THK(6481)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報と提供データに基づく客観的な整理であり、投資助言ではありません。判断に影響する表現は避けています。不明な項目は記載していません。
1. 企業情報
- 概要:直動案内機器(LMガイド、ボールねじ、ボールスプライン等)のグローバル大手。半導体製造装置、工作機械、産業用ロボット、精密機器、搬送・物流、建設、航空宇宙、医療・介護向けなど広範な用途。免震・制震製品も展開。
- 特徴:LMガイドなど直動システムで世界シェア5割超(提供情報)。海外売上比率約70%。
- 事業:地域別セグメント(日本/米州/欧州/中国/その他)。産業機器が主力、輸送機器(リンクボール等)も展開。
- 本社:東京都港区芝浦2-12-10
- 設立:1971年4月10日
- 従業員:13,135人(平均年齢41.1歳、平均年収608万円)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:LMガイド分野のグローバルリーダー(世界シェア50%超)。高精度・高耐久、低摩擦の直動技術に強み。
- 主な競合:HIWIN(台湾)、日本トムソン(IKO)、NSKの直動製品、NB、Bosch Rexroth、Schneeberger、SKF等。
- 競争優位性
- 製品ラインナップの広さ(LMガイド、ボールねじ、クロスローラーリング等の周辺まで一気通貫)
- グローバル生産・販売体制と高い品質信頼性
- 免震・制震など非FA領域の独自展開
- 課題
- 需要の景気循環(半導体・工作機械等の投資サイクル)への感応度
- 欧州の需要低迷継続(2025年上期は営業損失)
- 為替・原材料価格・地政学の外部要因
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/柱
- グローバル展開の深化(中国・インド・ASEANを含む)
- 新規分野の拡大(自動車、医療機器、航空機、ロボット、再エネ、免震・制震)
- ビジネススタイルの変革(AI/IoTの活用、生産性向上)
- 進捗(2025年上期)
- 中国:需要回復で増収・高採算(営業利益率約12%)
- インド・ASEAN:販路拡大で増収
- 欧州:マクロ逆風で赤字
- 配当・資本政策
- DOE(自己資本配当率)8%方針
- 自己株式取得を機動的に実施(2025年上期に約365億円の取得支出)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:高付加価値直動部品の売上・アフター需要(交換・増設)・免震等の新領域。産業設備向けは更新・増設需要が存在。
- 強み:多用途・多地域分散、技術差別化、免震等の非連動分野での補完。
- リスク・適応
- サイクル感応度は高い一方、在庫・生産調整とコスト改善で下押し局面に対応。
- 新規分野の拡大と地域ポートフォリオでボラティリティを緩和。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:LMガイド、ボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリング、各種アクチュエータ、カムフォロア、リニアブッシュ、免震装置等。
- 技術動向:高精度化、低摩擦・長寿命化、ユニット化(アクチュエータ)、AI/IoTによる状態監視・予知保全の取り込み。
- 収益牽引:半導体・LCD製造装置、工作機械、産業ロボット向けのLM関連が中心。中国の回復が2025年上期の利益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:3,980円
- 会社予想EPS:158.00円 → PER=約25.2倍(提供指標と一致)
- 業界平均PER(16.6倍)を当社EPSに適用すると理論比較価格=約2,623円(差分は+約52%のプレミアム水準)
- BPS(実績):2,883.96円 → PBR=約1.38倍(業界平均PBR 1.4倍に近い)
- EV/売上(LTM概算):EV=時価総額474,017億円+有利子負債1,080億円−現金1,015億円 ≒ 4,805億円 → EV/S≒1.38倍
- EV/EBITDA(LTM概算):約11.3倍(EBITDA 426.8億円ベース)
- 配当利回り(予想):6.18%(年間246円、DOE 8%方針)
- 予想配当性向(単純):246円/158円 ≒ 約156%(DOE連動のため利益水準に左右されにくい)
- 足元のトレーリング配当性向:425.8%(LTM利益低下の影響)
7. テクニカル分析
- 直近終値:3,980円(前日比 -0.7%)
- 移動平均:50日線 4,069円、200日線 3,803円
- 株価は50日線をやや下回り、200日線は上回る位置。中期は上向き、短期は調整基調。
- 52週レンジ:2,420〜4,360円
- 現在値は高値から約9%下、レンジ上側のゾーン。
- 出来高:3カ月平均約73.9万株、直近10日平均約70.1万株で平常並み。
- 信用動向:信用倍率4.90倍。買残減少(-1.55万株)、売残増加(+1.18万株)でやや需給整理の動き。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2021: 318,188 → 2022: 393,687 → 2023: 351,939 → 2024: 352,759 → LTM: 349,154
- 3年CAGR(2021→LTM)約+3.1%、LTMは前年比微減(約-1%)
- 収益性(LTM)
- 粗利:81,336(粗利率約23%)
- 営業利益:15,579(営業利益率 5.17% 指標、算術では約4.5%)
- EBITDA:42,675(EBITDAマージン約12%)
- 親会社株主帰属純利益:6,953(純利益率約2.0%)
- 効率性・資本性
- ROE(実績):2.82%(LTMベース指標は約2.0%)
- ROA(LTM):1.85%
- 自己資本比率:67.6%(期中は62.7%)
- 流動比率:2.99倍
- D/E(総負債/資本):約33%
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:302億円(マージン約8.7%)
- レバードFCF:約88億円(マージン約2.5%)
- 地域別(2025年上期)
- 売上:日本 5,334億円、米州 4,385億円、欧州 3,388億円、中国 3,544億円、その他 973億円
- セグメント利益:日本 215億円、米州 63億円、欧州 △76億円、中国 433億円、その他 22億円
- トレンド
- 2022年をピークに減益基調、2025年上期は中国が牽引、欧州が逆風。コスト改善進展も販管費増や金融費用で圧迫。
9. 株主還元と配当方針
- 配当方針:DOE 8%を明確化。2025年の年間配当予想246円(中間123円、期末123円)。
- 予想配当利回り:6.18%(株価3,980円)
- 自社株買い:2025年上期に約365億円の取得。自己株式比率約13.7%(株主構成データ)。
- 機関・インサイダー保有:機関投資家約50%、インサイダー約6.8%。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+62.6%(市場平均を上回る伸び)
- 直近10日:緩やかな下落・持ち合い(4,100円台→3,980円)。
- 需給要因:高配当(DOE連動)、自社株買い実施、次回決算(2025/11/11)や年末の権利取り(2025/12/29)への思惑が影響しやすい環境。
- マクロ・業界要因:半導体設備・FAの回復度合い、欧州需要、為替、原材料、地政学・通商政策が感応要因。
11. 総評
- 事業面:LMガイドでの強固な地位と広い用途・地域分散が強み。中国の回復が可視化する一方、欧州は弱含み。
- 財務面:自己資本比率・流動性は良好。LTMの収益性・ROEは水準低下。営業CFは安定的に黒字。
- バリュエーション:PBRは業界平均並み、PERは平均を上回る水準。配当はDOE連動で高水準が続く設計。
- テクニカル:中期上昇トレンドを維持しつつ、短期は50日線下での調整局面。レンジ上側に位置。
- 注目点:通期計画(売上+3%、営業利益+35%)の達成度、欧州の底入れ、金融費用・為替動向、在庫・生産調整の進捗。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上は前年割れ(約-1%)、直近四半期売上成長 -3.6%YoY。一方で3年CAGRは小幅プラス。
- 収益性:C
- 根拠:粗利率約23%、営業利益率5%前後で、同業平均(機械)と比較して高くはない水準。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率62–68%、流動比率約3倍、D/E約33%、実質的にネットデット小幅(現金と負債が近接)。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PERが業界平均を上回る一方、PBRは概ね平均並み。EV/EBITDAは2桁前半。
参考データ(主要数値の再掲)
– 株価:3,980円/時価総額:4,740億円
– 予想EPS:158.00円/予想PER:25.2倍
– BPS:2,883.96円/PBR:1.38倍
– 予想配当:246円(DOE 8%)/配当利回り:6.18%
– LTM:売上3,491億円、営業利益率5.17%、純利益69.5億円、営業CF302億円
– 現金約1,015億円/有利子負債約1,080億円/流動比率2.99倍
– 50日移動平均:4,069円/200日移動平均:3,803円/52週高値:4,360円・安値:2,420円
今後の主な予定
– 2025/11/11:決算発表(予定)
– 2025/12/29:配当権利落ち日(予定)
(注)本レポートは提供データ(決算短信要約・指標・株価データ等)に基づき作成しています。投資判断はご自身でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6481 |
企業名 | THK |
URL | http://www.thk.com/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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