ファインデックス(3649)企業分析レポート
株価:875円(2025-10-06終値)/ 時価総額:232.8億円 / 市場区分:東証プライム
主業:医療向け画像・文書管理ソフト(Claio、ProRad 等)、自治体向け文書管理(DocuMaker)、ヘルステックアプリ群(PiCls 等)
1. 企業情報
- 概要:大病院(大学病院など)を中心に、医療画像・文書の統合管理や部門システムを提供。主力の「Claio(クライオ)」は画像・文書の横断閲覧/統合管理、放射線部門のProRad、内視鏡・超音波などLISシリーズ、紹介状管理、遠隔共有、クラウドバックアップなど周辺ソリューションも展開。
- セグメント構成(2024.12):医療ビジネス約94%、公共ビジネス約5%、ヘルステック約1%。医療が収益の柱。公共は自治体向けDocuMaker等、ヘルステックは投資段階の色彩。
- 特徴:医療画像/文書の一元化・ワークフロー最適化に強み。大学病院など大規模施設の導入実績がコア。クラウド/サブスク型の付加サービスも保有。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内ヘルスケアIT(PACS/RIS、部門システム、文書管理)の専門ベンダー。大手総合電機・光学系(例:富士フイルムヘルスケア、キヤノンメディカル、コニカミノルタ等)と競合しつつ、部門横断の統合ビューアやワークフロー知見で差別化。
- 競争優位性:
- 大病院での導入・運用実績に基づくスイッチングコスト
- 画像・文書・紹介状・遠隔共有・バックアップ等の周辺機能まで広げた製品群
- クラウド/保守による継続課金の積み上げ
- 課題:
- 大規模案件は競争入札・価格競争の影響を受けやすい
- 大手ベンダーのワンストップ提案力や装置連携の強さ
- 病院の投資サイクル(設備投資/更新)に業績が左右されやすい
- 市場シェア:公表データなし(不明)。
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性(開示情報・製品群からの示唆):
- 大学病院・大規模医療機関への深耕と他部門/他院への横展開
- クラウド/サブスクリプション(バックアップ、遠隔共有、電子報告等)の拡充
- 地域連携・紹介状管理など“つながる”機能の強化
- 公共分野(DocuMaker)の横展開、ヘルステック(PiCls等)の育成
- 中期的な施策例:
- 既存導入先での機能追加・入替需要の取り込み
- 部門別(放射線、内視鏡、超音波、周産期 等)の深掘り
- セキュリティ・バックアップ、院外共有など守りのIT領域の強化
- 収益構造の狙い:大型導入(ストック化の起点)+保守/クラウド課金の比率上昇で安定性を高める。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:導入一時金+保守・クラウド等の継続課金。更新/入替や機能追加需要、法規制対応(セキュリティ/医療情報ガイドライン)も追い風。
- 強み:高スイッチングコスト、運用に根差した機能改善、ストック収益の積み上げ。
- リスク:入札・価格競争、装置メーカーとの連携競争、病院投資の先送り、公共案件の予算変動。
- 適応力:クラウド/遠隔共有・データ可視化などニーズ変化に対応する製品ラインを保有。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:Claio(画像・文書統合)、ProRad(RIS/レポート/QA)、LIS(内視鏡/超音波等)、C-Note/REMORA(記録/電子カルテ系)、紹介状・地域連携、クラウドバックアップ。
- 特徴:
- 部門横断の統合閲覧・文書化、紹介状・院外共有など周辺業務までカバー
- 仮想化閲覧(Weberi)、遠隔共有(Remotalk-Cloud)、医療ビッグデータ検索(UniversalSearcher)など独自色
- ヘルステック:PiCls(オンライン診療支援/予約/トレーシングレポート等)、GAP-screener(視線解析)。収益化は初期段階の印象。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標比較(2025-10-06、株価875円)
- 予想PER:20.14倍(業界平均PER 23.2倍より低い)
- 実績PBR:3.86倍(業界平均PBR 2.3倍より高い)
- 予想EPS:43.44円(Earnings Yield ≈ 4.97%)
- 実績BPS:226.93円
- EV/S(概算):約3.6倍[EV ≈ 232.8億 − 現金約23.8億 ≈ 209億円、売上約57.6億円]
- 配当利回り(会社予想):1.94%、配当性向:約35.7%
- 所感(定量比較):
- 収益性・ROE(22%程度)の高さを背景にPBRは高め、PERは業界平均を下回る水準。
- キャッシュ創出(FCF利回り概算 ≈ 2.8%)は安定的。成長率との整合は概ね中立的な印象。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:株価875円は50日線(約816円)、200日線(約775円)を上回り、中期的には上昇トレンド上。
- 位置取り:52週高値956円に対し約8%下、52週安値599円を大きく上回る中段〜やや高値圏。
- モメンタム:9月後半に出来高を伴う上昇(9/24〜25)。直近出来高は10日平均(約9.4万株)をやや下回り平常化。
- 需給:信用買残36.9万株、信用倍率18.9倍と買い長。短期の値動きは信用需給の影響を受けやすい。
8. 財務諸表分析(LTM=過去12か月ベース中心)
- 売上高:57.6億円(2023: 51.9、2024: 58.4)
- LTM vs 2023:+11%前後、2021→2024の3年CAGR:約+5.5%
- 利益:
- 粗利:36.7億円、粗利率:約63.7%
- 営業利益:15.4億円、営業利益率:約26.7%(損益計算書ベースの概算)
- 純利益:11.47億円、純利率:約19.9%(会社指標のProfit Margin 19.89%と整合)
- EBITDA:18.4億円、EBITDAマージン:約31.9%
- 効率性:
- ROE(実績):22.26%、ROA(LTM):14.49%
- キャッシュフロー:
- 営業CF:11.6億円、レバードFCF:約6.6億円(安定的にプラス)
- 財務安全性:
- 自己資本比率:83.8%、流動比率:約4.37倍、実質無借金に近い構造(利息費用極小)
- トレンド総括:2022→2024で増収増益基調。LTMは2024比わずかに減収だが、23年比では増収。高い粗利・ROEが持続。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:予想17円(利回り約1.94%)、実績16円。過去5年平均利回り約1.36%。配当性向は約36%で無理のない水準。
- 自社株:自己株比率4.93%(履歴として取得実績が示唆)。今後の方針は未開示。
- 大株主:創業者系の持分が厚く(筆頭 約28.97%)、インサイダー保有43%程度で浮動株は限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近推移:9月後半に急騰後、900円近辺での攻防。年初来高値(956円)を前に上値の節目が意識されやすい。
- ボラティリティ:β=0.31と低めだが、浮動株の少なさと信用買いの積み上がりで短期は変動が拡大し得る。
- 関心材料:
- 大型案件の獲得/更新ニュース、クラウドや地域連携サービスの採用拡大
- 次回決算(2025年8月中旬予定)や配当・株主還元に関する開示
- 医療ITの制度・ガイドライン対応、セキュリティ関連の動向
11. 総評
- 大病院向けの画像・文書統合や部門システムに強みがあり、粗利率・ROEが高いビジネス特性。クラウド/保守のストック化が安定性に寄与。
- 競合は強力だが、導入・運用実績に基づくスイッチングコストと周辺機能の広さが差別化要因。公共・ヘルステックは育成段階。
- 財務基盤は極めて健全で、キャッシュ創出力も堅実。
- バリュエーションはPERが業界平均を下回る一方、PBRは平均超。収益性の高さを織り込みつつ、成長率とのバランスは中立的。
- テクニカルには中期上昇トレンド上で、900円前後の上値抵抗と信用需給の影響に留意。
(本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上は2023比で+約11%、3年CAGR約+5.5%。2024比は微減だが全体として拡大傾向。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約64%、営業利益率約27%、ROE約22%。業界一般水準を上回る水準と評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率83.8%、流動比率4.37倍、低借入。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均未満、PBRは平均超。EV/Sは中庸域とみなし総合は中立。
【参考データ(抜粋)】
– 売上高(百万円):2021: 4,969 / 2022: 4,541 / 2023: 5,192 / 2024: 5,841 / LTM: 5,761
– 営業利益(百万円):2021: 921 / 2022: 1,029 / 2023: 1,497 / 2024: 1,525 / LTM: 1,540
– EPS(円):2021: 24.84 / 2022: 28.21 / 2023: 41.31 / LTM(概算):約45
– 配当:実績16円 → 予想17円(配当性向約36%)
– 移動平均:50日 816円、200日 775円
– 52週レンジ:599–956円
企業情報
銘柄コード | 3649 |
企業名 | ファインデックス |
URL | http://findex.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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