8273 イズミ 企業分析レポート(個人投資家向け)

注記:本資料は公開データの整理・分析であり、投資勧誘・助言ではありません。数値は連結ベースを基本とし、単位は特記なき限り百万円・円。

1. 企業情報

  • 概要:中四国・九州地盤の総合小売。SC型GMS「ゆめタウン」、NSC「ゆめモール」、食品SM「ゆめマート」を展開。クレジット(ゆめカード・電子マネー「ゆめか」)、施設管理、清掃・警備、外食など周辺事業も併営。ニチリウグループの調達ネットワークを活用。
  • 特徴:ドミナント戦略による商圏支配力、SC運営ノウハウ、金融・テナント収益を含む多面的な収益源。
  • 直近トピック:九州の「サニー」70店舗承継(取扱改革・PB切替等を進行)、2024年のランサムウェア被害の影響一巡。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:大手ナショナルチェーン(イオン、セブン&アイ等)に対し、広域ローカル王者型(中四国・九州)として存在感。SC運営と食品SMが柱。
  • 競争優位
    • 地域密着のSC運営力とテナントMD、会員基盤(ゆめカード/ゆめか1,000万枚超)。
    • PB(くらしモア、惣菜PB「zehi」等)と価格施策の強化。
    • ドミナント展開による物流・販促効率。
  • 課題
    • 人件費・電力費・賃料等の固定費上昇、金利上昇による支払利息増。
    • 九州「サニー」承継の統合作業(のれん・販管費増)と収益化スピード。
    • ディスカウント・ドラッグの台頭、人口減少地域での需要頭打ち。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方針
    • 九州ドミナンス強化と「新規SM事業」の育成(食品本部に専任組織新設)。
    • 低価格施策の恒常化(「全力応援値下げ」拡充)、PB強化。
    • SCを地域の核として、自治体連携・付加価値向上(大型改装、優良テナント導入)。
  • 具体策(短信・開示より)
    • サニー承継店舗のMD最適化・PB切替(西友系→ニチリウ系)。
    • 既存店の大型リニューアル(例:無印良品導入、キッズゾーン再構築、専門店強化)。
    • 金融事業の取扱高増加(ゆめカード・ゆめか)、施設管理・外食の収益改善。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:直営小売(食品中心)+テナント賃貸・金融・施設管理の複合収益。会員基盤とSC集客が循環。
  • 適応力
    • 価格対応・PB強化・惣菜等中食の磨き込みで節約志向に対応。
    • ドミナント+改装で商圏深耕。金融・非物販収益が景気耐性を補完。
  • リスク
    • 人件費・金利上昇、円安・物価変動、サイバーリスクの再発、統合遅延。
    • 流動比率が低位(約0.89)で短期資金繰りの機動性に留意。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:会員・決済(ゆめカード/ゆめか)によるデータドリブン販促、SC運営ノウハウ。サイバー対策の強化が継続課題。
  • 主力カテゴリ:食品(生鮮・惣菜PB「zehi」)、生活必需品、衣料・住関連。SCでは専門店テナント構成が収益を下支え。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価:3,172円
    • 会社予想EPS:257.48円、BPS:4,011.71円
    • 会社予想PER:12.32倍、実績PBR:0.79倍
    • 業界平均:PER 21.3倍、PBR 1.8倍
  • 単純比較
    • PER比較:12.3倍は業界平均比で低位。
    • PBR比較:0.79倍は簿価割れ圏(業界比低位)。
  • 補助指標(概算)
    • 時価総額:約2,273億円
    • ネット有利子負債:約1,094億円 → EV約3,368億円
    • LTM売上:約5,519億円 → EV/S約0.61倍
    • LTM EBITDA:約471億円 → EV/EBITDA約7.1倍
  • 参考レンジ(単純計算の参考値)
    • 業界平均PER適用価格:≈ 257.48×21.3 ≈ 5,484円
    • 業界平均PBR適用価格:≈ 4,011.71×1.8 ≈ 7,221円

注:上記は比較指標の算術計算であり、妥当価値の提示ではありません。

7. テクニカル分析

  • 位置:年初来 2,935–3,468円レンジの下半分付近。200日線(3,200円)をわずかに下回り、50日線(3,268円)も下回る。
  • 短期トレンド:直近10日でジリ安(3,336→3,172)。出来高は3カ月平均(約24万株)を下回る日が多い。
  • ボラティリティ・特性:5年β 0.06(市場連動性は低位)。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益
    • 売上(営業収益含む)推移:FY2024 471,165 → FY2025 524,142 → LTM 551,895(増収基調、サニー承継寄与)。
    • LTM粗利率:約39.2%(粗利216,587/売上551,895)。
    • LTM営業利益:25,780(営業利益率約4.7%)。営業利益は過去ピーク比で低下も、回復過程。
    • LTM純利益:12,031(純利率約2.2%)。営業外費用(利息)が増加傾向。
  • 効率・収益性
    • ROE:約4.2%(実績)、ROA:約3.0%(LTM)。資本効率は抑制的。
    • EBITDA:470〜480億円規模、EBITDAマージン約7.8%。
  • キャッシュフロー・財政状態
    • 営業CF(LTM):516.6億円(安定)。配当総額(年90円×約7,166万株=約64〜65億円)を十分にカバー。
    • 総資産:5,820億円、自己資本比率:50.1%→48.7%(1Q末、レバレッジやや上昇)。
    • 有利子負債:約1,229億円、ネット有利子負債約1,094億円。流動比率:約0.89と低位(短期負債厚め)。
  • 例外要因
    • 一過性損益:ランサムウェア影響は一巡。のれん償却・統合費等の負担に留意。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年90円(予想)、配当利回り約2.84%。実績配当性向(LTM EPS 168.5円ベース)約53%。
  • 今期会社予想EPS(約256〜258円)前提だと、同配当継続時の性向は低下見込み(30%台)。
  • 自社株買い:2025年4月に約95.9万株(約31.7億円)を取得と開示。継続方針は未記載。
  • 5年平均配当利回り:2.57%(現状は自社平均をやや上回る水準)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週騰落率 −6.98%。直近は短期的に弱含みの値動き。
  • 信用動向:信用買残 26,400株(前週比+5,700)、信用倍率 2.54倍。やや買い越し傾向。
  • 流動性:3カ月平均出来高 約24.3万株、発行株式は約7,166万株。インサイダー保有比率が高め(約42%)。
  • 予定イベント
    • 決算発表予定:2025/10/14
    • 権利落ち予定:2026/2/26(配当関連)

11. 総評

  • 収益面では、サニー承継・既存店回復で増収を確保。営業利益は販管費増・金利上昇の逆風で伸び鈍化も、通期は会社計画で増益見通し。
  • 財務面は自己資本比率50%前後と健全だが、流動比率は低位で短期資金繰り管理が要点。ネット有利子負債は増加傾向。
  • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低位。EV/EBITDA約7倍と小売として中位圏。配当は安定的で、営業CFで十分賄える水準。
  • テクニカルは中長期線をやや下回り、短期は調整基調。イベント(10月決算)や統合進捗、金利動向が短期の関心材料。
  • 中期はドミナント強化・PB/価格政策・改装など小売の基本動作を積み上げる計画。統合効果の顕在化と金利・人件費の吸収が収益レベルの鍵。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上は2桁増(サニー承継寄与、既存店回復)、1Q売上高+25.5%(営業収益ベース)/直営売上+28.7%YoY。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率約4.7〜5.0%、純利率約2%台。粗利率は高めだが、販管費・金利負担でROEは約4%台。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率約50%と健全。一方、流動比率約0.89と低位、ネット有利子負債増で保守評価。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER12倍台・PBR0.79倍と業界平均比で低位。EV/EBITDA約7.1倍は中位〜やや割安圏。

参考データ(抜粋)
– 株価レンジ(52週):2,935–3,599円(年初来高値3,468円)
– 予想配当:90円(利回り約2.84%)
– 予想PER:12.32倍、実績PBR:0.79倍
– ROE:4.21%、自己資本比率:50.1%
– 営業CF(LTM):516.6億円
– 今後の主な予定:2025/10/14 決算、2026/2/26 権利落ち

ご要望があれば、セグメント別利益率や年次推移グラフ、CF内訳の詳細も作成可能です。


企業情報

銘柄コード 8273
企業名 イズミ
URL http://www.izumi.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 小売 – 小売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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