宝ホールディングス(2531)企業分析レポート
最終更新: 2025-10-06
注記:本レポートは公開情報・提供データに基づく客観的な事実整理です。投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要と事業内容
- 酒類・調味料(焼酎・清酒・RTD/ソフトアルコール、みりん、原料用アルコール等)、海外酒類・日本食材卸、バイオ(試薬・機器・受託・遺伝子医療)を展開。
- 国内では「焼酎・みりん」で最大手、清酒は「松竹梅」で高シェア。海外は酒類・日本食材卸が収益の柱に拡大。
- 連結セグメント構成(売上構成目安):酒類・調味料33%、海外酒類・海外日本食材卸51%、バイオ12%、その他4%。(海外売上比率約59%)
- 主要子会社:宝酒造、タカラバイオ。
- 本社:京都市。創業1842年。従業員5,729人。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内「焼酎・みりん」で最大手。「松竹梅」は清酒で高シェア。RTD(焼酎ハイボール等)も伸長分野で存在感。
- 海外では日本食材卸と酒類(ウイスキー含む)の両輪でプレゼンス拡大。
- 競争優位性
- 多角化されたポートフォリオ(国内酒類・調味料/海外流通/バイオ)による景気・嗜好変動の分散。
- 強固な国内ブランド力と海外販路(卸・物流)基盤。
- 課題
- 国内の清酒・焼酎の構造的需要減少、広告販促等の販管費増。
- 海外卸は低めの粗利率で、コスト上昇や為替の影響を受けやすい。
- バイオはのれん償却・投資負担で利益変動が大きい。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(要約)
- 国内:RTD/ソフトアルコールや調味料・原料アルコールの強化、ブランド価値の向上。
- 海外:酒類(ウイスキー等)と日本食材卸の拡大、M&Aも活用。
- バイオ:NGS・遺伝子医療領域での技術・製品強化、受託の拡大。
- 中期施策・重点
- 2026年3月期通期計画(維持):売上高4,010億円(+10.6%)、営業利益219億円(+6.3%)、純利益163億円(+0.6%)、EPS 84.33円。
- タカラバイオでのM&A(Curio Bioscience, Inc.)により空間解析関連試薬の技術・製品群を獲得。シングルセルから空間解析への市場拡大を取り込む狙い。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 国内酒類・調味料:ブランド・カテゴリー戦略(RTD等)と価格・ミックスで収益確保。
- 海外:酒類と日本食材卸の規模拡大によるトップライン牽引。ただし原材料・物流・人件費上昇の管理が鍵。
- バイオ:高付加価値だが投資先行(のれん償却・R&D・M&A関連費用)で短期収益性は振れやすい。
- 適応力
- 国内市場の縮小に対し、RTDや海外事業を伸ばしポートフォリオを再構成。
- バイオで先端領域(空間解析)へ拡張し成長分野を取り込む。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性
- タカラバイオはNGS・遺伝子解析・遺伝子医療に強み。Curio買収で空間解析分野の製品ライン拡充。
- 収益牽引
- 国内:RTD(「焼酎ハイボール」等)、みりん・原料アルコールが伸長。
- 海外:ウイスキー等の酒類、日本食材卸の拡大が売上を押上げ。
- バイオ:試薬・受託・遺伝子医療は増収傾向だが、買収関連費用・のれん償却で赤字幅拡大(1Q)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(株価 1,741.5円)
- EPS(会社予想)83.81円 → PER ≈ 20.8倍(業界平均19.5倍よりやや高い)
- BPS 1,212.71円 → PBR ≈ 1.44倍(業界平均1.3倍よりやや高い)
- 配当31円 → 配当利回り ≈ 1.78%(5年平均2.55%を下回る)
- 時価総額 ≈ 3,441億円、現金6,209億円、借入5,254億円 → EV ≈ 3,345億円
- 売上(LTM)≈ 3,710〜3,727億円 → EV/S ≈ 0.90倍
- EBITDA(LTM)≈ 3,229億円(別データでは3,859億円)→ EV/EBITDA ≈ 10.4〜8.7倍(データ差あり)
- 所見
- PER・PBRは業界平均をやや上回る水準。EV/指標は事業ミックス(卸比率高め、バイオ投資負担)を織り込む形。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 52週高値1,858円・安値1,098円の上方レンジ。現値は高値比約-6%。
- 50日移動平均1,574円、200日移動平均1,319円を上回り、中長期は上向き基調。
- 足元の値動き(直近10営業日)
- 9/26の年初来高値圏から調整基調(高値切り下げ・出来高やや減少)。短期はスピード調整、トレンド自体は上向き維持。
- 信用需給
- 信用倍率0.77倍(売り長)。買い残・売り残ともに増加。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移(単位:百万円)
- 売上高:2022/3 300,918 → 2023/3 350,665 → 2024/3 339,372 → LTM 362,693(3年CAGR ≈ +6%)
- 営業利益:2022/3 43,354 → 2023/3 37,945 → 2024/3 22,242 → LTM 20,597
- 当期純利益:2022/3 20,769 → 2023/3 21,206 → 2024/3 16,176 → LTM 16,202
- 収益性(概算)
- 粗利率 ≈ 33%(LTM)、営業利益率 ≈ 5.7%(別データでは3.7%)、EBITDAマージン ≈ 10–11%
- ROE 6.84%、ROA 2.75%
- 安全性・効率
- 自己資本比率 51.3%、流動比率 3.11倍、D/E(有利子負債/自己資本)18.3%程度、ネットキャッシュ(現金>借入)
- 直近期(2026年3月期1Q:4–6月)
- 売上 +9.9%、営業利益 -15.0%、純利益 -19.8%
- セグメント:国内は販管費増で減益、海外は増収もコスト増、バイオは買収費用・のれん償却で赤字拡大。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期:年間31円、2026/3期(予想)年間31円(うち記念配2円を含む)
- 予想配当性向:約37%(提供データ)
- 現在利回りは5年平均(2.55%)を下回るのは株価上昇の影響。
- 自己株式
- 2026/1Q末の自己株式数:4,378,309株。機動的な取得の可能性を示唆するが、具体的な施策は開示範囲外。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落 +36.98%。β 0.50(ディフェンシブ性)。
- 3ヶ月平均出来高約73万株、直近10日約61万株。
- 投資家構成
- 機関投資家保有比率 約66%、インサイダー約8%。
- 影響要因
- 海外事業の為替・物流・人件費、原材料価格、国内酒類需要のカテゴリミックス、バイオのM&A後のPMI/のれん償却負担等。
11. 総評
- 売上は国内RTD・調味料と海外酒類・日本食材卸の拡大で持続的に伸長。一方、販管費増・コスト高、バイオの先行投資・のれん償却で利益率は低下傾向。
- 財務体質は自己資本比率50%超、ネットキャッシュで健全。ディフェンシブ性(β低位)とグローバル分散が特徴。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均をやや上回る水準。株価は中長期上昇トレンドの中で短期は高値圏からの調整局面。
- 今期計画は増収・微増益見通し。バイオM&A(Curio)のシナジー創出と費用負担のバランス、海外卸のコスト管理、国内RTDの成長維持が鍵。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上 +6〜7% YoY、3年CAGR ≈ +6%前後。1Qも+9.9%。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約33%、営業利益率約5〜6%(データ差あり)。事業ミックス・投資負担を考慮すると業界並み〜やや控えめ。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率51%、流動比率3.1倍、D/E約18%、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PER・PBRは業界平均をやや上回るが大きな乖離なし。EV/S ≈ 0.9倍、EV/EBITDA ≈ 8.7〜10.4倍と中立圏。
参考データ
– 株価レンジ:年初来高値 1,858円/年初来安値 1,098円
– 次回決算予定:2025-11-06
– 権利落ち予定:2026-03-30(予定・会社開示参照)
– 主なセグメント動向(1Q):国内(減益)、海外(増収・コスト増)、バイオ(赤字拡大)
企業情報
銘柄コード | 2531 |
企業名 | 宝ホールディングス |
URL | http://www.takara.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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