以下は、SBIリーシングサービス(証券コード: 5834)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
SBIリーシングサービスは、SBIホールディングス傘下の企業で、航空機や船舶を対象とするオペレーティング・リース事業への投資ファンドの組成・販売を主な事業としています。主な収益源は、税繰り延べメリットを享受したい企業や個人投資家向けに、航空機や船舶をリースする「JOL(日本型オペレーティング・リース)」や「JOLCO(JOL with Call Option)」といった商品を組成し販売することです。ゼネラルアビエーション事業やプリンシパルインベストメント(自己投資)も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社はSBIグループのネットワークと信用力を背景に、地方銀行など様々な金融機関と連携して顧客基盤を広げています。オペレーティング・リース市場においては、航空機・船舶といった高額資産を対象とすることで、税務メリットを求める投資家のニーズに応えています。
業界の課題としては、決算短信で指摘されているように、グローバル経済の物価上昇、米国の関税措置や地政学リスク(中東・ウクライナ情勢など)、為替・金利の変動性が挙げられます。特に航空業界では、航空機メーカーの製造課題や部品供給遅延、人手不足、運航コストの上昇、そして環境規制(カーボン対応)が継続的なリスク要因となる可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
提供された情報からは、同社が掲げる具体的なビジョンや中期経営計画の詳細に関する記述は見当たりません。ただし、2026年3月期第1四半期決算において通期業績予想の変更がないと公表されていることから、既存のオペレーティング・リース事業の堅調な推進に注力していると推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、航空機や船舶を活用したオペレーティング・リースにより、投資家である事業法人や富裕層に税繰り延べメリットを提供するものです。この収益モデルは、税制や市場環境の変化に影響を受ける可能性があります。足元ではJOLC商品が過去最高の販売金額を達成するなど、一定の市場ニーズを捉えていることが伺えます。しかし、マクロ経済の変動(為替・金利)、地政学リスク、環境規制の強化(新燃料船導入など)といった外部要因への適応力がモデルの持続可能性を左右すると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
提供された情報に技術革新に関する具体的な記述はありません。同社の主力製品は「ファンド・JOL商品」と「JOLCO商品」であり、これらは航空機や船舶を対象としたオペレーティング・リースを組み合わせた投資商品です。投資家はこれらの商品を通じて、航空機や船舶といった実物資産への間接投資を行い、リース収益や売却益、税務メリットを追求します。
6. 株価の評価
現在の株価は4,880.0円です。
* 会社予想EPS(1株当たり利益)は608.81円であり、現在の株価に基づくPER(株価収益率)は約8.02倍と算出されます(4,880円 ÷ 608.81円 = 8.01倍)。
* 実績BPS(1株当たり純資産)は3,236.80円であり、現在の株価に基づくPBR(株価純資産倍率)は約1.51倍と算出されます(4,880円 ÷ 3,236.80円 = 1.51倍)。
同業他社の業界平均PERが11.8倍、業界平均PBRが1.9倍であることと比較すると、現在の株価はPER、PBRともに業界平均を下回っており、割安な水準にあると評価できます。
7. テクニカル分析
現在の株価4,880.0円は、年初来高値5,530円、年初来安値2,436円の範囲で推移しています。
直近の株価履歴を見ると、2025年9月下旬以降5,000円台で推移していた株価は、10月に入り4,800円台に軟化しており、短期的な下降傾向が見られます。50日移動平均線5,020.60円を下回っており、短期的には調整局面にあると判断できます。しかし、200日移動平均線3,800.67円は上回っており、年初来安値からは大きく上昇しているため、長期的な視点では上昇トレンドの中に位置するとも解釈できます。現在の株価水準は、高値圏からは下落しているものの、極端な安値圏にあるとは言えない中程度の位置、または調整局面にあると見ることができます。
8. 財務諸表分析
- 売上高:
- 2022年3月期: 29,556百万円
- 2023年3月期: 39,572百万円 (前年比約+33.8%)
- 2024年3月期: 54,146百万円 (前年比約+36.8%)
- 2025年3月期(過去12ヶ月実績): 41,916百万円 (前年比約-22.6%)
- 直近の2026年3月期第1四半期は10,419百万円と、前年同期比で+321.7%の大幅増収を達成しています。過去数期は増加傾向にありましたが、2025年3月期は減少、しかし直近四半期は急速な回復を見せており、売上の変動が大きい点が特徴です。
- 利益:
- 営業利益は2022年3,280百万円から2025年3月期6,729百万円へと着実に増加傾向にあります。
- 親会社株主に帰属する当期純利益も、2022年3月期に7,911百万円の一過性利益があったと見られる特殊要因を除けば、2023年3月期2,443百万円から2025年3月期4,388百万円へと堅調に伸長しています。
- 過去12ヶ月の営業利益率は24.69%、純利益率は10.31%と高い収益性を維持しています。
- 直近の2026年3月期第1四半期の営業利益は2,571百万円(前年同期比+110.3%)と、売上高の伸びに伴い利益も大きく増加しています。
- ROE(自己資本利益率): 過去12ヶ月で22.17%、実績で18.98%と、高い水準を維持しており、効率的な資本活用ができていることを示唆しています。
- ROA(総資産利益率): 過去12ヶ月で5.10%です。
- 自己資本比率: 実績で23.8%、直近の第1四半期で23.6%と、一般的には低い水準です。これは金融業、特にリース事業の特性上、借入金が多いためと考えられます。
- 流動比率: 直近第1四半期で133.5%と、短期的な支払い能力は健全な水準にあります。
- D/Eレシオ(負債資本倍率): 直近第1四半期で300.16%(3.00倍)と、負債が純資産に比べて高い比率を示しています。これもリース事業の特性によるものと考えられますが、負債依存度が高い点を考慮する必要があります。
- キャッシュフロー: 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細な評価はできません。
9. 株主還元と配当方針
同社の配当方針は、連結配当性向30%以上を目安とし、安定・継続的な配当を総合的に勘案して決定するとしています。
会社予想ベースの年間配当は220円、配当利回りは4.51%(Forward Annual Dividend Yield)と算出され、現在の株価水準において比較的良好な利回りと言えます。配当性向は30.51%であり、配当方針に沿った水準です。自社株買いに関する情報は提供されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価推移を見ると、一部高値を付けた後、緩やかに下降するモメンタムが見られます。50日移動平均線を下回っており、短期的には売りの勢いがある可能性も示唆されます。
投資家関心については、信用買残が341,300株と信用売残2,100株に比べて大幅に多く、信用倍率は162.52倍です。これは、株価が上昇すると利益確定売りが出やすい状況を示唆する一方で、売り圧力が非常に低いことも意味します。
株価に影響を与える要因としては、同社の業績見通しに加え、オペレーティング・リース市場の動向、航空機や船舶の需要、税制優遇の変化、そしてマクロ経済全体の為替レートや金利の変動、地政学リスクなどが挙げられます。
11. 総評
SBIリーシングサービスは、SBIグループの一員として、航空機・船舶向けオペレーティング・リースファンドの組成・販売を主力事業とする企業です。2026年3月期第1四半期は大幅な増収増益を達成しており、高い成長モメンタムと高水準の収益性を有しています。ROEも20%台を維持し、効率的な経営が伺えます。
財務健全性においては、自己資本比率が20%台と低く、D/E比率が高い水準にありますが、これはリース事業特有のバランスシート構造を反映していると考えられます。短期的な流動性には問題ありません。
株価は、予想PERおよび実績PBRが業界平均と比較して割安な水準にあり、配当利回りも高いことから、バリュエーション面では魅力的と言えます。直近の株価は一時高値から調整局面にあるものの、長期的な上昇トレンドの中に位置しています。
12. 企業スコア
- 成長性: S
- 過去3年間の売上高CAGRが約12.5%と堅実な伸びに加え、直近の2026年3月期第1四半期売上高が前年同期比+321.7%と非常に高い成長率を示しており、足元の成長モメンタムが強いと評価できます。
- 収益性: S
- 過去12ヶ月の営業利益率24.69%、ROE22.17%、粗利益率24.94%といずれも高水準であり、業界平均を上回る優れた収益力を有していると判断できます。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率が約23%と低く、D/Eレシオが300%超と高い水準です。金融業の特性を考慮しても、一般的には財務基盤が比較的弱いと評価されます。ただし、流動比率は133.5%と問題ありません。
- 株価バリュエーション: S
- 会社予想PER8.02倍、実績PBR1.51倍は、業界平均PER11.8倍、PBR1.9倍と比較して明らかに割安な水準にあり、株価は過小評価されていると評価できます。
企業情報
銘柄コード | 5834 |
企業名 | SBIリーシングサービス |
URL | https://www.sbils.co.jp |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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