株式会社セレスポ (証券コード: 9625) 企業分析レポート

東京証券取引所スタンダード市場に上場する株式会社セレスポ(以下、セレスポ)について、個人投資家向けに企業分析を行います。

1. 企業情報

セレスポは、イベントの企画・運営を主事業とする会社です。特に建設式典やスポーツイベントの分野に強みを持っています。その他、企業の販売促進支援イベントや地域の活性化イベントなども手掛けています。イベントの企画から制作、会場の設営、運営、進行管理に至るまで、幅広いサービスを一貫して提供しており、イベント関連の物品の企画・製造・販売・レンタルや、警備業務、土木・建築設計の監理・施工も行っています。
直近の報告書では事業を「ベース事業」「スポーツ事業」「ロイヤルイベント事業」の3つに区分しており、ベース事業が売上の約8割を占めています。設立は1977年、本社は東京都豊島区に立地しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

セレスポは長年の実績とイベント運営に関する総合的なノウハウを蓄積しており、特に建設式典や大規模スポーツイベントにおいては独自の強みを持っています。国内のイベント市場では、コロナ禍からの回復によりイベント開催需要が回復傾向にありますが、同時に資材価格や人件費の高騰という課題に直面しています。
競争優位性としては、イベントの総合請負体制により、多岐にわたるサービスを一社で完結できる点が挙げられます。これにより、顧客にとってはイベント運営の効率化や品質管理のメリットが期待できます。一方で、イベント業界は季節性や大型案件の有無に業績が左右されやすく、また独占禁止法関連の調査・和解勧告といった過去事案が今後の事業展開においてリスク要因となる可能性があります。具体的な市場シェアの情報は開示されていません。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、企業倫理の遵守と信頼回復を最重要課題と位置付けています。具体的な施策として、各拠点のマネジメント強化、人材育成、コンプライアンスの徹底を掲げています。
中期経営計画の具体的な数値目標については明示された情報はありませんが、2026年3月期の通期業績予想として、売上高14,000百万円(前期比+2.4%)、営業利益700百万円(前期比+12.5%)、経常利益700百万円(前期比+13.6%)、当期純利益470百万円を掲げており、堅実な回復と成長を目指す方針が示されています。

4. 事業モデルの持続可能性

セレスポの事業モデルは、イベントに関する多岐にわたるサービスを一貫して提供する「イベント総合請負業」です。イベント市場は社会情勢や景気に左右されやすい特性がありますが、コロナ規制緩和に伴うイベント需要の回復は同社にとって追い風となっています。
収益モデルは、イベントの企画・設営・運営受託によるものが中心で、物品のレンタルや販売も加わります。市場ニーズの変化への適応力としては、多様なイベントニーズに対応できる柔軟性と、長年培ったノウハウが強みです。しかし、将来的なイベント需要の変動や、独占禁止法関連の事案による社会的信用の影響、資材価格や人件費の高騰による収益圧迫のリスクは、事業の持続可能性を評価する上で考慮すべき要素です。

5. 技術革新と主力製品

イベント業界における技術革新は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、VR/AR技術の活用、オンラインとリアルの融合などが挙げられます。セレスポにおける具体的な技術革新に関する記述は多くありませんが、イベントの企画・演出・設営に関する専門技術と長年の経験が同社のノウハウとして蓄積されています。
収益を牽引する主力サービスは、大規模な建設式典やスポーツイベント、そして企業プロモーションイベントなどの企画・設営・運営です。特に「ベース事業」が全体の約8割を占めており、多様なイベント案件を安定的に受注していることが伺えます。

6. 株価の評価

現在の株価1,080.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 12.56倍
* PBR(実績): 0.66倍
* EPS(会社予想): 85.96円
* BPS(実績): 1,635.01円

業界平均と比較すると、PER(業界平均15.0倍)は割安水準、PBR(業界平均1.2倍)も割安水準にあります。会社の予想EPSが85.96円であることから、来期は黒字転換を見込んでいると判断できます。PER、PBRともに業界平均を大きく下回っており、現在の株価は割安な評価を受けていると言えます。

7. テクニカル分析

現在の株価は1,080.0円です。
* 年初来高値:1,185円
* 年初来安値:931円
* 52週高値:1,185.00円
* 52週安値:870.00円

現在の株価は、年初来安値からは上昇していますが、年初来高値には届いていない水準です。
* 50日移動平均線:1,092.76円
* 200日移動平均線:1,060.18円

現在の株価1,080.0円は、50日移動平均線をわずかに下回っていますが、200日移動平均線よりは上に位置しています。直近10日間の株価は1,078円から1,099円のレンジで推移しており、出来高も比較的低い状況です。現状は、高値圏からはやや調整が進み、中立からやや安値圏に近い位置にあると見ることができます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2022年3月期:27,012百万円

    2023年3月期:19,925百万円
    2024年3月期:8,959百万円
    過去12ヶ月(2025年3月期予想または実績): 13,667百万円
    2026年3月期第1四半期(単体): 2,567百万円 (前年同期比+15.3%)
    売上高はコロナ禍の影響から大きく減少しましたが、過去12ヶ月および直近四半期では回復基調にあります。特に直近四半期は前年同期比で15.3%増となっており、回復が継続していることが伺えます。
    * 利益: 営業利益: 2022年3月期:6,650百万円

    2023年3月期:3,022百万円
    2024年3月期:△383百万円
    過去12ヶ月(2025年3月期予想または実績): 799百万円
    純利益:
    2022年3月期:4,636百万円
    2023年3月期:2,073百万円
    2024年3月期:△269百万円
    過去12ヶ月(2025年3月期予想または実績): △764百万円 (損失)
    営業利益はコロナ禍での大幅な落ち込みから、過去12ヶ月では黒字転換と回復しています。しかし、純利益は「過去12ヶ月」では依然損失となっています。これは一時的な要因や税効果の影響等も考えられますが、継続的な収益性改善が課題です。直近の2026年3月期第1四半期では、営業損失、経常損失、四半期純損失を計上していますが、前年同期に比べて損失幅は縮小しています。
    * 収益性指標: ROE(実績): △7.97% (過去12ヶ月では△7.31%)

    ROA(過去12ヶ月): 4.65%
    粗利率(過去12ヶ月): 33.2%
    営業利益率(過去12ヶ月): 5.85%
    EBITDA(過去12ヶ月のNormalized): 860.77百万円 (EBITDA率は約6.29%)
    ROEは過去12ヶ月・実績ともにマイナスであり、収益性の課題を示唆しています。ROAはプラスで、効率的な資産運用が行われている可能性も示しています。粗利率は一定水準を維持しているものの、販管費等のコストコントロールが利益改善の鍵となります。
    * 財務健全性: 自己資本比率(実績): 70.2% (直近四半期は72.5%)

    流動比率(直近四半期): 4.23
    Total Debt/Equity(直近四半期): 6.15%
    自己資本比率は70%を超えており、流動比率も4倍以上と非常に高く、負債比率も低いため、財務健全性は非常に高い水準にあると評価できます。現金預金も豊富であり、短期的な支払い能力に問題はありません。ただし、独占禁止法関連の一時的な損失引当金約13億円を計上しており、今後の偶発債務の動向には注意が必要です。

    9. 株主還元と配当方針

    セレスポは、2025年3月期に年間30円(期末30円)の配当を実施しました。2026年3月期の配当予想も年間30円(第2四半期末に30円)です。
    * 配当利回り(会社予想): 2.78%
    * 1株配当(会社予想): 30.00円
    * 配当性向(会社予想EPS 85.96円に基づく): 約34.9%

会社予想EPSに基づけば、配当性向は約35%と妥当な水準です。過去12ヶ月のPayout Ratioは特別損益込みの純利益のマイナスにより非常に高くなっていますが、これは一過性の要因と見られます。安定配当を維持する方針が見て取れます。自社株買いについては、公開されたデータからは直近の具体的な実施状況は読み取れませんが、自己株式を4.13%保有しています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近で1,078円から1,099円の間で推移しており、大きな上昇・下降の勢いは見られません。出来高は比較的少なく、投資家の注目度は現状では高くない可能性があります。
株価に影響を与える主な要因としては、イベント需要の回復状況、資材・人件費の上昇といったコスト変動、そして最も重要なのは独占禁止法関連の調査や係争の進捗と、それによって生じる潜在的な財務的影響です。これらの不確実性が払拭されない限り、大きな株価の上昇モメンタムは限定的かもしれません。信用買残が多いですが信用売残はゼロであり、信用倍率が0.00倍となっている点は、需給面での影響が限定的であることを示唆しています。

11. 総評

セレスポは、イベント総合請負業として長年の実績と強固な事業基盤を持つ企業です。コロナ禍からの売上回復が顕著であり、特にベース事業が堅調に推移しています。財務健全性は非常に高く、自己資本比率や流動比率からは安定した経営基盤が見て取れます。
一方で、直近の利益は独占禁止法関連の引当金などの一時的な要因で損失計上となっており、今後の同件の進捗は業績に大きな影響を与える可能性があります。また、資材・人件費の高騰は常時リスクとして存在します。株価バリュエーションは業界平均と比較して割安水準にあり、配当利回りも安定しています。
今後は、イベント需要の回復を確実に収益につなげつつ、独占禁止法関連問題の解決と透明性の高い情報開示による企業ブランドの回復、そしてコストコントロールが重要となります。

12. 企業スコア

  • 成長性:B

    過去数年の売上高はコロナ禍で大きく変動しており、長期的なCAGRはマイナスですが、直近12ヶ月および第1四半期では前年同期比でプラス成長に転じており、回復基調にあります。回復の勢いは見られるものの、過去の最高水準には及ばず、安定した成長軌道に乗るまでには課題が残るため、中立的な評価とします。
    * 収益性:B

    過去12ヶ月の営業利益率はプラスに転じましたが、純利益は損失を計上しています。回復傾向にはあるものの、独占禁止法関連の一時的費用計上などがあり、収益基盤の安定性にはまだ不確実性が残ります。業界平均との比較データがないため、同社の回復度合いと市場環境を考慮し、中立的な評価とします。
    * 財務健全性:S

    自己資本比率72.5%、流動比率4.23倍、D/E比率6.15%と、非常に高い水準で財務が健全です。多額の現金預金も保有しており、一時的な独占禁止法関連引当金を計上しても、財務体質は極めて強固であると評価できます。
    * 株価バリュエーション:S

    PER(会社予想12.56倍)は業界平均15.0倍を下回り、PBR(実績0.66倍)は業界平均1.2倍を大きく下回っています。このことから、現在の株価は業界平均と比較して明確に割安であると判断されます。


企業情報

銘柄コード 9625
企業名 セレスポ
URL http://www.cerespo.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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