オークワ(8217)企業分析レポート

最終更新日: 2025-10-03

1. 企業情報

  • 概要: 和歌山地盤の食品スーパー大手。近畿・中部でスーパーマーケットおよびスーパーセンター(SuC)を展開。食品の製造・物流に強み。ニチリウグループの調達網を活用。EC(ネットスーパー)も展開。
  • 事業内容(連結): スーパーマーケットが中心(売上の大宗)。ほかに不動産賃貸、外食(オークフーズ)、農産物加工・配送(サンライズ)など。
  • 体制・規模: 従業員2,104人、平均年齢47.0歳、平均年収506万円。プライム市場上場。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 近畿・中部に強みを持つ地域密着の中堅食品スーパー。全国大手(イオン、ライフ等)やドラッグストア、ディスカウント、ECとの競合が強い市場環境。
  • 競争優位性:
    • 自社物流・製造機能を活かした生鮮・惣菜等の品質・鮮度管理とコスト最適化。
    • ニチリウ系の調達力、地域ドミナンスによる効率。
  • 課題:
    • 人件費・エネルギー等のコスト上昇、価格競争激化で低収益構造が続く。
    • 需要の節約志向強まりに伴う客単価の伸び悩み。
    • 店舗網のスクラップ&ビルド、業態最適化の加速が必要。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社方針(短信要旨):
    • 業態再構築、店舗生産性向上
    • PB(オークワブランド)拡大
    • マーケティング強化(需要喚起・顧客接点の拡張)
    • 業務革新・コスト削減、人的資本投資
    • サステナビリティ推進
  • 具体策・進捗:
    • 2025年6月に愛知県「豊明店」開店(中部強化)。
    • 外食・加工配送子会社の効率化で増益。
    • 自己株式取得(資本効率の改善意識、期中に約7.9億円規模)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 食品小売の薄利多売型。生鮮・惣菜など差別化領域とPBで粗利確保、物流効率化で販管費を圧縮。
  • 適応力:
    • 物流・製造機能、PB強化、データ活用による在庫・値入管理でコスト環境変化に対応。
    • ECやアプリ等のデジタル接点拡大の余地。
  • リスクと対応:
    • 原材料・エネルギー高、人件費上昇 → 価格政策・SKU最適化・自動化で緩和。
    • 競争激化 → ドミナンス強化、既存店改装、業態最適化。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運営:
    • 自社物流・製造(生鮮・惣菜等)での工程最適化、歩留り改善。
    • EC(ネットショッピング)運営、マーケ施策の高度化(データ活用は今後の伸長余地)。
  • 主力領域:
    • 食品スーパー(生鮮・総菜・日配・加工食品)
    • PB商品の拡充が収益牽引要素。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価861円、時価総額361億円
  • 指標比較:
    • PER(会社予想): 44.54倍(業界平均 21.3倍)→ 収益対比では高め
    • PBR(実績): 0.48倍(業界平均 1.8倍)→ 純資産対比では低位
    • EV/売上高(LTM): 約0.18倍(EV=約456億円、売上=2,520億円)
    • EV/EBITDA(LTM): 約5.5倍(EBITDA=約83億円)
  • 補足:
    • BPS 1,795.51円に対し株価861円(PBR約0.48)。
    • 予想EPS 19.33円でのPERは高めだが、利益水準が低いことの表れ。資産面ではディスカウント。

7. テクニカル分析

  • トレンド:
    • 50日移動平均: 951.8円、200日移動平均: 892.2円
    • 現在値861円は50日・200日線を下回る位置。短期・中期とも弱含み。
  • レンジ認識:
    • 52週高値: 1,013円、安値: 746円。現在はレンジ下寄り〜中位(約下から4割付近)。
  • 需給:
    • 本日の出来高13.2万株と直近10日平均(約6.2万株)を上回る下落日。
    • 信用倍率0.99倍と中立、信用買い残が増加、売り残が減少。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結、百万円)
    • 売上高: LTM 252,039、2025/2期 250,150、2024/2期 247,377、2023/2期 246,876、2022/2期 266,530
    • 営業利益: LTM 1,670、2025/2期 1,336、2024/2期 2,898、2023/2期 2,934、2022/2期 5,241
    • 当期純利益: LTM -2,220(特損影響。LTMの特別項目計 -4,104)
  • 収益性
    • 粗利率(LTM): 約31.3%(粗利789.7億円/売上2,520.4億円)
    • 営業利益率(LTM): 0.81%(提供指標)
    • 純利益率(LTM): -0.88%
    • EBITDAマージン(LTM): 約3.3%
    • ROE(実績): -3.12%、ROA(LTM): 0.79%
  • キャッシュフロー
    • 営業CF(LTM): 67.9億円、投資CF: -26.7億円、財務CF: -33.5億円
    • レバードFCF(LTM): -18.1億円(投資・株主還元・借入返済で流出)
  • 財政状態
    • 自己資本比率: 56.3%(中間期末、前期末57.7%)
    • 総有利子負債: 196億円、現金等: 100.7億円(ネットデット約95億円)
    • D/E: 26.6%、流動比率: 0.79(小売特性上低め)
  • トレンド評価
    • 売上は足元で微増傾向(LTM+約1%)だが、営業利益は中期的に縮小。特別損失の影響大。
    • 2026年2月期会社予想では増益計画(営業利益21億円、純利益8億円)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:
    • 2026年2月期予想: 年間26円(中間13円、期末13円)、予想利回り約3.02%
    • 直近の配当性向: LTMベースで赤字のため高比率(参考: 提供データのPayout Ratio 516.9%)。会社予想EPS19.33円に対しても約135%程度と高め。
  • 自社株買い:
    • 2025年3月に取得決議。自己株式数は前期末19.4万株→当中間期末104.1万株(約7.9億円取得)。
  • イベント:
    • 権利落ち(予定): 2026-02-19

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:
    • 直近10日で下落基調、9/30以降の反落が継続し本日も安値引けに近い。
    • 52週騰落率は+2.84%と小幅上昇にとどまる。
  • 投資家関心・株主構成:
    • インサイダー保有比率: 37.5%、機関保有: 19.6%。
    • 流通株式(フロート)約2,524万株。出来高は増加局面あり。

11. 総評

  • 需要面は安定的な食品小売で、物流・製造機能やPB強化を背景に差別化に取り組む一方、コスト高・競争激化で収益性が低位にとどまる構図。LTMでは特別損失の影響で最終赤字だが、会社計画は増益を見込む。
  • バリュエーションはPERが高位である一方、PBRは0.5倍前後と資産面では低位。キャッシュフローは営業CF黒字を維持しつつ、投資・還元・返済でフリーCFは弱含み。
  • テクニカル面では短中期移動平均を下回り、モメンタムは短期的に弱い。需給は信用倍率0.99倍と中立域。
  • 中計の肝は「業態再構築・生産性向上・PB拡大」。収益性の底上げと特損の一巡が実現できるかが注目点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: B
    • 理由: LTM売上はYoY+約0.8%と小幅増。3年CAGRでは横ばい〜微減のため中立評価。
  • 収益性: C
    • 理由: 営業利益率0.8%、純利益率マイナス。EBITDAマージンも低位で、業界感覚でも見劣り。
  • 財務健全性: A
    • 理由: 自己資本比率56%台、D/E約27%と健全。流動比率は低めだが小売特性を勘案。
  • 株価バリュエーション: B
    • 理由: PERは高位だがPBRは大きく低位。EV/EBITDA約5.5倍は中庸〜やや割安圏に近い水準。

参考データ出所: 提供の株価・財務・信用・決算短信サマリ等(2025年9月30日公表 2026年2月期第2四半期決算短信 ほか)


企業情報

銘柄コード 8217
企業名 オークワ
URL http://www.okuwa.net/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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