I-ne(4933)企業分析レポート
株価:1,376円(時価総額:244.7億円)/市場:東証プライム(化学)
1. 企業情報
- 概要:自社開発ブランドによるヘアケア・スキンケア・美容家電などの企画開発、製造、卸売・D2Cを展開。主力はヘアケア(BOTANIST、YOLU、DROAS等)と美容家電(SALONIA)。
- 事業構成(参考):BOTANIST 29%、SALONIA 24%、YOLU 34%、その他 13%/海外売上比率 約3%(2024.12)
- 特徴:マルチブランドとチャネルミックス(量販/専門店×EC)。消費者トレンドを捉えた高速な商品開発・ブランド運営に強み。
- 近年の動向:スキンケア強化(M&A含む)、環境配慮素材の採用拡大、国内中心の展開。2024年に一部海外子会社の清算影響あり。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内ヘアケア・美容家電のミッドプライス帯で認知度が高いブランドを複数保有。大手総合化粧品・日用品企業(花王、資生堂、ロート、コーセー等)や家電各社(パナソニック、テスコム等)とカテゴリ別に競合。
- 競争優位性:
- D2Cと卸の両輪でスピード感ある商品投入と顧客データ活用。
- マーケティングとパッケージ開発に強み、レビュー牽引力が高い商材が多い。
- 課題:
- カテゴリ競争の激化に伴う販促・広告費の増加。
- 美容家電は製品ライフサイクルが短く、継続的な改良・差別化が必要。
- 海外比率が低く、為替や地政学の分散効果が限定的。
(注)国内外の厳密な市場シェア数値は開示情報にないため記載省略。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性:既存主力(ヘアケア、美容家電)の磨き上げと、スキンケア等の新柱育成。D2Cと卸の最適ミックス、商品企画力・ブランド力の強化。
- 中期施策:
- ブランド強化:主力の季節限定・新価格帯・リニューアル(例:BOTANIST限定品、SALONIA新価格帯アイロン、YOLUリニューアル)で需要喚起。
- M&Aの活用:取得原価配分確定(トゥヴェール等)。のれん・無形資産の償却が利益に影響する一方、製品ポートフォリオを拡張。
- ESG:バイオマスPET、FSC紙、アップサイクル素材の採用拡大。
- 目標インセンティブ(SOの行使条件):2028年目標レンジ
- 売上 > 800億・EBITDA > 110億(50%行使)
- 売上 > 900億・EBITDA > 125億(80%)
- 売上 > 1,000億・EBITDA > 140億(100%)
- 2025年通期計画(会社予想):売上 520億(+15.5%)、EBITDA 67.6億(+30.1%)、営業利益 50.4億(+11.1%)、純利益 27.0億(-8.5%)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:自社ブランドのマルチカテゴリ展開。粗利率が比較的高い一方、販促・広告、無形資産償却が利益率に影響。
- 適応力:
- トレンド対応の速さ、SKU運用、シーズナル提案で需要変動へ対応。
- D2Cデータ活用によりコミュニケーション効率を改善。
- リスク管理ポイント:原材料・物流コスト、販促費の上昇、M&A償却負担、海外チャネル再構築の進捗。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発:美容家電の機能・デザイン改良、ヘアケア処方のアップデート、パッケージ・香り訴求などの差別化。
- 主力:
- ヘアケア:BOTANIST、YOLU、DROAS など
- 美容家電:SALONIA(ヘアアイロン等)
- スキンケア:WrinkFade、Salanaru、トゥヴェール関連等
- 収益牽引:YOLU・BOTANIST・SALONIAが柱。新規・限定商品の投入が短期の売上押上げに寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,376円
- 会社予想EPS:154.41円 → PER:約8.9倍(提供値と一致)
- BPS(実績):985.81円 → PBR:約1.40倍(提供値と一致)
- EV/Sales(参考計算)
- EV ≒ 時価総額244.7億 + 有利子負債72.9億 − 現金77.9億 ≒ 約239.7億円
- LTM売上高:470.2億円 → EV/S ≒ 0.51倍
- 業界平均との比較(参考)
- PER:同業平均 20.4倍に対し同社 8.9倍
- PBR:同業平均 1.1倍に対し同社 1.40倍
- 補足:PERは低位、PBRは同業平均をやや上回り。EV/Sは0.5倍台。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:
- 直近株価 1,376円は50日移動平均 1,579円、200日移動平均 1,690円を下回る。
- 年初来安値 1,311円に接近、年初来高値 2,274円からは大きく調整。
- 日足の推移(直近10日):戻り売り基調で下値追い。出来高は平常水準~やや増加局面あり。
- 需給:
- 信用買残 35.1万株、信用倍率 15.33倍(買い長)。買い残増加(前週比+1.9万株)。
- 浮動株は約690万株、インサイダー保有61%と浮動性は低め。
- 目安水準(参考):サポート 1,311円(52週安値付近)/レジスタンス 1,580円(50日線)~1,690円(200日線)。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高(LTM)470.2億円(2024年 450.1億円→ LTM +4.5%)
- 3年CAGR(2021→2024):約+16%(283.1→450.1億円)
- 収益性(LTMベース概算):
- 粗利率:55.4%(26.05/47.02)
- 営業利益率:7.0%(営業利益 42.39/470.16)
- EBITDAマージン:10~11%(約50.6/470.2)
- 当期純利益率:5.6%
- ROE:16.0%、ROA:9.3%
- キャッシュフロー・財政:
- 営業CF:+41.2億円、レバードFCF:+50.7億円(LTM)
- 自己資本比率:46.8%(2025/6末 48.3%)
- 流動比率:236%
- D/E(総負債/自己資本):約0.39、総借入/自己資本 38.9%
- 現金同等物:77.9億円、有利子負債:72.9億円(ネットキャッシュ近似)
- 留意点:
- 2025年上期はのれん・無形償却や販管費で営業利益率が一時的に低下。
- 海外売上は縮小(中国子会社清算影響)も、海外損失は縮小。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間13.5円(期末一括)、配当利回り 約0.98%
- 配当性向:8.9%(予想ベース)
- 自社株:自己株1.67%(保有残の開示)。新規買戻し計画の記載は見当たらず。
- 方針の示唆:内部成長投資・M&Aを優先しつつ、安定配当を維持する構え。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落 -25.8%。β 0.10と市場連動性は低め。移動平均線下で弱含みの推移。
- 需給・関心:
- 信用買いが積み上がる一方、空売りは限定的。
- インサイダー保有が高く浮動株が少ないため、イベント時の価格変動が相対的に大きくなりやすい。
- イベント:
- 決算発表:2025/8/8実施済(上期)。通期予想は据え置き。
- 権利落ち:2025/12/29予定(期末配当)。
11. 総評
- 収益基盤:主力ブランドの認知と粗利率の高さ、健全な財務・CFが確認できる一方、販促費と無形償却が利益率を左右。
- 成長ドライバー:中期はスキンケア拡張とM&Aの寄与、国内主力のリニューアル・限定施策。海外は再構築段階。
- バリュエーション:PERは同業平均比で低位、EV/Sも0.5倍台。PBRはやや高め。収益・成長の継続性が評価の焦点。
- 市況・需給:株価は移動平均線下で軟調、52週安値に接近。信用買い長と浮動株の少なさに留意。
- 留意事項:原価・物流コスト、販促投資、M&A償却、海外事業の進捗が業績に影響。
(本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資助言を意図しません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+4.5%、3年CAGR約+16%と増収を維持。直近期の四半期YoYは小幅マイナス(-0.2%)だが通期計画は増収見込み。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は高水準(55%台)だが、営業利益率7%前後で大手平均より控えめ。償却・販促費の負担が影響。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約47〜48%、流動比率236%、実質ネットキャッシュ近似、D/E 0.39と健全。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER 8.9倍は業界平均(20.4倍)を下回る。PBR 1.40倍は平均1.1倍を上回るが、EV/S約0.51倍は低位。
必要な項目(セグメントKPI、広告宣伝費率の推移、ブランド別売上の詳細、競合比較など)があれば、追加で整理します。
企業情報
銘柄コード | 4933 |
企業名 | I-ne |
URL | https://i-ne.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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