JBCCホールディングス(9889)企業分析レポート
株価:1,234円(2025-10-02終値)/市場:東証プライム/業種:情報・通信業(ITサービス)
本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資助言を目的としません。
1. 企業情報
- 概要:企業向けITソリューションを中核に、設計・開発・運用まで一貫提供。超高速開発(ローコード/アジャイル)、クラウド、セキュリティ、データ連携、マネージドサービスに強み。製品開発・製造では自社ソフトやプリンター等を展開。
- 事業構成(2025.3):情報ソリューション 97%/製品開発製造 3%
- 特徴:ハード販売の比重を縮小し、クラウド・セキュリティ・運用サービスなどストック収益へシフト。顧客のレガシー刷新・モダナイゼーション需要を取り込む。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内中堅SIer。大手(NRI、TIS、SCSK 等)と比べ規模は小さいが、超高速開発やクラウド運用、セキュリティ運用の実装力に特徴。
- 競争優位性:
- 高付加価値領域(クラウド/セキュリティ/アジャイル)の成長寄与が大きい
- 自社パッケージ・SaaS化の推進によりストック収益比率を引き上げ
- 課題:
- ハード販売の縮小に伴う売上構成の変化への適応
- 人材獲得・育成コストの上昇、プロジェクト採算管理
- 市場シェア:公表値なし(中堅ゾーン)
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「CHALLENGE 2026」(2025–2027):重点投資領域に経営資源を集中
- 重点分野:クラウド、セキュリティ、超高速開発(2026/3期1Q:クラウド・セキュリティ売上+36.6%、超高速開発+57.1%)
- 施策:案件の月額化(MRR拡大)、マネージド/監査サービス拡充、パッケージ・SaaS転換、ハード販売依存の低減
- 進捗:1Qは売上総利益率・営業利益率とも改善、計画通りの推移と開示
- 市況を踏まえた対応:VMware等のライセンス変更を契機としたクラウド移行、生成AI普及に伴うセキュリティ需要への対応強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:SIの案件収益+クラウド/セキュリティ/運用の月額ストック収益の組み合わせ。継続課金比率の上昇で景気変動耐性の向上が見込まれる。
- 適応力:クラウド移行・ゼロトラスト・運用自動化等の潮流に即したサービス提供。ハード販売縮小は収益性改善の方向に寄与。
- リスク:人件費・外注費上昇、特定ベンダー動向、セキュリティインシデント、案件遅延など。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:ローコード/アジャイル(JBアジャイル等)、マルチクラウド運用・監査、データ連携、自動化、AI活用案件の拡大。
- 主力領域:
- サービス:クラウド運用・セキュリティ監査/運用、マネージドサービス、SaaS
- SI:モダナイゼーション、アジャイル刷新案件
- 製品:自社ソフト/クラウド連携プラットフォーム、プリンター等(売上比率は小さめ)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価1,234円、EPS(会社予想)77.21円、BPS 391.19円、時価総額約882億円
- 指標比較
- PER(予想):約15.98倍(開示16.07倍) vs 業界平均 23.2倍 → 収益倍率では相対的に低位
- PBR(実績):約3.15倍(開示3.17倍) vs 業界平均 2.3倍 → 簿価倍率では相対的に高位
- EV/S(概算):(時価総額882−現金169+有利子負債26 ≒ 740億円)/ 売上701億円 ≒ 1.05倍
- メモ:直近の配当予想35円で配当利回り約2.84%(開示2.82%)。前期の実績配当134円は株式分割前表示のため単純比較は不可(分割後換算約33.5円)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,234円は50日線1,342円を下回り、200日線1,239円付近で推移。短期は調整基調、長期は200日線近辺。
- 位置取り:年初来高値1,440円から約−14%、年初来安値945円比で約+31%。
- 出来高:直近出来高は3カ月平均(約16.3万株)を下回る日が多く、上昇局面からの一服。
- 信用動向:信用倍率41.25倍と買い残優位で、需給の偏りがある。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- 売上高:55,934百万円(2022)→58,144(2023)→65,194(2024)→69,868(LTM)と増加
- LTM売上成長率:約+7.2% YoY、3年CAGR約+7–8%
- 営業利益:3,087(2022)→3,766(2023)→4,426(2024)→6,159(LTM)
- 収益性
- 粗利率:約30%(LTM)、営業利益率:9%前後(LTM 8.8–9.7%)、純利益率:約6.6–6.8%
- ROE:約20.7%、ROA:約10.0%(LTM)
- キャッシュ・財務安全性
- 現金等:16,860百万円、総有利子負債:2,590百万円
- 自己資本比率:54.4%、流動比率:約240%、D/E(簿価ベース):約10.6%
- 直近四半期(2026/3期1Q)
- 売上:18,361百万円(+1.3%)、営業利益:1,783百万円(+16.1%)
- 粗利率:32.7%に改善、セグメントではサービスとSIが牽引、システム(HW販売)は縮小傾向
- 一過性項目:特別要因(Unusual Items)はLTMで315百万円計上あり(評価は本業ベースで参照)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2026/3期予想 年間35円(中間17円・期末18円)、予想利回り約2.8%、配当性向約45%(開示)
- 自社株:2026/3期1Q末の自己株式は8,858,614株(発行済71,094,972株の約12.5%)
- 方針:安定配当を基本。自己株式保有は資本効率の観点からの柔軟な還元余地を示唆(個別の買付計画は開示ベースで未記載)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:9月半ばの1,350円台から10/2にかけて調整し1,234円。短期は弱含み、年初来では+32.7%と相対堅調。
- 関心材料:
- クラウド・セキュリティ・アジャイル高成長の継続性
- 大型案件の進捗とMRRの積み上がり
- ベンダーライセンス変更(クラウド移行促進)や生成AI関連のセキュリティ需要
- 次回決算・予想据え置きの可否
- イベント:次回決算発表予定ウィンドウ(2025/7/29–8/4)等(会社IR参照)
11. 総評
- 需給・テクニカル:短期は調整局面で200日線付近。信用買い残が厚く、値動きは振れやすい環境。
- ファンダメンタルズ:売上は中期的に着実な成長、粗利率・営業利益率とも改善傾向。ROE20%前後と資本効率は高水準。財務基盤は強固。
- バリュエーション:PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る水準。成長性・収益性を織り込みつつ、指標評価は総合的に中立圏。
- 事業面:高付加価値サービスの伸長とストック化が進捗。ハード販売縮小の影響はミックス改善で相殺以上。人材・案件品質管理が引き続き重要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+7%程度、3年CAGR約7–8%。1Qも増収で高付加価値領域が牽引。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率約9%、ROE約20%。粗利率も改善。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率54%、流動比率約240%、D/E約10%と良好なバランスシート。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均比で低位、PBRは高位、EV/Sは約1倍で中庸。
出所・注記
– 本レポートの数値は提示データ(決算短信・LTM・株価指標等)に基づく。単位は文脈により百万円/円。
– 配当の前年実績134円は株式分割前表示。分割後換算は約33.5円。
– 市場シェアは公表値がないため評価対象外。
企業情報
銘柄コード | 9889 |
企業名 | JBCCホールディングス |
URL | http://www.jbcchd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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