チャーム・ケア・コーポレーション(6062)企業分析レポート

最終更新日: 2025-10-04
株価: 1,114円(終値)

1. 企業情報

  • 概要: 近畿・首都圏を中心に介護付き有料老人ホームを運営。高価格帯のホームに注力し、土地・建物の賃借(リース)を活用した運営を中心に展開。グループとして不動産事業、その他(人材派遣・紹介、訪問看護等)も手掛ける。
  • 事業内訳(連結・売上構成/利益構成、2025.6期)
    • 介護: 84%(営業利益構成比 12%)
    • 不動産: 12%(同 1%)
    • その他: 4%(同 5%)
  • 上場区分/業種: 東証プライム、サービス業(17業種区分: 情報通信・サービスその他)
  • 本社: 大阪市北区中之島3-6-32 ダイビル本館
  • 代表者: 下村 隆彦
  • 従業員: 2,261人、平均年齢 43.4歳、平均年収 467万円
  • 期末運営状況(2025/6期)
    • ホーム数: 105ホーム、居室数: 7,155室
    • 既存ホーム(開設2年以上)平均入居率: 94.4%(前年95.2%)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 高齢化進展により有料老人ホーム需要は中長期的に拡大基調。一方で、人材不足と異業種参入で競争は強まる傾向。
  • 同社は「高価格帯」中心のポジショニングで差別化。近畿・首都圏を主戦場とし、M&Aと新規開設を併用して居室数を増加させている。
  • 課題:
    • 人材確保と定着(賃金改善・働き方改革の継続が必要)
    • 建設コスト上昇・金利環境の変化
    • 不動産売却計画の進捗に伴う収益の変動性(不動産事業)

3. 経営戦略と重点分野

  • 方針: 「介護事業を中核」に資源集中。不動産事業は進行案件の整理後に報告セグメント廃止予定。
  • 重点施策:
    • 地域(首都圏・近畿圏)と価格帯(高価格帯~標準帯)のポートフォリオ最適化
    • M&Aと新規開設の併用(2026/6期は期中8ホーム・486室開設計画)
    • 人材施策(処遇改善、選択的週休3日等)とIT導入による運営効率化
  • 2026/6期会社予想(連結):
    • 売上高 485.9億円(+4.1%)
    • 営業利益 44.6億円(+16.0%)
    • 当期純利益 30.9億円(+5.2%)
    • EPS 94.59円(会社予想)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益源: 入居一時金・月額利用料等による定常収益が主体。既存ホームの高入居率(既存で94%台)が安定性を支える。
  • 成長ドライバー: 新規開設・M&Aによる居室数拡大と稼働率改善。既存ホームの稼働維持・単価維持。
  • リスクと適応力:
    • 人件費上昇への耐性(価格改定余地、付加価値サービスの強化)
    • 建設・賃借コストと金利上昇の影響
    • 不動産売却計画の前提に依存しない収益構造への転換(不動産セグメント整理)

5. 技術革新と主力サービス

  • 技術・運営:
    • IT導入、入居促進のデジタル活用、オペレーションの標準化で効率性向上を推進
    • 人材マネジメント(シフト最適化、処遇改善)による品質・稼働の安定化
  • 収益牽引:
    • 介護事業(高価格帯ホーム群)が主力。M&Aで取得したホームの稼働改善が今後の収益押上げ要因。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価 1,114円、時価総額 364億円
  • 1株指標:
    • EPS(LTM)89.79円 → 実績PER約12.4倍
    • EPS(会社予想)94.59円 → 予想PER 11.78倍
    • BPS(実績)631.92円 → PBR 1.76倍
  • 参考比較(業界平均: PER 17.0倍、PBR 1.8倍)
    • PERは業界平均を下回る水準
    • PBRはほぼ業界平均並み
  • EV/売上・EV/EBITDA(目安)
    • EV ≒ 364億 + 有利子負債134.5億 − 現金91.5億 = 約407億円
    • EV/S ≒ 0.87倍(売上466.7億円)
    • EV/EBITDA ≒ 7.2倍(EBITDA 56.9億円、報告値ベース)
  • 配当利回り: 会社予想 3.32%(37円/年、予想配当性向 約39%)
  • 参考レンジ換算:
    • PER17.0倍×EPS予想94.59円 ≒ 1,608円
    • PBR1.8倍×BPS631.92円 ≒ 1,137円
    • 指標間で示唆価格帯に差があるため、どの指標を重視するかで見方が異なる。

7. テクニカル分析

  • 52週レンジ: 1,029円〜1,407円。現在値1,114円はレンジ下寄り(下から約23%位置)。
  • 移動平均: 50日線 1,155円、200日線 1,243円。現値は50日・200日線の下。
  • 直近10日: 1,100〜1,142円中心の揉み合い〜やや軟調。出来高は3カ月平均(約27万株)に対しやや低め(直近約14万株)。
  • 需給(信用): 信用買残 117.9万株、信用倍率 24.41倍。買い残優勢で、需給の偏りが短期の値動きに影響する可能性。

8. 財務諸表分析

  • 損益(連結、LTM)
    • 売上高: 466.7億円(前年比 −2.4%)
    • 営業利益: 38.45億円(同 −28.6%)
    • 当期純利益: 29.36億円(同 −31.3%)
    • 粗利率: 約15.5%(7,244/46,673)
    • 営業利益率: 約8.2%
    • 当期純利益率: 約6.3%
    • 3年売上CAGR: 約+17%(2022→2025)
    • 背景: 介護事業は増収・増益だが、不動産売却益の減少やM&A直後の稼働途上影響で連結利益が縮小。
  • 効率性・資本収益性
    • ROE 14.9%、ROA 4.8%
  • キャッシュフロー・財政状態(2025/6期末)
    • 営業CF +37.3億円(前年+105.3億円から縮小)
    • 投資CF −85.1億円(新規開設/M&A/保証金等)
    • 財務CF +12.8億円(借入増など)
    • 現金等 91.5億円、有利子負債 134.5億円 → ネット有利子負債 約43億円
    • 自己資本比率 39.4%、D/E(簿価ベース)約65%、流動比率 0.93倍
    • レバードFCF(LTM): −21.2億円
  • セグメント
    • 介護: 売上390.6億(+17.0%)、セグ利益48.0億(+9.0%)
    • 不動産: 売上56.1億(−57.1%)、セグ利益0.65億(−96.5%)
    • その他: 売上26.1億(+40.6%)、セグ利益1.26億(+34.0%)
    • 調整項目差引後、連結営業利益38.45億円

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績/方針
    • 2024/6期: 年間30円
    • 2025/6期: 年間34円(配当性向 37.8%)
    • 2026/6期(予想): 年間37円(中間20円に記念配3円含む、予想配当性向 約39.1%)
  • 利回り
    • 予想配当利回り 3.32%(5年平均利回り 1.70%を上回る水準)
  • 自社株買い
    • 提示情報に新規の自己株式取得方針・枠の記載は確認できず(期末自己株 43,612株)
  • 株主構成
    • インサイダー保有比率 48.78%、浮動株 2,665万株。流動性・需給への影響に留意。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム: 52週では −17.36%。中長期移動平均線の下に位置し、トレンドは中立〜弱含み。
  • 出来高: 直近は3カ月平均を下回る日が多く、短期の関心はやや低下傾向。
  • 業績イベント影響
    • 2025/6期は不動産売却の未達・延期が利益を下押し
    • 2026/6期は新規開設とM&Aホームの稼働改善進捗が注目点
    • 人件費・金利・建設コスト、介護報酬改定等の外部要因は業績感応度が高い

11. 総評

  • 介護を中核に居室数を積み上げる成長戦略は継続。既存ホームの高い入居率により収益のベースは安定的。
  • 2025/6期は不動産事業の利益縮小とM&A直後の稼働影響で減益。会社は不動産セグメントの整理を明確化しており、収益のブレ要因を縮小する方向。
  • 財務は自己資本比率約39%で中庸、流動比率1倍割れと投資積極化に伴う短期負担が見られる。営業CFはプラスを維持する一方、投資CFの拡大でFCFはマイナス。
  • バリュエーションはPERで業界平均を下回る一方、PBRは業界平均並み。成長期待と収益安定性のどちらを指標に反映するかで見方が分かれる。
  • テクニカルはレンジ下寄りで推移し、需給面では信用買い残が多め。業績進捗(新規開設/稼働改善)や不動産案件の整理状況が短中期の材料。

(本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。)

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: B
    • 根拠: LTM売上成長率 −2.4%と足元は減少。一方、3年CAGRは約+17%と中期では拡大。総合して中立評価。
  • 収益性: B
    • 根拠: 営業利益率約8.2%、EBITDAマージン約12%。ROE約15%。業界平均情報は限定的だが、同水準〜中位と評価。
  • 財務健全性: B
    • 根拠: 自己資本比率39.4%(40%水準近辺)、D/E約65%、流動比率0.93倍、ネット有利子負債約43億円。総合して中庸。
  • 株価バリュエーション: A
    • 根拠: 予想PER 11.78倍は業界平均(17倍)を下回る。PBRは1.76倍で平均(1.8倍)並み。EV/Sは約0.87倍。

企業情報

銘柄コード 6062
企業名 チャーム・ケア・コーポレーション
URL http://www.charmcc.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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By シャーロット

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