AOKIホールディングス(8214)企業分析レポート
株価:1,720円(時価総額:約1,490億円)/市場:東証プライム/業種:小売(アパレル小売)
1. 企業情報
- 概要
- 紳士服・ビジネスウェアのAOKI・ORIHICA、カジュアル(大きいサイズのSize MAX)を展開する「ファッション事業」
- 複合カフェ「快活CLUB」、カラオケ「コート・ダジュール」、24hジム「FiT24」を展開する「エンターテイメント事業」
- ゲストハウス型「アニヴェルセル」等の「ブライダル事業」
- 不動産賃貸事業、その他(広告関連等)
- 連結事業構成(売上構成の目安・2025.3期):ファッション53%、エンタメ39%、ブライダル6%、不動産賃貸1%、その他0%
- 特徴
- 紳士服業界2位。機能性スーツ(例:「パジャマスーツ」「エアクール」)などを拡充
- 快活CLUBは鍵付完全個室の拡大などで差別化
- 本社:横浜市、創業1958年、設立1976年
2. 業界のポジションと市場シェア
- ファッション(紳士服)
- 紳士服専門の大手(業界2位)。ビジネスカジュアル・機能性ウェアの拡充で、スーツ需要の構造変化に対応
- 強み:全国網の店舗運営力、PB比率・機能性素材による差別化、販促ノウハウ
- 課題:スーツ需要の長期縮小圧力、価格競争・コスト上昇、出店コスト負担
- エンターテイメント
- 複合カフェは大手の一角。「鍵付完全個室」など滞在快適性の改善で客単価・稼働向上を狙う
- 課題:人件費・光熱費・フード原価上昇、競合フォーマット(他社カフェ/カラオケ/ネットカフェ、在宅娯楽)との競争
- ブライダル
- 受注活動強化で施行組数回復傾向。季節性と景気敏感性が高い
(定量的な市場シェアは未開示)
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針・重点施策(短信・開示より)
- ファッション:機能性・快適性重視の新商品(エアクール等)、レディース高機能商品の強化、ORIHICAの新規出店推進
- エンタメ:鍵付完全個室の拡大、季節メニューやキャンペーンで集客、FiT24の会員獲得強化
- ブライダル:新作ウェディングの提案、受注活動の強化で稼働改善
- 不動産:遊休スペース賃貸の推進
- 2026年3月期計画(会社予想、据え置き)
- 売上高1,980億円(+2.8%)、営業利益170億円(+8.6%)、純利益96億円(+0.3%)、EPS 114.15円
- 1Q進捗:売上22.1%、営業利益13.9%(季節性・投資負担を織り込む)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の多角化(ファッション×エンタメ×ブライダル×不動産)で景気・季節リスクを分散
- ファッションは需要構造変化に対し、機能性・カジュアル化・OMOの深化で適応
- エンタメは店舗の仕様改善(個室化等)で快適性を高め、稼働率・客単価を確保
- ブライダルは回復途上、固定費の吸収度合いが損益の鍵
- コスト上昇(原材料・物流・人件費)と出退店コスト、減損リスクを継続管理
5. 技術革新と主力製品
- ファッション:機能性素材・通気性・伸縮性・イージーケア等のプロダクト強化(例:パジャマスーツ、エアクール)
- エンタメ:鍵付完全個室など店舗仕様の進化、メニュー開発・キャンペーンでの収益改善
- 収益牽引
- エンタメ事業が営業利益への寄与が最大(1Qセグメント利益構成比:約59%)
- ファッションも安定的に貢献、ブライダルは赤字縮小中
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,720円
- 業績指標(会社予想ベース)
- EPS:114.15円 → PER:約15.1倍
- BPS:1,641.56円 → PBR:約1.05倍
- 配当:年間80円予定 → 配当利回り:約4.65%、予想配当性向:約70.1%(=80/114.15)
- マルチプル比較(業界平均:PER 21.3倍、PBR 1.8倍)
- PER・PBRともに業界平均を下回る水準(割安圏)
- EVベース
- EV ≒ 時価総額1,490億 + 有利子負債297億 − 現金238億 ≈ 1,549億円
- LTM売上約1,927億円 → EV/S ≈ 0.80倍
- LTM EBITDA約2,420億円?→ 正しくは約242億円 → EV/EBITDA ≈ 6.4倍
- 補足
- P/S ≈ 0.77倍、EPS利回り ≈ 6.6%、配当利回りは5年平均(3.12%)を上回る
7. テクニカル分析
- 直近株価レンジ:年初来高値1,860円/安値1,112円(現値は高値比約−7.5%、安値比約+54.6%)
- 移動平均:50日線1,778円 > 現値1,720円、200日線1,485円 < 現値
- 短期は50日線割れでやや弱含み、中期は200日線上で上昇トレンドを維持
- 出来高:10日平均約24万株 > 3カ月平均約18万株(直近の売買活発化)
- 信用動向:信用倍率0.27倍(売り長)、信用売残の増加・買残の減少は短期的な上値抑制要因
8. 財務諸表分析(LTMおよび過去推移)
- 損益(LTM)
- 売上高:約1,927億円(前年比+約2.7%)
- 粗利:約807億円(粗利率約41.9%)
- 営業利益:約156億円(営業利益率約8.1%)
- 当期純利益:約96億円(純利益率約5.0%)
- EBITDA:約242億円(EBITDAマージン約12.6%)
- トレンド(年度)
- 売上:2022/3 1,549億 → 2023/3 1,762億 → 2024/3 1,877億 → LTM 1,927億(3年CAGR約7〜8%)
- 営業利益:54億 → 102億 → 139億 → 156億(改善基調)
- 純利益:26億 → 56億 → 76億 → 96億(改善基調)
- 効率・収益性
- ROE:約6.8%、ROA:約4.5%
- 金利負担:利息費用約25.5億円?→ 正しくは約2.55億円、EBIT/利息 ≈ 56倍(耐性高い)
- 財政状態・流動性(2025/6/30)
- 自己資本比率:64.0%(期末60.9%)
- 流動比率:約151%
- 有利子負債:約297億円、現金約238億円 → ネット有利子負債約58億円、ネットDEレシオは低位
- セグメント(2026/3期1Q)
- 売上:ファッション2,226億円、エンタメ1,820億円、ブライダル271億円、不動産55億円(いずれも百万円単位)
- 利益寄与:エンタメ>ファッション、不動産は安定、ブライダルは損失小幅
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025/3期:年75円(中間15円、期末60円)
- 2026/3期会社予想:年80円(中間20円、期末60円)
- 予想配当利回り:約4.65%、予想配当性向:約70%
- 自社株
- 自己株式:約255万株(総発行株の約2.9%)
- 自社株買いの方針は今回資料に記載なし(不明)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 10日間の値動きは高値圏からの調整(配当落ち後に弱含み)。直近終値は50日線を下回る
- 信用売り残の増加(信用倍率0.27倍)は短期的な下押し要因。一方で浮動株が小さく(インサイダー保有約60%、フロート約3,240万株)、出来高次第で値動きが振れやすい可能性
- ベータ(5年)0.07と低く、市場全体に対する連動性は低い
11. 総評
- 事業面
- 多角化(ファッション×エンタメ×ブライダル)により収益基盤を分散。エンタメが利益を牽引し、ファッションは機能性・カジュアルシフトで需要変化に適応中。ブライダルは回復傾向
- 財務面
- 売上・利益はコロナ後に回復基調、自己資本比率60%台、ネット有利子負債は限定的で耐久性良好
- バリュエーション
- PER・PBRともに業界平均を下回る水準。EV/EBITDA約6倍前後、配当利回りも5年平均を上回る
- リスク
- 消費動向・物価上昇・人件費/原価上昇、出退店コスト・減損、ブライダルの季節性・景気感応度、信用売残の増加による短期的な需給
(本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- LTM売上YoY約+2.7%、3年CAGR約7〜8%で増収基調
- 収益性:A
- 粗利率約42%、営業利益率約8%、EBITDAマージン約13%。同業平均を上回る水準とみられる
- 財務健全性:A
- 自己資本比率約61〜64%、流動比率約151%、D/E約0.21、ネットDE低位
- 株価バリュエーション:A
- PER約15倍、PBR約1.05倍、EV/S約0.8倍、EV/EBITDA約6.4倍。業界平均比で割安水準
— 参考データ —
– 今後の主な日程:2025/11/7 決算発表予定、2026/3/30 配当落ち予定日
– 信用概況:信用買残17.5万株(前週比▲3.4万)、信用売残65.4万株(同+36.6万)、信用倍率0.27倍
– 移動平均:50日1,778円、200日1,485円
– 年初来レンジ:高値1,860円/安値1,112円
– 配当:年80円予想(利回り約4.65%、会社予想)
企業情報
銘柄コード | 8214 |
企業名 | AOKIホールディングス |
URL | http://www.aoki-hd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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