場・為替(鉛リサイクル)
- 建設・土木業界の人手不足による工事進行のタイミング
- 自己株買いの需給効果
11. 総評
- 廃液・廃油処理を中核に、土壌浄化・鉛リサイクル・設備洗浄までを備えた一貫体制と許認可・設備・運用ノウハウに強み。規制順守を基盤とした継続需要と、高付加価値案件の拡大が収益性を支えている。
- 2026/2期1Qは増収・小幅減益。土壌浄化が好調、産廃本体はコスト上昇影響、鉛は市況・為替影響、設備洗浄は案件時期の影響を受けた。通期計画は据え置きで、進捗は概ね想定線。
- 財務基盤は堅健(自己資本比率約74%、ネットキャッシュ、流動比率300%超)。収益性指標(営業利益率約21%、ROE約11%)も安定。
- バリュエーションは業界平均比でPERはやや低く、PBRはやや高い水準。株価はテクニカルには下方レンジに位置し、短期は需給の影響に留意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: 3年売上CAGR約+6%、直近1Q売上+7.2% YoY。中計も増収計画。
- 収益性: A
- 根拠: 営業利益率約21%、純利益率約13%、粗利率約33%。安定した高水準。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率約74%、流動比率約323%、D/E約0.07倍、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PERは業界平均をやや下回り、PBRはやや上回る。総合して中立域。
参考指標(主要データ抜粋)
– 株価: 3,355円、時価総額: 1,711億円、発行済株式: 5,100万株(自己株含む)
– LTM: 売上高 685億円、営業利益 142億円、純利益 91億円、EPS約189円
– 予想: EPS 206.88円、配当 72円、ROE 11.29%
– 財務: 現金等 266億円、有利子負債 62億円、自己資本比率 73.9%、流動比率 323%
– テクニカル: 50日MA 3,592円、200日MA 3,649円、52週高値 4,015円/安値 3,260円、β 0.26
ご要望があれば、過去期の詳細指標比較表や通期進捗率一覧、注目開示ポイントの整理も作成します。
企業情報
銘柄コード | 9793 |
企業名 | ダイセキ |
URL | https://www.daiseki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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