1. 企業情報
JDSCは、AI(人工知能)を活用したアルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供を主要事業とする企業です。加えて、AI技術を応用したデータサイエンスアドバイザリー・コンサルティングやITシステムの開発・運用も手掛けています。
同社のAIソリューションは多岐にわたり、データプラットフォーム「Wodom!」、営業DX支援の「sales insight」、DM発送最適化の「response insight」、需要予測の「demand insight」、設備保全の「maintenance insight」など、様々な産業における課題解決を目指しています。
2023年秋にはDM発送代行会社を買収し、マーケティング支援事業を大幅に拡大しました。2025年6月期の連結事業構成予想では、マーケティング支援が86%を占め、主要な収益源となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社はAIソリューションとマーケティング支援の二つの事業領域で活動しています。AIソリューション分野は技術革新が著しく競争が激しいですが、同社は特定の業務課題に特化したアルゴリズム提供により差別化を図っています。
マーケティング支援事業においては、特にDM(ダイレクトメール)発送代行の買収により事業規模を急拡大させました。この分野では、AIを活用した「response insight」などのソリューションで、効果的なマーケティング施策の実現を目指しており、既存の事業プロセスにAIを組み込むことで競争優位性を高める可能性があります。提供されているデータからは具体的な市場シェアの記載はありませんが、AIと既存産業の融合という点で独自のポジションを確立しようとしていると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
同社の経営戦略は、AI技術を核として多様な産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することにあります。特に、各種「insight」シリーズに代表されるような、具体的な業務課題解決に繋がるAIアルゴリズムの開発と提供が重点分野です。
2023年のDM発送代行会社の買収は、マーケティング支援事業を強化し、AI技術を融合させることで、より効率的でパーソナライズされたマーケティングソリューションを提供しようとする戦略的意図があると推察されます。「response insight」のように、AIを用いて無駄な郵送を削減し売上を向上させる取り組みはその一例です。データの質を高めるプラットフォーム「Wodom!」も、同社のAIソリューションの基盤として重要な位置づけにあると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
JDSCの事業モデルは、AIソリューションの提供とマーケティング支援の二本柱です。AIソリューションは顧客のDXニーズに応え、継続的なサービスの利用やアップグレードを通じて収益を確保する可能性があります。また、多岐にわたる産業へ応用することで、特定の市場変動リスクを分散させる柔軟性も持ち合わせています。
マーケティング支援事業では、買収により急拡大しました。AIによるデータ分析や最適化を通じて、DM発送の効果を最大化し、顧客の費用対効果を高めることができれば、持続的な需要を確保できる可能性があります。市場ニーズの変化、特にデジタルマーケティングへの移行が進む中で、同社がAI技術を駆使してどのように適応し、競争力を維持するかが持続可能性の鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
同社の技術革新は、機械学習を核としたAIアルゴリズムの開発にあります。これにより、需要予測、設備保全、営業活動の最適化、DM発送の効率化など、幅広い分野で具体的なソリューションを提供しています。
特に、データプラットフォーム「Wodom!」は、同社のAIソリューションを支える基盤技術であり、高品質なデータを維持・活用することで、各AIモジュールの精度向上に貢献します。収益を牽引している製品・サービスとしては、連結事業構成比から、DM発送代行を含む「マーケティング支援」が現状の主力となっています。長期的には、このマーケティング支援にAI技術を深く融合させることで、より付加価値の高いサービスへと発展させることが期待されます。
6. 株価の評価
現在の株価は922.0円です。
* PER(会社予想): 32.63倍
* PBR(実績): 3.28倍
一方で、業界平均はPERが66.2倍、PBRが3.5倍です。
同社のPER(会社予想)32.63倍は、業界平均66.2倍と比較して低い水準にあります。PBR(実績)3.28倍も、業界平均3.5倍と比較してやや低い水準です。
これらの指標を業界平均と比較すると、現在の株価は割高感があるとは言えません。
ただし、提供された損益計算書上の過去12か月の純利益とEPSはマイナスですが、企業財務指標のLTM純利益(345M)や会社予想に基づくEPS(28.26)はプラスであり、これらの数値間には乖離が見られます。PER評価においては、会社予想EPSが実現されることが前提となります。
7. テクニカル分析
直近の株価推移を見ると、現在の922.0円は、年初来高値1,288円から約28%下落した水準にあります。年初来安値619円よりは高い位置です。
株価は50日移動平均線(1,048.34円)および200日移動平均線(974.88円)をともに下回っており、短期的には下降トレンドにあると見ることができます。直近10日間の株価も974円から922円へと下落傾向が見られます。これらの状況から、現在の株価は高値圏ではなく、調整局面にあると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2021年6月期の約10.9億円から、2024年6月期には約164.6億円へと大幅に増加し、過去12か月(LTM)では約227.6億円に達しています。これは2023年秋のDM発送代行会社買収による事業規模の急拡大を反映しています。しかし、直近四半期売上成長率(前年比)は-8.10%となっており、一時的な減速が見られます。
- 粗利益: 売上高の増加に伴い粗利益額も増加していますが、粗利率は2021年の約53%からLTMでは約9%台へと大きく低下しています。これは、買収したマーケティング支援事業の収益構造によるものと推測されます。
- 営業利益: 過去には赤字の時期もありましたが、LTMでは374百万円(約3.7億円)の黒字に転換しており、収益力の改善が見られます。営業利益率はLTMで約1.6%です。
- 純利益: 提供された損益計算書上の「Net Income Common Stockholders」は、過去12か月で-99百万円(約-0.99億円)と赤字を示しています。しかし、企業財務指標に記載されている「Net Income Avi to Common (過去12か月)」は345百万円(約3.45億円)と黒字であり、また会社予想EPSも28.26円とプラスです。これらの数値には乖離があるため、今後の決算発表に注意が必要です。
- キャッシュフロー: 過去12か月の営業キャッシュフローは893百万円、レバードフリーキャッシュフローは665百万円と、いずれもプラスであり、事業活動を通じて堅実に資金を生み出している点は健全です。
- ROE/ROA: Return on Equity(LTM)は10.72%、Return on Assets(LTM)は4.66%となっており、資本と資産の効率性は一定の水準にあります(損益計算書上のLTM純利益がマイナスである点との整合性は要確認)。
- 財務健全性: 自己資本比率は47.4%と健全な水準です。流動比率は2.21と高く、短期的な支払い能力に問題はありません。総負債/自己資本比率(Total Debt/Equity)は35.68%であり、負債は適切に管理されていると言えます。また、総現金(Total Cash)が総負債(Total Debt)を上回るネットキャッシュポジションにあります。
9. 株主還元と配当方針
同社は現在のところ、配当を実施していません。会社予想配当利回りも0.00%です。これは成長段階の企業として、得られた利益を内部留保し、事業拡大や技術開発への再投資を優先する方針であると推測されます。自社株買いに関する情報は提供されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で下降トレンドを示しており、50日・200日移動平均線を下回っています。一方で、AI技術への期待感や、M&Aによる事業規模拡大は投資家の関心を集める要因です。
信用取引においては、信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率は11.45倍です。これは将来的な売り圧力となる可能性も示唆されます。直近四半期の売上成長率がマイナスに転じた点は、短期的には投資家の懸念材料となる可能性もあります。今後の収益性改善と純利益の安定的な黒字化が、株価モメンタムを左右する要因となるでしょう。
11. 総評
JDSCは、AIソリューションとマーケティング支援を融合した事業を展開し、特にM&Aによって売上高を大幅に急増させる等、高い成長性を示しています。財務健全性は良好で、事業活動によるキャッシュフローも安定しています。
一方、事業規模拡大に伴い粗利率が大幅に低下しており、営業利益率は低い水準にあります。また、発表される純利益の数値にデータ間の乖離が見られるため、収益性の評価には注意が必要です。現状は無配であり、成長への投資を優先する段階と推測されます。
株価は年初来高値から調整局面に入っており、下降トレンドにあります。PERやPBRは業界平均と比較して割安水準と見られますが、これは足元の収益性の低さや純利益情報の乖離を織り込んでいる可能性も考慮する必要があります。
今後の焦点は、買収したマーケティング支援事業とAI技術のシナジーを本格化させ、収益性(特に粗利率と営業利益率)を改善し、安定的な純利益の確保を実現できるかにあるでしょう。
12. 企業スコア
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成長性: S
LTM売上高は前年同期比で大幅に増加しており、3年間の売上CAGRも非常に高い水準です。M&Aによるものとはいえ、事業規模が急拡大しています。
* 収益性: C粗利率が買収後に大幅に低下し、LTM営業利益率も1.6%と低い水準です。情報・通信業の企業としては、利益率が課題であると評価できます。
* 財務健全性: S自己資本比率47.4%、流動比率2.21、Total Debt/Equity比率35.68%(ネットキャッシュポジション)と、主要な財務健全性指標は非常に良好な水準にあります。
* 株価バリュエーション: A会社予想PER32.63倍、実績PBR3.28倍は、情報・通信業の業界平均PER66.2倍、PBR3.5倍と比較して割安な水準にあります。ただし、純利益情報にデータ間の乖離が見られる点には留意が必要です。
企業情報
銘柄コード | 4418 |
企業名 | JDSC |
URL | http://jdsc.ai/ |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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