ＳＲＡホールディングス（3817）企業分析レポート
株価：5,050円（2025-09-30終値）
市場：プライム／情報・通信業
時価総額：76,962百万円
1. 企業情報
- 概要：独立系のシステム開発受託会社。金融・製造分野に強みを持ち、Linux等オープンソース（OSS）、クラウドセキュリティ、AI/BI領域でのソリューションを展開。国内外でシステム開発、運用・構築、プロダクト販売まで一気通貫のサービスを提供。
- 主なソリューション・製品：
- セキュリティ・コンプライアンス：Cavirin（ハイブリッドクラウド対応）
- 学術・教育：UniVision、DB Spiral（大学業務ソリューション）
- OSS/DB：PowerGres（PostgreSQL系支援）
- ヘルスケア：HEALTHPLAYER（ヘルスデータ利活用）
- 事業効率化：P-Con（ペーパーレス化）、MailDepot、ProjDepot、TestDepot、Testablish 等
- 事業構成（2025.3）：開発50%、運用・構築12%、販売38%（括弧内は参考利益率目安：開発21%、運用・構築30%、販売11%）
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション：独立系中堅SIer。上流から運用・保守、プロダクト販売までを束ねる複合モデルで、OSS/クラウド/セキュリティ/学術領域に特色。
- 競争優位：
- OSSやクラウドセキュリティの知見、金融・製造の顧客基盤
- 自社プロダクトと受託開発の両輪（販売事業の伸長が業績の弾力性を高める）
- 課題：
- エンジニア人材確保・賃金上昇への耐性
- 大口案件・為替の影響度（四半期ごとの利益変動が生じやすい）
- 受注高・受注残（Q1で減少）の推移管理
- 市場シェア：公表データ不足のため定量把握は省略（中堅規模の独立系SIer群に位置づけ）。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・重点：
- DX投資の取り込み（金融・製造・学術）
- OSS/クラウドセキュリティ/AI・BI等の高付加価値領域強化
- プロダクト販売の拡大（グループ会社AITの寄与など）
- 海外展開の継続（為替影響のモニタリングを前提）
- 直近の実行状況（2026年3月期1Q）：
- 売上+21.0%（販売事業+63.6%が牽引）、営業利益+14.9%
- 経常・最終は為替影響で減益（前年は為替差益、当期は差損）
- 受注高▲7.6%、受注残▲3.7%（通期計画は据置）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：受託開発（プロジェクト収益）＋運用・構築（継続収益）＋プロダクト販売（案件ドリブン）。複合モデルにより景気・顧客投資サイクルの変動に一定の緩衝。
- 適応力：
- OSS・クラウド・セキュリティ・AI/BIなど構造的需要が見込まれる領域に注力
- 学術・医療など特定ドメインのソリューション蓄積
- リスク：
- 大口案件偏重・四半期ブレ、為替影響、人件費上昇、受注動向の変化
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向：Linux/OSSやクラウドセキュリティ、AI/BI、学術情報システムの実装実績。テスト自動化や品質管理ツールで開発生産性を底上げ。
- 収益牽引：
- 販売事業（グループのAITによる金融向け大口案件等）
- 金融・製造向けの開発案件、金融向け運用・構築の堅調
6. 株価の評価（バリュエーションの目安）
- 指標（会社予想ベース）
- EPS：387.85円、BPS：2,454.19円
- PER：13.02倍、PBR：2.06倍
- 配当：180円（予想）、配当利回り：約3.56%
- 参考比較（業界平均：PER 23.2倍、PBR 2.3倍）
- PERベース感度：EPS×業界平均PER ≒ 387.85×23.2 ≈ 8,990円
- PBRベース感度：BPS×業界平均PBR ≒ 2,454.19×2.3 ≈ 5,645円
- EV/S（概算）：EV ≈ 76.96+0.07−18.99=約58.0十億円、売上（LTM）51.6十億円 → 約1.12倍
- EV/EBITDA（概算・正規化）：約58.0/8.32 ≈ 7.0倍
- 所見：業界平均比ではPER・PBRともディスカウント水準に位置。
（注）上記は機械的比較の参考値であり、投資判断を示すものではありません。
7. テクニカル分析
- トレンド：株価5,050円は50日線（4,751円）・200日線（4,478円）を上回り、上昇トレンド圏。年初来高値5,200円に近い。
- 位置づけ：52週高値5,200円/安値3,850円の上限近辺（高値圏）。短期は5,000〜5,200円のレンジ内で推移。
- モメンタム：直近10日で上昇後の持ち合い。出来高は3カ月平均（約20千株）並み。
- 需給：信用倍率11.0倍（買い残8,800株、前週比減）。絶対水準は小さく、過度な偏在は限定的。
8. 財務諸表分析（連結）
- 成長：
- 売上高（百万円）：40,203（2022）→42,864（2023）→47,125（2024）→51,617（過去12か月）
- LTM YoY：約+9.5%、3年CAGR：約+8.7%
- 収益性（LTM、百万円）：
- 売上総利益：13,179（粗利率≈25.5%）
- 営業利益：7,941（営業利益率≈15.4%）
- 当期純利益：3,377（純利益率≈6.5%）
- 正規化EBITDA：8,319
- 2026年3月期1Qの営業利益率：約12.9%（四半期）
- 効率・資本：
- ROE（実績）：11.26%
- 自己資本比率：59.9%（期末実績）／65.5%（2025/6末）
- 流動比率：281%（2025/6末）
- 財政状態（2025/6末）：
- 現金同等物：18.99十億円、総有利子負債：0.07十億円、D/E：約0.22%
- ネットキャッシュ基調
- 変動要因：
- 1Qは前年の為替差益→当期の為替差損に転じ、経常・純利益が減少
- 一過性項目控除後（正規化）では収益力は底堅い
9. 株主還元と配当方針
- 配当：年間180円（会社予想・据置）。予想配当利回り約3.5%。
- 配当性向：
- 過去12か月ベース：約67%（180円/希薄化後EPS267円）
- 会社予想EPS（387.85円）ベースの先行指標：約46%
- 自己株式：2025/6末で2,606,111株（発行の約17%）。株主持分の安定化要因。今期の新規自己株買いの有無は開示ベースで不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム：52週で+20.6%。移動平均線はゴールデンクロス継続。直近は年初来高値圏での持ち合い。
- 投資家層：インサイダー保有18.7%、機関投資家保有26.8%、フロート約964万株。出来高は小型～中型並み（約2万株/日）。
- 影響要因：
- 為替動向（利益段階に影響）
- 大口案件のタイミング（販売事業の季節性・案件集中）
- 受注・受注残の推移、採用・人件費動向
11. 総評
- 収益構造は、受託（開発）に継続収益（運用）とプロダクト（販売）を組み合わせた複合型。OSS/クラウドセキュリティ/AI・学術などの重点領域が伸長し、LTMで売上・利益ともに改善基調。
- 1Qは為替の逆風により経常・最終が伸び悩む一方、売上・粗利・営業利益は四半期累計で過去最高を更新。正規化ベースの利益水準は安定。
- 財務は高自己資本比率・実質無借金で健全。配当は維持方針で、来期予想EPS前提では配当性向が自然低下する設計。
- バリュエーションは業界平均比でディスカウント水準。株価は年初来高値圏で推移しており、短期は5,200円近辺の価格帯が節目。
- 注視点は、受注・受注残のトレンド、人件費圧力、為替影響の再燃。
（注）本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア（S/A/B/C/D）
- 成長性：A
- 根拠：LTM売上+9.5%、3年CAGR約+8.7%（一過性影響除外）
- 収益性：A
- 根拠：粗利率≈25.5%、営業利益率≈12〜15%（LTM/四半期）。SIer平均を上回る水準。
- 財務健全性：S
- 根拠：自己資本比率59.9%（足元65.5%）、流動比率281%、D/E0.22%と強固なバランスシート。
- 株価バリュエーション：A
- 根拠：PER・PBRとも業界平均比ディスカウント、EV/EBITDAも中庸〜やや低位。
参考データ抜粋
– 2026年3月期1Q（前年同期比）：売上+21.0%、営業利益+14.9%、経常利益▲32.0%、純利益▲29.8%（為替影響）
– 通期会社計画（据置）：売上535億円、営業利益83億円、純利益49億円、EPS 387.85円
– テクニカル：50DMA=4,751円、200DMA=4,478円、52週高値=5,200円/安値=3,850円
– 配当：年間180円（予想）、予想配当性向約46%（会社EPS前提）
企業情報
| 銘柄コード | 3817 |
| 企業名 | SRAホールディングス |
| URL | http://www.sra-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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