三協立山(5932)企業分析レポート
株価:648円(2025-10-02終値)/市場区分:東証プライム/業種:金属製品(建設・資材)
1. 企業情報
- 概要:建材・住宅・エクステリアを中心に、アルミ・マグネシウムの鋳造・押出・加工、店舗什器・サイン(看板)まで展開するアルミ建材大手。住宅用サッシは国内3位。
- セグメント構成(連結売上比):建材50%、マテリアル17%、商業施設12%、国際21%(海外売上比率22%)
- 特色:原材料(押出材等)から最終製品(サッシ、エクステリア、店舗什器、サイン)までの一貫体制。国内外でM&Aを活用。
今後のイベント
– 決算発表予定ウィンドウ:2025/07/09–07/14
– 権利落ち日(予定):2025/11/27
– 配当方針:年間25円を下限とする安定配当の継続(会社方針)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内アルミ建材の大手。住宅サッシは国内3位。建材に加え、素材(押出形材)、商業施設(什器・サイン)を併営する総合体制が特徴。
- 競争優位性
- 素材〜製品の垂直統合により、コスト管理・納期対応・品質管理で優位性を発揮しやすい構造。
- 事業ポートフォリオの多角化(建材・素材・商業施設・海外)が景況変動の平準化に寄与。
- 課題
- 国内住宅着工の減少傾向、建設コストや物流・労務費の上昇で建材の収益性が低下。
- 国際事業(特に欧州)の需要減や品質関連の一時費用発生により赤字。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・計画:「VISION2030」配下の中期経営計画(2025–2027)。初年度目標(売上3,600億円・営業益40億円)に対し、実績は売上3,594億円・営業益15億円で未達。外部環境を踏まえ計画の見直しを実施。
- 重点施策(短信等より)
- コスト構造改革(減価償却方法の見直し、原価・物流費の最適化)
- 設備投資による生産性向上(2025期の投資CFは▲143億円、有形固定資産取得約133億円)
- 収益性改善:赤字の国際事業の立て直し、建材の価格政策・製品ミックス改善
- 商業施設では需要堅調(省人化・改装投資)を取り込み、利益体質の強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:住宅・非住宅の建材、商業施設向け什器・サイン、素材供給の複合モデル。建設・小売投資のサイクルに影響を受けやすい一方、複数セグメントでの分散が機能。
- 持続性評価:
- 需要トレンドの変化(新設住宅減、改装・非住宅・省人化投資の増加)へは、商業施設やマテリアルでの補完が効く構造。
- 一方、海外(欧州)や原材料価格・為替の変動感応度が高く、価格転嫁・品質管理・グローバル生産最適化が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 主力分野:住宅・ビル用建材(サッシ、カーテンウォール、エクステリア)、アルミ・マグネシウム押出材、店舗什器・サイン。
- 技術・開発の方向性:アルミ加工・表面処理等の基盤技術。収益面では2025期、マテリアルと商業施設が黒字寄与。国際事業の品質対応に伴う一時費用が収益を圧迫。
- セグメント損益(2025/5期 営業利益ベース)
- 建材:+2.36億円(利益率約0.1%)
- マテリアル:+26.02億円(約4.4%)
- 商業施設:+14.60億円(約3.3%)
- 国際:▲25.98億円(約▲3.4%)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 時価総額:約204億円
- 会社予想PER:67.71倍(業界平均:17.5倍)
- 実績PBR:0.22倍(業界平均:0.7倍)/BPS:2,911円に対し株価648円
- EV/Sales(概算):EV ≒ 204億 + 有利子負債893億 − 現金215億 = 約883億円、売上3,594億円 → EV/S ≒ 0.25倍
- 評価の示唆:
- PERは会社予想利益水準が低いため高めに見える一方、PBRとEV/Sは低水準。
- 利益の回復度合いが評価のカギ。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日線(約633円)、200日線(約622円)を上回る推移で、中期的には上向き基調。
- 位置:年初来高値676円に対し現値648円(約4%下)。52週高値773円は上方に残存。
- 短期動向:直近10日で高値圏からやや押し戻される展開(675→648)。出来高は10日平均約8.0万株で3カ月平均(約7.2万株)を上回り、売買関心はやや上向き。
- 信用動向:信用倍率12.17倍(買い長)。短期の値動きに影響を与える可能性。
8. 財務諸表分析
- 売上高推移:3405億(2022)→3704億(2023)→3530億(2024)→3594億(2025・LTM)
- 収益性(2025・LTM)
- 粗利率:約19.4%(697.6/3,594)
- 営業利益率:約0.4%(15.45/3,594)
- 当期純利益:▲23.36億円、純利益率約▲0.65%
- EBITDA:約100億円、EBITDAマージン約2.8%(ノーマライズ後約3.1%)
- ROE/ROA:ROE約▲2.2〜▲2.5%、ROA約0.33%(低位)
- キャッシュフロー:営業CF+32億円、投資CF▲143億円、財務CF+75億円。レバレッジを利用し積極投資、LTMフリーCFはマイナス。
- 財務安全性:
- 自己資本比率:30.4%(40%目安を下回る)
- 流動比率:約1.21倍
- D/E(Debt/Equity):約0.94倍(有利子負債893億、現金215億)
- 金利負担増(営業外費用の増加)に留意。
- 一過性項目:特別損失(減損・除却等)計約22億円を計上。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/5期):年間25円(中間12.5円、期末12.5円)
- 会社方針:年間25円を下限とする安定配当を継続予定(2026/5期予想も年間25円)。
- 利回り:配当利回り約3.9%(株価648円ベース)
- 配当性向(試算):会社予想EPS9.57円に対し25円 → 約261%(予想利益水準が低いため、配当は内部留保等で賄う想定)
- 自社株買い:短信等で大規模な実施の記載は確認できず(自己株は存在)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:中期は上向き、足元は上値でのもみ合いからやや反落。
- 需給:信用買い残が厚く(倍率12.17倍)、短期のボラティリティ要因。インサイダー保有24.9%、機関保有21.2%と安定株主も一定。
- 外部要因:国内住宅着工・資材/物流費、欧州自動車・EV需要、為替・地政学、品質対応コストなどが株価感応要因。
11. 総評
- 売上は横ばい〜緩やかな回復だが、建材収益性の低下と国際事業の赤字で連結利益は弱含み。コスト構造改革と国際事業の立て直しが最重要課題。
- バリュエーションはPBR・EV/Sで低水準、PERは利益水準の低さを反映し高倍率。利益水準の改善が評価の焦点。
- 設備投資による生産性向上と事業ポートフォリオの分散は中長期の底上げ要因となり得る一方、原材料・為替・欧州需要など外部変動への耐性が鍵。
(本レポートは公開情報に基づく整理であり、投資判断・助言は行いません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上+1.8% YoY、3年での年率成長は概ね低位のプラス。急成長ではないため中立評価。
- 収益性:C
- 根拠:営業利益率約0.4%、2期連続最終赤字。業界感覚値と比較して低位。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率30.4%、流動比率1.21、D/E約0.94倍。やや負荷が高い水準。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PBR0.22倍、EV/S約0.25倍と低水準。一方でPERは高倍率だが、赤字期を含むためPBR・EV/Sを重視。
参考データ(抜粋)
- 株価レンジ:年初来 516–676円(現値648円)/52週 516–773円
- 移動平均:50日 632.7円、200日 621.5円
- 出来高:10日平均 約8.0万株/3カ月平均 約7.2万株
- 発行株式数:31,554,629株/時価総額:約204億円
- セグメント売上(2025/5期, 億円):建材1,786、マテリアル598、商業施設445、国際761
- セグメント利益(2025/5期, 億円):建材2.36、マテ26.02、商業14.60、国際▲25.98
ご要望があれば、セグメント別の過去推移や詳細なキャッシュフロー分析も展開します。
企業情報
銘柄コード | 5932 |
企業名 | 三協立山 |
URL | http://www.st-grp.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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