1. 企業情報
- 概要:会計事務所・地方公共団体向けに特化した情報処理/ソフトウェア/クラウドサービス企業。税務・会計の電子申告、財務会計(FXクラウド)、自治体向け「TASKクラウド」などを展開。TKC全国会(税理士・会計士の会員組織)を営業基盤に持つ。
- セグメント(売上構成、2024.9期目安):会計事務所事業 約67%(高マージン)、地方公共団体事業 約29%、印刷事業 約4%。
- 体制・規模:従業員2,974人、平均年齢40.4歳。自己資本比率81.8%(6/30/2025は86.6%)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:会計・税務分野の専業色が強く、規制・制度対応力と業務ノウハウ(TKC全国会の支援網)が強み。上場企業の電子申告で高い採用実績(上場企業売上上位100社のうち91社が利用と会社開示)。
- 競争環境:会計ソフト(MJS、OBC、PCA、弥生等)、自治体向け(NEC、富士通、NTTデータ等)と競合。TKCは税務/監査プロセスの深い組込みと会員ネットワークによるスイッチングコストが優位。課題は自治体システム標準化移行のコスト増や、ハード販売比率増による利益率低下圧力。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン:クラウド化の加速と制度対応の先行による顧客業務の高度化・効率化を推進。
- 重点施策
- 会計事務所事業:FXクラウドシリーズの導入促進、月次決算/巡回監査の定着、経営管理機能(365日変動損益等)の普及。利用企業数327千社、うちクラウド比率約44%(拡大方針)。
- 地方公共団体事業:自治体情報システム標準化(移行期限:令和8年3月末)への対応、TASKクラウドの採用拡大、窓口デジタル化(コンビニ交付等)。
- 印刷(TLP):DPS/BPOの受注拡大で採算改善。
- 通期見通し(2025/9期会社予想):売上8,000億円、営業利益157億円、純利益114億円、EPS 218.61円(予想据え置き)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:クラウド/サブスクリプション、保守/サポート、制度改定対応の継続需要、コンサル/導入支援が柱。税務・会計・公会計は制度依存度が高く、更新需要が安定的。
- 変化への適応:電子申告、デジタルインボイス、自治体標準化・クラウド移行などの制度/技術トレンドに先行対応。短期的に減価償却等のコスト増が発生する一方、中長期の継続課金基盤の強化に資する構図。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:FXクラウド(中堅・中小向け財務会計/経営管理)、電子申告システム、自治体向けTASKクラウド(基幹・公会計等)、MIS(金融機関連携)。
- 技術動向:クラウド移行を前提に開発資源を集中し、標準準拠対応や窓口デジタル化を推進。セキュリティ/監査対応の強みが差別化要因。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:4,110円、時価総額:約2,149億円
- 指標(会社予想ベース)
- EPS:220.36円 → PER約18.6倍(業界平均PER 23.2倍を下回る)
- BPS:2,089.73円 → PBR約1.97倍(業界平均PBR 2.3倍を下回る)
- 配当:年間110円予想、利回り約2.68%、予想配当性向約50%(参考:直近実績ベースのPayout Ratio 44.1%)
- EV/指標(概算):EV ≒ 2,149億 − 360億 + 0.35億 ≒ 1,790億円
- EV/S(LTM売上773.99億円仮置き):約2.3倍
- EV/EBITDA(EBITDA 184.4億円仮置き):約9.7倍
- コメント:同業平均と比べPER/PBRは低位。収益性と財務健全性を勘案しても過度な割高感は見えにくい水準。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値4,110円は50日移動平均4,438円を下回り、200日移動平均4,065円をやや上回る水準。
- レンジ感:52週高値4,635円、安値3,485円。年初来の中では中位〜やや下寄り。直近は権利落ち(9/29、理論値約50円)も下押し要因。
- 出来高:10/1の出来高10.4万株は3カ月平均(約6.2万株)を上回り、下方向への値動きに伴う出来高増加。
- 短期モメンタム:直近10営業日はジリ安基調。200日線上は維持しており、中期は中立〜やや上向きの分岐点。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円)
- 2021: 66,221 → 2022: 67,838 → 2023: 71,915 → 2024: 75,219 → LTM: 77,399(会社指標ではLTM 79,810の開示もあり)
- 3年CAGR(2021→2024):約+4.4%、LTM YoY:約+2.9%(会社通期予想ベースでは+6.4%)
- 収益性
- 粗利率:LTM約70%(3Q累計は約68.5%)
- 営業利益率:LTM約20%前後(3Q累計21.8%)
- 当期純利益率:LTM約14%前後
- ROE:11.4%、ROA:7.7%
- コスト要因:自治体標準化システムの減価償却増やハード販売比率上昇で短期的に利益率を圧迫。
- キャッシュ/財務
- 現金同等物:360億円、流動比率3.83倍
- 有利子負債:極小(D/E約0.03%)
- 自己資本比率:81.8%(6/30/2025時点86.6%)
- 総評:売上・利益は安定成長。高い粗利と堅実な運転資本、強固な自己資本で財務余力は大きい。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/9期は年間110円(中間50円、期末60円の内特別10円)予想。5年平均配当利回り約2.04%。
- 配当性向:実績約44%、予想ベース約50%。
- 自社株:自己株式あり(期末ベース約101万株)。継続的な自社株買いの方針は開示情報からは不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:10日間で弱含み(4345→4110)。信用倍率1.59倍で過度な偏りなし。権利落ち通過直後で一時的な需給要因も示唆。
- 投資家層:インサイダー/関係財団の持分が厚く(内部保有30%超)、安定株主構成。機関投資家比率も一定(約28%)。
11. 総評
- 会計・税務および自治体という規制・制度対応領域に特化し、高い粗利・安定成長・強固な財務を併せ持つ。短期的には自治体標準化対応に伴う減価償却増やミックスの変化で利益率が変動しうるが、クラウド移行の進展は中長期の収益基盤強化に資する構図。
- バリュエーションは業界平均比でPER/PBRともに抑制的。テクニカル面では50日線下、200日線上で分岐的局面。次期イベント(2025-11-13の決算発表)や自治体移行案件の収益化進捗が注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTMで増収、3年CAGR約+4.4%、会社予想でも+6.4%の増収計画。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約70%、営業利益率20%前後と業界平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率80%超、流動比率3.8倍、有利子負債ほぼゼロ。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER/PBRが業界平均を下回り、EV/EBITDAもおおむね10倍前後。
参考データ・イベント
– 次回決算予定:2025-11-13 6:30 AM UTC
– 直近エクス・ディビデンド:2025-09-29(年間110円予想)
– 年初来高値/安値:4,635円 / 3,485円
注記
– 本資料は公開データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的とするものではありません。数値はLTM/会社公表/市場データ等に由来し、一部に推計・概算を含みます。最新の開示資料の確認を推奨します。
企業情報
銘柄コード | 9746 |
企業名 | TKC |
URL | http://www.tkc.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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