1. 企業情報
テクマトリックス株式会社は、情報インフラ構築とアプリケーション・サービス開発を主軸とする情報通信企業です。具体的には、ネットワーク・セキュリティ製品の販売やインテグレーション、運用保守を行う「情報基盤事業」、コールセンターCRMシステムやソフトウェア品質保証サービス、ビジネスソリューションなどを提供する「アプリケーション・サービス事業」、そして医療機関向けの医療情報クラウドサービス「NOBORI」を含む「医療システム事業」を展開しています。ニチメン系の情報処理会社が起源であり、特に情報基盤事業と医療クラウド分野に強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
テクマトリックスは、サイバーセキュリティ、医療情報システム、CRMソリューションといった特定のニッチ市場で存在感を示しています。特に情報基盤事業においては、クラウド型セキュリティ製品の大型受注や複数年契約の継続的な積み上げから、強固な顧客基盤と競争優位性を持っていると推察されます。医療システム事業では、医療情報クラウド「NOBORI」を通じて、医療分野のデジタル化・クラウドシフトを牽引しており、この分野での実績は大きいと見られます。
課題としては、アプリケーション・サービス事業において人件費やクラウド費用の増加による利益圧迫が見られる点、および情報基盤事業の一部子会社で受注時期のずれや販売実績低下による利益変動が指摘されています。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、サブスクリプション・クラウド型ビジネスの推進を重要な戦略として掲げています。具体的には、医療システム事業におけるPACS(医用画像管理システム)のクラウドシフト提案強化や、車載ソフトウェアの品質向上ニーズに対応するテストツールの展開が成長ドライバーとして継続的に位置付けられています。また、新規サービスの開発・提供(例: 品質保証分野のQuomiru)にも注力しており、市場ニーズの変化に対応した事業ポートフォリオの強化を図っています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、高いストック比率によって持続可能性が強化されています。全社合計で売上高におけるストック比率は85.2%(情報基盤事業89.7%、アプリケーション・サービス事業73.6%、医療システム事業73.9%)と非常に高く、安定した収益基盤を構築しています。これにより、一度顧客を獲得すれば継続的な収益が期待でき、市場ニーズの変化に対しても、クラウドベースのサービス提供やサブスクリプションモデルへの移行を進めることで、適応力を高めています。サイバー攻撃の増加や医療機関のクラウド化といった外部環境の変化が、同社のサービスに対する需要を後押ししています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、サイバーセキュリティ、医療情報クラウド、ソフトウェア品質保証などの分野で技術革新を進めています。
* 情報基盤事業: クラウド型セキュリティ製品が中心であり、高度化するサイバー攻撃に対応するソリューションを提供。
* アプリケーション・サービス事業: CRMのサブスクリプションサービスや、車載向けテストツールなど、新たな技術トレンドを取り込んだサービスを展開。
* 医療システム事業: 医療情報クラウド「NOBORI」を主力とし、PACSのクラウドシフト提案を推進。これらは医療機関のDX推進に寄与し、収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価2,104.0円に対し、PER(会社予想)は17.32倍です。これは業界平均PER23.2倍と比較して割安な水準にあります。一方、PBR(実績)は3.51倍であり、業界平均PBR2.3倍と比較すると割高な水準です。EPS(会社予想)は121.49円、BPS(実績)は600.22円です。PERから見ると収益力に対して現在の株価は割安感がある一方、PBRから見ると純資産価値に対しては割高感が存在すると評価できます。
7. テクニカル分析
現在の株価2,104.0円は、年初来高値2,584円、年初来安値1,720円の中間に位置しています。52週高値2,614.00円、52週安値1,720.00円に対しても同様です。
また、現在の株価は50日移動平均線(2,095.72円)をわずかに上回っていますが、200日移動平均線(2,145.96円)を下回っています。直近10日間の株価推移を見ると、概ね2080円台から2180円台のレンジで推移しており、大きな方向感を持つトレンドは明確には見られません。一時的に2186円まで上昇する場面もありましたが、その後は調整しており、現状は高値圏でも安値圏でもない、比較的レンジ内の推移と見受けられます。
8. 財務諸表分析
テクマトリックスの財務諸表は、過去数年間にわたって一貫した成長傾向を示しています。
* 売上収益: 2022年3月期から2025年3月期(過去12か月)にかけて、36,513百万円から64,882百万円へと継続的に増加しており、2025年3月期末時点の売上高成長率は前年比で約21.7%と高い伸びを見せています。直近の2026年3月期第1四半期も前年同期比15.3%増となっており、成長が継続しています。
* 利益: 売上収益の増加に伴い、売上総利益、営業利益、純利益も継続して増加しています。営業利益率は、過去12か月で8.03%となっており、堅調な収益性を維持しています。ただし、第1四半期においては、情報基盤事業が営業利益の大部分を占め、アプリケーション・サービス事業では営業損失を計上しています。
* キャッシュフロー: 第1四半期の連結キャッシュ・フロー計算書は提供されていませんが、現金及び現金同等物は前期末の27,325百万円から29,198百万円に増加しており、資金は潤沢にあります。
* ROE・ROA: ROE(実績)は17.67%であり、高い株主資本収益性を示しています。ROA(過去12か月)は4.54%であり、資産を効率的に活用して収益を上げていると言えます。
* 自己資本比率: 実績で23.0%(短信では22.4%)と、一般的に健全とされる水準(40%以上)と比較して低い水準です。
* 流動比率: 直近四半期で1.25倍であり、短期的な支払い能力は確保されています。
* D/E比率: 直近四半期で17.77%と非常に低く、負債依存度が低いことが示されています。
全体として、高い収益成長と効率性は評価できるものの、自己資本比率の低さは財務基盤の強化に向けた課題となる可能性があります。
9. 株主還元と配当方針
同社は安定的な配当を実施しており、株主還元に努めています。
* 配当利回り: 会社予想で1.71%(通期予想36.00円)。Forward Annual Dividend Yieldは2.19%です。
* 1株配当: 2025年3月期実績34.00円から、2026年3月期予想では36.00円への増配が計画されています。
* 配当性向: 33.73%と、適切な水準に抑えられています。
* 自社株買い: データには明示されていませんが、株主の内訳に「自社(自己株口)」が9.77%(4,349,700株)と記載されており、過去に自社株買いを実施していることが示唆されます。
同社は、業績拡大に合わせて配当を増やしていく方針であると考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年9月下旬に一時上昇したものの、その後は小幅な値動きで横ばい傾向にあります。出来高は直近10日間で概ね14万~40万株の範囲で推移しており、売買代金も3億円前後と、活発に取引されています。
信用取引においては、信用売残が370,200株と信用買残143,600株を大きく上回っており、信用倍率は0.39倍と低い水準です。これは株価下落を予想する売りが積み上がっていることを示唆していますが、一方では将来的な買い戻し圧力(踏み上げ)につながる可能性も秘めています。直近週では信用売残が大幅に増加しており、投資家間で強気と弱気の意見が拮抗している状態がうかがえます。
11. 総評
テクマトリックスは、情報インフラ構築、アプリケーション開発、医療システムという成長分野で事業を展開し、高い売上成長を継続している企業です。特に、ストック比率の高い事業モデルにより安定した収益基盤を確立しています。サイバーセキュリティや医療クラウドといった市場ニーズに合致した技術とサービスを提供しており、中長期的な成長戦略も明確です。財務面では、高いROEと低い負債比率が評価される一方、自己資本比率は改善の余地があると言えます。株価はPERで割安感があるものの、PBRでは割高感も存在しており、市場は同社の成長性と独自のビジネスモデルを一定程度評価していると考えられます。信用取引では売り残が積み上がっており、市場の関心は高い状況がうかがえます。
12. 企業スコア
- 成長性: A (LTM売上成長率約21.7%と高い成長を維持)
- 収益性: B (営業利益率約8.0%は堅調だが、一部事業では費用増が利益を圧迫)
- 財務健全性: C (自己資本比率が20%台と低い点は懸念材料。ただし、D/E比率は低く、流動性も確保されている)
- 株価バリュエーション: B (PERは業界平均より割安だが、PBRが割高で、総合的に中立寄りと判断)
企業情報
銘柄コード | 3762 |
企業名 | テクマトリックス |
URL | http://www.techmatrix.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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