7280 ミツバ 企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
1. 企業情報
ミツバは、自動車向けの電装品を製造するメーカーです。主にワイパーモーターなどを主力製品としており、本田技研工業を主要な取引先として全体の5割弱を占めつつ、他の自動車メーカーとも取引実績があります。かつては旧日産系の自動車電機工業と合併した経緯があります。連結事業の約9割を輸送用機器関連が占め、その他に情報サービス事業なども展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ミツバは自動車電装品業界において、主要な自動車メーカーであるホンダを中核顧客とする供給体制を築いています。特定の顧客向け比率が高いことは、安定した受注に繋がる一方で、その顧客の生産動向や戦略に業績が左右される可能性もあります。旧日産系企業との合併経緯もあり、幅広い顧客基盤を持つ可能性があります。主要な電装品セグメントにおいては、技術力と品質で一定の競争優位性を確立していると考えられますが、自動車業界全体の電動化やCASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)の進化に対応するための技術開発が継続的な課題となります。特定の製品における詳細な市場シェアに関する情報は提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
ミツバは中期経営計画(2023年度-2027年度)を推進しており、以下の3点を重点分野としています。
* モビリティ進化への対応: 自動車業界の電動化や新技術の導入に対応し、製品やサービスの価値向上を図る戦略です。
* 経営基盤の強化: 企業体質全般の強化を目的とし、効率的な事業運営やグローバル展開の最適化などが含まれる可能性があります。
* 財務体質の健全化: 自己資本比率の改善や有利子負債の削減など、安定的な財務基盤の構築を目指すものです。
これらの戦略は、変化の激しい自動車産業において持続的な成長を確保し、企業価値を向上させることを目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
ミツバの事業は、売上高の9割以上を輸送用機器関連事業が占めていることから、自動車産業の動向に大きく依存しています。世界経済の緩やかな回復基調は自動車生産にプラスの影響を与える一方で、半導体不足、原材料費・物流費の高騰、サプライチェーンの脆弱性、地政学リスクといった不透明な要素も存在します。
情報サービス事業など他の事業も展開していますが、現時点では輸送用機器関連事業が連結売上の大部分を占めます。自動車業界の電動化や自動運転技術の進化といった市場ニーズの変化に対し、主力製品であるワイパーモーターなどの電装品がどのように適応していくかが、収益モデルの持続可能性において重要な要素となります。中期経営計画で掲げられている「モビリティ進化への対応」が、この変化への適応力を高める方針と考えられます。
5. 技術革新と主力製品
ミツバの主力製品は自動車用ワイパーモーターなどの電装品です。これらの製品は自動車の安全性や快適性に不可欠な部品であり、長年の歴史の中で培われた技術とノウハウが蓄積されています。自動車業界全体で電動化が進む中、新たな電装品の開発や既存製品の高性能化、軽量化、省エネ化などが技術開発の主要な動向になると考えられます。具体的なR&Dに関する詳細な情報はありませんが、モビリティ進化への対応を経営戦略に掲げていることから、次世代自動車に向けた技術開発にも取り組んでいる可能性が示唆されます。
6. 株価の評価
現在の株価968.0円に対して、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 5.57倍
* 会社予想EPS174.27円に基づくと、PERは968.0円 ÷ 174.27円 = 約5.55倍となります。
* 業界平均PERが24.2倍であることと比較すると、約4分の1程度の水準であり、割安感がある評価水準です。
* PBR(実績): 0.46倍
* BPS2,092.73円に基づくと、PBRは968.0円 ÷ 2,092.73円 = 約0.46倍となります。
* 業界平均PBRが1.6倍であることと比較すると、約3分の1以下の水準であり、解散価値とされるPBR1倍を大きく下回っています。
現在の株価は、業界平均と比較してPER、PBRともに低い水準にあります。
7. テクニカル分析
現在の株価は968.0円です。
直近の株価推移を見ると、年初来高値1,023円、年初来安値654円の範囲で変動しています。
* 50日移動平均線は933.68円
* 200日移動平均線は860.47円
現在の株価は、50日移動平均線および200日移動平均線を上回る水準で推移しており、中長期的な上昇トレンドにあると考えられます。直近10日間の推移では、一時988円まで上昇する場面もありましたが、現在は960円台で推移しており、年初来高値付近からはやや調整局面にあるように見えます。ただし、年初来安値からは大きく値を上げています。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益:
- 過去12ヶ月(LTM)の売上高は345.59B円。直近四半期の売上高成長率(前年比)は-4.50%でした。
- 2025年3月期第3四半期累計では、売上高257,378百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益15,607百万円(前年同期比8.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益10,470百万円(前年同期比3.0%増)と増収増益を達成しています。
- 通期の業績予想では、売上高338,000百万円(前期比1.8%増)、営業利益18,500百万円(前期比12.5%増)、純利益11,000百万円(前期比19.9%増)と、前期比で増益を見込んでいます。中国事業の減速はあるものの、アジア二輪事業の好調や価格改善、円安が業績に貢献したと説明されています。
- 収益性:
- 粗利率は15.71%(過去12ヶ月のGross Profit 54.29B円 / Revenue 345.59B円)。
- 営業利益率(LTM)は5.76%。
- ROE(LTM)は11.57%(実績は12.02%)。
- ROA(LTM)は4.00%。
- ROEが10%を超えている点は評価できます。営業利益率も一定の水準を保っています。
- キャッシュフロー:
- 営業活動によるキャッシュフロー(LTM)は37.89B円とプラスを維持しており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。
- 財務健全性:
- 自己資本比率(実績)は28.7%(直近四半期は29.6%)と、一般的に健全とされる40%を下回っています。
- 流動比率(直近四半期)は1.39倍と、短期的な支払い能力を示す指標としては1倍を上回っています。
- Debt/Equity Ratio(直近四半期)は137.05%であり、負債比率が高い状態です。中期経営計画における「財務体質の健全化」も、この自己資本比率の改善や負債削減に向けたものであると考えられます。
9. 株主還元と配当方針
会社予想の1株配当は15.00円であり、現在の株価に基づく配当利回りは1.55%です。
配当性向は、会社予想EPS174.27円に対して15.00円の配当であるため、約8.6%となります。
過去の財務指標ではPayout Ratioが4.62%と記載されていますが、これは直近の配当予想とEPS予想に基づき算出したものの方が実態に近いと判断できます。配当性向は同業他社と比較して低い水準にある可能性があります。
自社株買いについては、2024年6月28日に種類株式の取得・消却が実施されており、資本政策の一環として株主還元策の一つと考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間の株価は、926円から988円の間で推移しており、本日終値は968.0円です。比較的安定した動きを見せているものの、上昇基調が明確とは言えない期間も確認できます。
- 出来高は直近10日間で35,800株から116,600株の間であり、平均出来高(3ヶ月平均114.56k株、10日平均79.79k株)と比較すると、直近はやや減少傾向にあります。これは短期的な投資家の関心がやや薄れている可能性を示唆します。
- 信用取引では、信用買残232,500株に対し信用売残9,000株と、買残が売残を大きく上回っており、信用倍率は25.83倍と高い水準です。これは、株価が上昇した場合に売り圧力となる可能性を内包しています。
- 52週間の株価変動率が6.82%と、S&P 500の17.20%と比較して伸びが限定的であり、市場全体と比較すると投資家の関心度が低い可能性があります。
11. 総評
ミツバは自動車電装品を主力とし、主要顧客にホンダを持つ企業です。中期経営計画では「モビリティ進化への対応」「経営基盤の強化」「財務体質の健全化」を重点分野とし、変化する自動車業界への適応と財務基盤の強化を目指しています。直近の第3四半期決算は増収増益であり、通期の業績予想でも増益を見込んでいます。
株価評価においては、PER5.57倍、PBR0.46倍と、業界平均と比較してこれらの指標が大幅に割安な水準にあります。テクニカル的には中長期移動平均線を上回っており、安値圏からは上昇傾向にありますが、直近は年初来高値からやや調整が見られます。財務面では、自己資本比率が28.7%と健全性には課題があり、Total Debt/Equityも高い水準であるため、中期経営計画での財務体質改善の進捗が注目されます。株主還元は配当利回り1.55%で配当性向は約8.6%と控えめですが、種類株式の取得・消却などの資本政策も行っています。
12. 企業スコア
以下の3観点でS, A, B, C, D の5段階評価を行います。欠損データは「B(中立)」とし、一過性損益は除外します。
* 成長性: C
* LTM売上成長率(-4.50%)、直近四半期売上成長率(-4.50%)はマイナスですが、第3四半期累計売上高は前年同期比0.2%増、通期予想売上高は前期比1.8%増と微増を見込んでいることから、横ばいから微増の傾向と評価します。
* 収益性: A
* 営業利益率(過去12か月)は5.76%であり、一般的に自動車部品業界平均を上回る水準と考えられます。ROE(過去12か月)も11.57%と良好です。
* 財務健全性: C
* 自己資本比率28.7%は、健全性の目安とされる40%を下回っています。Total Debt/Equityも137.05%と高く、財務体質の改善が課題と考えられます。
* 株価バリュエーション: S
* PER(会社予想)5.57倍、PBR(実績)0.46倍は、業界平均PER24.2倍、PBR1.6倍と比較して大幅に割安な水準にあります。
企業情報
銘柄コード | 7280 |
企業名 | ミツバ |
URL | http://www.mitsuba.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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