フルキャストホールディングス(4848)企業分析レポート
株価:1,740円(2025-10-03終値)/時価総額:612.8億円/配当利回り(予想):3.62%
1. 企業情報
- 概要:短期業務支援(スポットワーク向け人材紹介・給与/年末調整等BPO)が主力。営業支援(通信商材販売)、飲食事業、警備・その他事業を展開。日雇い派遣から撤退し、アルバイト紹介と給与管理代行へ軸足を移したのが特色。
- 主な提供サービス:
- 短期業務支援:アルバイト紹介、給与計算/年末調整BPO、マイナンバー管理、イベント運営、ドライバー・シニア・グローバル人材など
- プラットフォーム:位置情報を活用した「OtetsudaiNetworks」
- 営業支援:通信商材の代理販売・コールセンター運営等
- 飲食:ラーメン等の外食チェーン運営(直営・FC)
- 警備・その他:常駐・臨時警備、不動産関連事業(不動産賃貸・管理等)
- 事業構成(2024.12):短期業務支援 81%、営業支援 5%、飲食 11%、警備他 3%(カッコは会社開示ベースの参考値)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:短期・スポットワーク領域で高いプレゼンス。BPO(給与/年末調整等)の付加価値と紹介モデルにより、法規制の変化に相対的に適応しやすい構造を志向。
- 競争環境:短期/単発ワークへの異業種参入(プラットフォーム型含む)が増加し競争激化。採用コスト・人件費上昇はマージン圧迫要因。
- 課題/留意点:人材確保競争、法令改正(労働者派遣法等)、需給変動の季節性。飲食・警備は外部環境(物価、イベント/建設需要)に影響を受けやすい。
- 市場シェア:公表数値なし(定量シェアは未開示)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針:
- 主力の短期業務支援で「紹介×BPO」を強化し、収益の安定性とスケーラビリティを高める
- 戦略的投資/M&Aでサービス領域・顧客接点を拡張(2025年上期:ツクリックス、不動産関連子会社を連結)
- デジタルプラットフォーム(OtetsudaiNetworks等)の高度化でマッチング効率を改善
- 2025年通期見通し(会社計画):売上高 730.2億円(+6.5%)、営業利益 83.25億円(+16.7%)、純利益 54.82億円(-0.2%)を維持(2025/2/14公表値)。
- 重点施策(上期実績反映):
- 短期業務支援の紹介・BPO拡大(上期セグメント売上+1.5%)
- 警備・不動産の連結で「その他」領域の拡大(上期売上+46.3%)
- 営業支援は通信商材を中心に増収増益(上期売上+1.7%、利益+11.6%)
- 戦略投資費用の計上(上期合計4.33億円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:人材紹介フィーとBPOフィーが二本柱。スポット需要に対応しつつ、給与/年末調整等の定常BPOで安定性を補強。
- 強み:法規制対応力(紹介/BPO中心)、マッチング基盤、豊富な登録人材・顧客基盤、低D/E・高自己資本比率による投資余力。
- リスク:景気・雇用情勢の変化、賃上げや人手不足によるコスト上昇、法令変更の影響、のれん増加に伴う減損リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性:位置情報活用の短期人材マッチング(OtetsudaiNetworks)、給与/マイナンバー管理などBPOオペレーションのノウハウ。
- 収益牽引:短期業務支援(紹介+BPO)が利益の中核。警備・不動産等の周辺領域が上期寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現状):
- PER(予想):11.11倍(業界平均 17.0倍)
- PBR(実績):2.04倍(業界平均 1.8倍)
- BPS:851.66円、EPS(予想):156.61円
- EV概算:507.6億円(時価総額612.8+有利子負債18.3−現金123.5、億円換算)
- EV/S(LTM):約0.73倍(売上696.2億円)
- EV/EBITDA(LTM):約6.0倍(EBITDA約85億円前提)
- 補助的比較(単純計算):
- 業界平均PER17倍をEPS予想に適用すると約2,660円
- 業界平均PBR1.8倍をBPSに適用すると約1,530円
- 収益力基準ではディスカウント、簿価基準ではややプレミアムという読み分け
7. テクニカル分析
- トレンド:株価1,740円は50日移動平均1,749.9円を僅かに下回り、200日移動平均1,633.3円を上回る水準。中長期上昇基調を維持しつつ短期はもみ合い。
- 位置づけ:52週レンジ1,370〜1,864円の約75%水準(上限に近い中位〜高値圏)。
- 価格/出来高:直近10日で高値切り下げ・出来高は3カ月平均を下回る日が多く、足元は持ち合い。直近の抵抗帯は1,800〜1,864円、サポートは1,700円近辺と50日線周辺。
8. 財務諸表分析
- 売上高(億円):2021 523.7 → 2022 646.5 → 2023 689.7 → 2024 685.6 → LTM 696.2
- LTM成長率:約+1.6%(対2024)
- 3年CAGR(2021→2024):約+9.3%
- 利益水準(LTM):売上総利益251.1億円、営業利益70.5億円、純利益48.1億円
- 粗利率:約36.1%、営業利益率:約11.6%(会社開示ベース)
- 純利益率:約6.9%
- 効率性:ROA(LTM)10.6%、ROE(実績)20.3%(LTMベース参考値16.4%)
- 安定性:自己資本比率約69%(上期末)、D/E約6%(低レバレッジ)、流動比率約227%
- キャッシュフロー:
- 2025年上期 営業CF+0.35億円(前年+44.1億円)と伸び悩み(運転資本・投資影響)
- 投資CF▲35.3億円(M&A・不動産関連)、財務CF▲16.9億円(配当・自己株取得)
- 現金同等物:1,235億円→1,753億円から期中に減少(注:単位は百万円換算)
- セグメント(2025年上期):
- 短期業務支援:売上2,769.6億円(+1.5%)、利益437.4億円(▲2.3%)
- 営業支援:売上179.8億円(+1.7%)、利益13.5億円(+11.6%)
- 飲食:売上353.1億円(+2.3%)、利益23.9億円(▲9.6%)
- 警備・その他:売上169.6億円(+46.3%)、利益28.8億円(+197.3%)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期予想63円(中間31円+期末32円)、予想配当利回り約3.62%
- 配当性向:45.5%(直近実績ベース)。予想EPSベースでは約40%程度
- 自社株:2025/2/21に自己株式2,270,951株を消却。上期に自己株式取得も実施(支出約5.66億円)
- 5年平均配当利回り:2.84%(安定的な還元姿勢)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落+7.7%。ベータ0.55で相対的に低ボラティリティ。直近はレンジ内調整。
- 需給:信用買残20.9万株・信用倍率13.23倍(ロング優位)。インサイダー保有57.9%と高く、実質フリーフロートは限定的(浮動株約1,063万株)。
- イベント:次回配当権利落ち予定 2025/12/29。2025年上期決算は会社計画レンジ内。
11. 総評
- 主力の「紹介+BPO」モデルで安定性を高めつつ、M&Aで周辺領域を拡張。上期は全セグメント増収、投資費用計上で営業利益は横ばい〜微減。前年の特別利益反動で純利益は減少したが、通期予想は維持。
- 財務健全性は高水準(自己資本比率約69%、低D/E)。ROE・ROAも良好。
- バリュエーションはPERで業界平均に対して割安、PBRではややプレミアム。EV/EBITDA約6倍、EV/S約0.7倍と、収益力・成長性の評価次第で見方が分かれる水準。
- テクニカルは中長期上向きの範囲内で短期は持ち合い。52週高値圏に近づく局面で、出来高はやや低調。
- リスクは人件費上昇・法令変更・のれん増加。BPO深耕とプラットフォーム強化が持続的成長の鍵。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +1.6%、3年CAGR約+9.3%。直近期は緩やかだが中期では拡大。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約36%、営業利益率約11〜12%と人材サービス業としては高め。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約69%、流動比率約227%、D/E約6%と保守的。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PERは業界平均を下回る一方、PBRはやや上回り。EV/EBITDA約6倍、EV/S約0.7倍。
注記:
– 一過性損益を除外し、欠損データは中立評価(B)としています。数値はLTM/上期等の期間差に留意してください。
企業情報
銘柄コード | 4848 |
企業名 | フルキャストホールディングス |
URL | http://www.fullcastholdings.co.jp |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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