日野自動車(7205)企業分析レポート
株価:386.9円(2025/09/30終値)
市場:東証プライム/名証プレミア
時価総額:2,223億円
1. 企業情報
- 概要
- トヨタグループの商用車メーカー。トラック・バスの開発・製造・販売が主力。補給部品・サービス、トヨタ向け車両供給も展開。海外はアジア(特にインドネシア)が主要市場。
- 2026年春に三菱ふそうトラック・バスと経営統合予定(統合持株会社の設立を想定)。規模・開発力の補完が狙い。
- 主要事業(連結構成比、2025.3)
- トラック・バス 53%
- トヨタ向け車両 7%
- 補給部品 10%
- その他 29%
- 海外売上比率 52%
- 拠点・人員
- 本社:東京都日野市
- 連結従業員:33,608人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内商用車の上位メーカーの一角(他にいすゞ、三菱ふそう、UDトラックス等)。バスの実績・ブランド認知も高い。
- アジアではインドネシアをはじめとするASEANが主戦場。
- 競争優位・課題
- 優位性:トヨタグループとの連携(調達・技術・販売ネットワーク)。アフターサービスと部品供給による継続収益。
- 課題:排出ガス認証問題に伴う信頼回復・費用負担、電動化投資負担、海外需要の変動。規模の経済ではグローバル大手に劣る面があり、統合による補完・効率化が焦点。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性
- 収益性重視への転換、品質・コンプライアンスの徹底、電動化・コネクテッド対応の強化、ASEAN中心の海外事業の再構築。
- 2026年3月期(会社計画)
- 売上高 1.5兆円、営業利益 400億円、経常利益 350億円、純利益 200億円(EPS 34.84円)。第1四半期は売上減ながら利益は改善し、通期見通しは据え置き。
- 重点施策(短信・開示より)
- 価格改定・固定費低減など見直しで採算改善。
- モデル切替への対応、小型トラック領域の再強化。
- 認証関連費用の支払進捗(米国の和解実行、引当金大幅減少)。
- 統合準備:開発・調達・電動化での協業シナジー創出。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 新車販売+アフター(部品・整備)の二本柱。アフターは収益安定化に寄与。
- 市場変化への適応
- 排出規制強化・電動化(HEV/BEV/FC)対応、デジタル化(テレマティクス/コネクテッド)による運行最適化提案。
- 留意点
- 商用車は景気・物流需要に連動しやすい。電動化の初期コスト負担とインフラ整備の進捗が採算に影響。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向
- ハイブリッドバス・トラック、燃料電池トラック(トヨタグループ協業)、ADAS・コネクテッドによる予防安全・稼働管理の高度化。
- 主力車種(例)
- トラック:プロフィア(大型)、レンジャー(中型)、デュトロ(小型)
- バス:セレガ、ブルーリボン など
- 直近の収益牽引
- 価格改定・販管費低減が利益改善に寄与。第1四半期はトヨタ向け車両台数増も支え。
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 前提データ
- 株価 386.9円、EPS(会社予想)34.84円、BPS 338.66円
- PER(予想):約11.1倍(業界平均 13.3倍)
- PBR(実績):約1.14倍(業界平均 0.8倍)
- EV/売上(TTM・概算):約0.32倍
- EV ≒ 時価総額2,223億円 + 有利子負債4,076億円 − 現金922億円 ≒ 5,378億円
- 売上高TTM 1兆6,972億円
- まとめ
- PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る水準。TTMでは一過性損益の影響が大きい点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 現在値 386.9円は50日線(約383円)近辺、200日線(約443円)を下回る水準。
- 年初来高値 634円、安値 343円。安値から約+13%、高値から約−39%付近。
- 直近10日
- 370〜390円レンジでの推移。終値はやや持ち直し傾向。出来高は10日平均(約406万株)並み。
- ポジション感
- 中長期では200日線下での推移(中期下向き基調)。短期は50日線上での小反発局面。
- 信用動向
- 信用倍率 12.72倍、買残減少(前週比▲60.9万株)。貸借は買いに偏り。変化の方向性に注意。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:2022/3 1.46兆 → 2024/3 1.52兆 → 過去12か月 1.70兆円へ。3年CAGR約+5%。
- 収益性(TTM)
- 粗利率:約17.4%(295,707/1,697,229)
- 営業利益:574.9億円、営業利益率:約3〜4%台(TTMベースの概算)
- 当期純利益:▲2,177億円(認証関連の一過性費用計上が主因)
- 正常化EBITDA(参考):約1,121億円
- 2026年3月期 第1四半期
- 売上 3,642億円(前年比▲11.4%)、営業益 169億円(+165%)、純利益 136億円(黒字転換)
- 認証関連引当金が前期末1,253億円 → 276億円に大幅縮小(米国和解支払等)
- 安全性・効率性
- 自己資本比率:12.1%(前期末)→ 14.6%(1Q末)に改善も水準は低位
- 流動比率:0.79倍、有利子負債:4,076億円、ネットDEは高水準
- 現金同等物:1,936億円 → 922億円へ減少(1Q時点)
- コメント
- 収益は正常化に向け改善傾向だが、手元流動性とレバレッジは引き続き注視領域。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 直近実績:年間無配(トレーリング配当利回り 0%)。会社予想も未定(短信に具体額記載なし)。
- 自社株
- 自己株式は微小(約0.07%)。大規模な自己株買いの開示は見当たらず。
- 資本政策
- 信用力回復と財務健全性の改善を優先する局面。配当方針の明確化は業績・財務の安定化後が焦点。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週で▲18.8%と劣後。β0.41で市場連動性は低め。
- 関心材料
- 認証問題の費用確定・和解進捗、品質・コンプライアンス体制の再構築。
- 三菱ふそうとの統合準備の進展度(シナジーの具体化、コスト・投資負担の見通し)。
- アセアン・北米需要、為替、原材料価格動向。
- 電動化製品の展開時期・採算。
11. 総評
- 収益は価格改定・コスト低減で改善し、第1四半期は黒字化。LTMでは認証関連の一過性損失が大きく、指標の歪みが残る一方、引当金の大幅取り崩しでバランスシートは改善方向。
- 財務面は自己資本比率・流動比率・D/Eなど健全性指標がなお慎重な水準。手元資金の推移と負債圧縮の進展が確認ポイント。
- バリュエーションは、予想PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る。事業正常化と統合シナジーの具体化が評価に影響。
- テクニカルでは200日線下で推移する中、短期は50日線近傍での持ち直し。需給は信用買いが多め。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+12%、3年CAGR約+5%。直近1Qは減収だが、中期で拡大傾向。
- 収益性:B
- 根拠:TTM営業利益率は約3〜4%台、正常化EBITDAは黒字。一過性損失を除けば改善基調。業界平均との差は明示データ不足のため中立評価。
- 財務健全性:D
- 根拠:自己資本比率14.6%、流動比率0.79倍、D/E高水準。改善途上。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:予想PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回るため総合的に中立。
(注)本レポートは公開データに基づく定量・定性分析の整理であり、投資助言ではありません。数値は概算を含み、一過性損益は評価から可能な範囲で除外しています。実際の投資判断には、最新の有価証券報告書・決算資料等の原典確認をご利用ください。
企業情報
銘柄コード | 7205 |
企業名 | 日野自動車 |
URL | http://www.hino.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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