テクマトリックス(3762)企業分析レポート
株価:2,104円(2025-10-03終値)
市場:東証プライム/情報・通信業
時価総額:936.7億円
1. 企業情報
- 概要
- 情報基盤(ネットワーク/セキュリティ/ストレージ等の販売・SI・保守運用)、アプリケーション・サービス(CRM、BI、ソフトウェア品質保証、教育・SaaS等)、医療システム(医療画像管理PACS、クラウド「NOBORI」等)を展開。
- ニチメン(現双日)系の情報処理会社を起源に、セキュリティや医療クラウドに強み。
- 事業構成(2025.3期、売上構成比・営業利益率)
- 情報基盤:70%(12%)
- アプリケーション・サービス:14%(1%)
- 医療システム:16%(12%)
- 拠点・人員等
- 本社:東京都港区
- 従業員数:1,812人、平均年齢37.9歳、平均年収832万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性
- サイバーセキュリティ分野での海外ベンダー製品の知見・複数年契約の積み上げ、保守・監視まで含む一気通貫の運用能力。
- 医療PACS/クラウド(NOBORI)における実績と、医療機関向けの長期契約・更新需要。
- ソフトウェア品質保証(特に車載向けツール・テスト)やCRM/SaaSでのサブスク基盤。
- 課題
- クラウド保管費や人件費の上昇による利益圧迫、医療クラウド移行期のコスト先行。
- セキュリティ製品の仕入先・ベンダー動向への依存、エンジニア稼働率の変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(短信等の開示ベース)
- サブスクリプション・クラウド型ビジネスの拡大(全社ストック比率85.2%)。
- セキュリティ運用・監視や複数年更新の積み上げによる安定収益化。
- 医療PACSのクラウドシフト推進(NOBORI)、新規PHR/関連サービスの開発。
- 車載ソフト品質向上ニーズ取り込み(テストツール/検証)。
- 具体施策
- 大口・複数年のクラウド型セキュリティ受注の深耕。
- CRMサブスク拡大、新サービス(例:Quomiru)の提供開始。
- 医療クラウドの開発投資・人員増強、保管費用の最適化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 販売+SI+保守運用、SaaS/サブスク、医療クラウドのストック収入が基盤。契約更新・複数年契約により収益の視認性が高い構造。
- 適応力
- サイバー攻撃の高度化・ガバナンス強化、医療デジタル化、車載ソフト複雑化など、構造的な需要が追い風。
- コスト面(クラウド保管費、人件費)の上昇管理が収益性の鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- セキュリティ運用・監視、脆弱性可視化、メールセキュリティなど運用を含む高付加価値提供。
- 医療クラウド「NOBORI」、PACSのクラウドシフト提案力。
- 車載向け品質保証ツール群、教育・トレーニングの内製リソース。
- 収益牽引
- 情報基盤(特にクラウド型セキュリティ/保守更新)が利益の大半を創出。
- 医療クラウドとCRMサブスクが中期の成長ドライバー。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(会社予想・実績ベース)
- 株価:2,104円
- EPS(会社予想):121.49円 → PER:約17.3倍(業界平均PER 23.2倍)
- BPS(実績):600.22円 → PBR:約3.5倍(業界平均PBR 2.3倍)
- 予想配当:36円 → 予想配当利回り:約1.71%/配当性向目安:約29.6%(=36/121.49)
- EV/S(概算):約1.08倍(EV≒936.7−292+53.2=697.9億円、売上LTM 648.8億円)
- EV/EBITDA(概算):約7.7倍(EBITDA LTM 90.9億円)
- 所見
- PERとEV系は業界平均比で相対的に低位、PBRは高位。成長・ROEの高さがPBRを押し上げる一方で、収益見通しに対する割引は限定的。
7. テクニカル分析
- 位置付け
- 50日線:2,095.7円/200日線:2,145.9円
- 現在値は50日線付近、200日線をやや下回る水準(中立圏)。
- 52週高値:2,584円(−約18.6%)/52週安値:1,720円(+約22.2%)
- トレンド・需給
- 直近10日で2,160円台から2,100円前後へ押し戻し。出来高は10日平均が3カ月平均を上回り、短期関心は上昇。
- 信用倍率0.39倍(売り長)。売り残の増加により短期のボラティリティ要因。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:36.5→45.95→53.30→64.88百億円(FY2022→FY2025 LTM)で拡大。3年CAGR約21%。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約31.7%(20.55/64.88)
- 営業利益率:約10.3%(6.67/64.88)
- EBITDAマージン:約14.0%(9.09/64.88)
- 当期純利益率:約6.3%
- ROE:17.7%、ROA:4.5%
- 安全性・資本効率(直近期)
- 自己資本比率:約23%(IFRS、契約負債計上影響あり)
- 流動比率:約1.25倍
- 総有利子負債:約53億円/現金等:約292億円 → ネットキャッシュ体質
- D/E:約17.8%(低位)
- セグメント進捗(2026/3期1Q)
- 売上+15.3% YoY、営業益+14.4% YoY。情報基盤が利益の主柱。アプリは投資・コスト増で微赤、医療はクラウド移行コストで減益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期実績:年34円、2026/3期予想:年36円(中間13円・期末23円)
- 予想配当利回り:約1.71%、配当性向目安:約30%
- 自己株式
- 自己株式比率:9.77%(4,349,700株保有)。過去の取得実績を示唆。
- その他
- 安定成長に応じた配当維持・増配傾向。大規模な追加施策(特別配等)は現時点記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日線≒現値、200日線を下回るレンジ推移。52週では−8.6%とやや軟調。
- Beta(5年):0.29と低ボラティリティ特性。
- 投資家属性
- 機関投資家保有比率:約44%、インサイダー約5.8%。出来高は直近で増加傾向。
- イベント
- 次回決算想定ウィンドウ:2025-07-29〜08-04(会社予定)
- 次回権利落ち予定:2026-03-30
11. 総評
- セキュリティ×クラウド運用、医療PACSクラウド、車載品質保証など構造的成長領域を押さえ、売上・利益ともに増勢。受注残・ストック比率の高さから収益の視認性がある一方、クラウド保管費・人件費などコストインフレが利益率の変動要因。
- 財務はネットキャッシュで安定しつつ、IFRSの契約負債計上等の影響で自己資本比率は相対的に低め。運転資本管理と費用最適化が鍵。
- バリュエーションはPER・EV系で相対的に抑制、PBRはROE・成長期待を織り込む水準。テクニカルは中立圏、信用売り長で短期の値動きには留意材料。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:S
- LTM売上YoY+約22%、3年CAGR約21%と高成長。
- 収益性:A
- 営業利益率約10%、EBITDA率14%、ROE約18%。ITサービス業平均を上回る水準と見られる。
- 財務健全性:B
- ネットキャッシュ・低D/Eは良好。一方、自己資本比率23%、流動比率1.25倍は中位。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均を下回り割安感、EV/Sも低位。一方でPBRは高め。総合して中立評価。
(注)
– 本資料は公開情報・いただいたデータに基づく客観的な整理であり、投資勧誘や投資助言を目的としたものではありません。
– 数値は百万円・億円等に丸めて表記。LTM等はデータ提供時点に依存し、将来修正される可能性があります。
企業情報
銘柄コード | 3762 |
企業名 | テクマトリックス |
URL | http://www.techmatrix.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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