4187 大阪有機化学工業 企業分析レポート(2025-10-05時点)
以下は公開情報と提供データに基づく客観的な企業分析です。投資勧誘や助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要・事業内容
- 独立系の機能性化学メーカー。アクリル酸エステル等の化成品(塗料・粘着剤・UVインク向け)が主力。電子材料(半導体レジスト原料、ディスプレイ材料)、機能化学品(化粧品原料、高純度特殊溶剤、機能性ポリマー等)を展開。
- 多品種少量・高純度精製(蒸留・反応技術)に強み。バイオマスアクリレート等の環境配慮型製品も拡大。
- セグメント(中間期、売上構成比)
- 化成品 37.5%
- 電子材料 44.9%
- 機能化学品 17.6%
- 海外売上比率:約30%
- 従業員:463人、本社:大阪市中央区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の中堅・独立系スペシャリティ化学メーカー。アクリル酸エステルや半導体レジスト原料など、高付加価値ニッチ領域での専門性を持つ。
- 競争優位性
- 高純度・小ロット対応力、顧客の仕様に合わせたカスタム合成・精製の柔軟性。
- 半導体・表示向けなど品質要求の高い分野での信頼性。
- 課題
- 半導体・自動車塗料など景気・投資サイクルの影響を受けやすい。
- 原材料(アクリル酸等)価格変動、為替の影響。
- 先端フォトレジスト(EUV等)での技術・評価取得競争。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「P&D 2030」
- 海外販売体制の強化(韓国子会社の連結化、北米での販売拠点/合弁計画)。
- サステナブル製品(バイオマス原料等)の拡販。
- 先端半導体材料(ArF/EUVレジスト原料など)の開発加速。
- 化粧品原料の海外展開。
- 直近期の実行状況
- 2025年中間期は、電子材料(ArF原料回復)・化成品(自動車塗料向け回復)・機能化学品(高純度溶剤伸長)で増収増益。自己株式取得も実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- ニッチ高付加価値品のポートフォリオと多品種少量生産により、価格決定力と顧客スティッキネスが相対的に高い。
- 市場ニーズへの適応
- 半導体・表示・コーティング用途のサイクル変動に晒される一方、製品・顧客基盤の分散と高純度技術で変動吸収力を高める取り組み。
- 環境配慮型・高純度化のトレンドは追い風。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 高純度蒸留・反応設計、微量不純物管理、機能性ポリマー設計に強み。
- 主力領域
- アクリル酸エステル(塗料・粘着・UVインク向け)、半導体レジスト原料(ArF/EUV関連)、ディスプレイ材料、化粧品用増粘・界面活性ポリマー、高純度特殊溶剤。
- 収益牽引(中間期)
- 電子材料のセグメント利益寄与が最大(利益構成比約45%)。機能化学品は高い採算(セグメント利益率約20%)を示す。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価:3,235円(2025-10-03終値)
- 予想EPS:170.23円、実績BPS:2,182.82円
- 予想PER:19.0倍、PBR:1.48倍
- 業界平均:PER 20.4倍、PBR 1.1倍
- 評価の目安
- PER:業界平均比でやや低め(割安方向)。
- PBR:業界平均比で高め(プレミアム付与)。
- EV/S(概算):約2.1倍=時価総額72,496百万円 ÷ LTM売上34,761百万円(純有利子負債未考慮の目安)。
- LTMベースPERの参考:株価3,235円 ÷ LTM希薄化EPS約191.25円 ≒ 約16.9倍。
- 総合
- 収益性の改善を織り込みつつ、PERは業界水準に近く、PBRはプレミアム。ミックスとしては中立~やや割安寄りの評価が示唆される(指標上の比較)。
7. テクニカル分析
- 年初来高値:3,265円(本日高値と一致)、年初来安値:1,949円。現値は高値圏。
- 直近10日:3115円→3235円(+3.9%)、高値更新トライの動き。出来高は増加局面でやや膨らむ日があるが過熱シグナルは限定的(データ範囲内)。
- 信用動向:信用買残 37,900株(前週比+1,700)、倍率4.51倍。強含みの需給バイアスがうかがえる。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長
- 売上高(LTM):34,761百万円(前年比+6.3%)。
- 営業利益(LTM):5,672百万円(前年比+23.0%)。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約31.3%
- 営業利益率:約16.3%
- EBITDAマージン:約25.9%
- 当期純利益率:約12.0%
- 中期推移:2023年の利益率低下から回復、2022年水準に接近。
- 効率・資本
- ROE(実績):9.15%
- 参考ROA(概算):約7.1%(LTM純利益4,157百万円 ÷ 総資産58,637百万円、期中値利用の概算)
- インタレスト・カバレッジ(概算):EBIT 5,814百万円 ÷ 金融費用9百万円 ≫ 100倍(実質無借金体質に近い)。
- 財政状態・流動性(2025/05/31)
- 自己資本比率:75.7%(前期末75.8%)
- 流動比率:約290%(流動資産33,998 ÷ 流動負債11,738)
- 営業CF:+3,650百万円、投資CF:▲711百万円、財務CF:▲3,376百万円(自己株式取得・返済で現金残は微減)。
- セグメント採算(中間期)
- 化成品:売上6,526/利益1,004 → 利益率約15.4%
- 電子材料:売上7,816/利益1,303 → 約16.7%
- 機能化学品:売上3,058/利益618 → 約20.2%
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:69円(中間35円・期末34円)、予想配当利回り:約2.13%。
- 予想配当性向(目安):約40.5%(69円 ÷ 予想EPS170.23円)。
- 自己株式:期末自己株式2,072,611株(約9.25%)。2025年中間期に自己株式取得(取得額約22億円)を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値を更新する水準まで上昇。半導体関連の回復や決算での増益確認が背景要因。
- 投資家関心:信用買い増加・倍率上昇から、個人投資家の関心は強めとみられる。
- 近々のイベント
- 配当権利落ち予定日:2025-11-27
11. 総評
- ニッチ高付加価値分野に特化した独立系ケミカルとして、収益性は業界平均を上回る水準に改善。自己資本比率が高く、財務安全性も良好。
- 電子材料(特にArF原料)の回復と高純度溶剤の伸長が寄与。半導体や自動車塗料の市況・投資サイクル、原材料価格・為替変動には引き続き注意が必要。
- バリュエーションはPERで業界並み〜ややディスカウント、PBRはプレミアム。株価は年初来高値圏で推移しており、モメンタムは強め。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +6.3%、営業利益も二桁伸長。3年CAGRは横ばいだが直近回復基調。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率約16.3%、EBITDAマージン約25.9%と、スペシャリティ化学として良好。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約76%、流動比率約290%、実質低借入で安全性高い。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均比でやや低め、PBRは高め。総合で中立的。
(注)本レポートは提供データに基づく客観的整理です。不明点は割愛し、一過性損益は評価から除外しています。
企業情報
銘柄コード | 4187 |
企業名 | 大阪有機化学工業 |
URL | http://www.ooc.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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