1. 企業情報
- 概要: 水産物の貿易・加工・買付を中核に、生鮮(まき網・養殖・生食)、業務用中心の加工食品、冷蔵倉庫等の物流サービスを展開。すしネタ(寿司向け商材)や外食向けに強み。加工は海外比率が高く、原料調達~加工~販売の一気通貫体制を特徴とする。
- 連結事業構成(売上構成/営業利益率の目安、括弧内はセグメント利益率・会社開示ベース):
- 水産 55%(3%)
- 生鮮 22%(5%)
- 食品 22%(3%)
- 物流サービス 1%(10%)
- その他 0%(12%)
- 上場区分: 東証プライム(食品/33業種:水産・農林業)
- 従業員: 2,476人、平均年齢41.6歳、平均年収8,910千円
- 本社: 東京都港区赤坂
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内大手(水産大手の中では中堅規模)。マルハニチロ、ニッスイ等の総合大手に対し、すしネタ・外食向けや海外加工の活用で差別化。
- 競争優位性:
- 高い海外加工比率と調達ネットワークに基づくサプライチェーンの柔軟性
- 外食・業務用チャネルでの商品企画力(すしネタ、惣菜・フライ等)
- 課題:
- 原料相場・漁獲量・為替に左右される収益変動
- 一部品目(サケ・マグロ等)の市況軟化局面での利益確保
- 借入活用による在庫運転の増大と金利負担
※市場シェアの定量データは未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画: Gear Up Kyokuyo 2027(2024–2026年度)
- 重点: 事業基盤の拡充(海外子会社の拡大、加工能力の立ち上げ)、収益性改善(商品ミックス・生産性)、財務基盤とステークホルダー連携の強化
- 具体施策(第1四半期の説明等より):
- 水産: サバ・ホタテなど需要・輸出の強い品目の深耕、海外拠点の拡大寄与を取り込み
- 生鮮: 養殖・まき網の安定化、まぐろ等の収益改善(漁獲減・市況軟化対応)
- 食品: 業務用の差別化製品投入、生産効率の改善、原料高の価格転嫁の継続
- 物流: 倉庫稼働・出庫改善
- リスク管理: 為替・原料高、海外関税・貿易政策、漁獲量の変動に対する分散調達と在庫・価格管理
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 仕入(グローバル)→海外/国内加工→業務用・外食・量販向け販売。ボリュームに加え、付加価値(加工・ミックス・用途特化)でマージンを積み上げる。
- 変化対応力:
- 海外加工・複数商材への分散で相場・漁獲変動の影響を緩和
- 外食・中食需要、インバウンド回復の取り込み
- 留意点: 原料高・在庫水準の上昇は運転資金・金利負担の増加に直結。市況急変局面での価格転嫁スピードと在庫評価が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/運用面: 加工プロセス改善、生産性向上、コールドチェーンと在庫・品質管理、商品設計(味・規格・歩留り最適化)等のオペレーション強化が中心。
- 主力領域:
- すしネタ(生食・解凍商材)
- サバ、ホタテ等の水産素材・加工品
- フライ等の業務用冷凍食品、かに風味かまぼこ等の練り製品
- 直近動向(1Q): サバ・日本産ホタテが好調。一方、サケ・養殖関連は市況軟化で利益に逆風。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 4,960円、時価総額: 約599億円
- 予想EPS: 690.39円、予想PER: 7.18倍(業界平均PER: 9.9倍)
- 実績PBR: 0.86倍(業界平均PBR: 0.9倍)、BPS: 5,750.68円
- 配当: 期末予想150円(利回り約3.02%)、配当性向約22.9%
- 参考計算:
- 業界平均PER適用の理論株価(参考): 690.39 × 9.9 ≈ 6,834円
- PBR=1倍の参考水準: ≈ 5,751円
- コメント: 指標上は業界平均と比べてPER/PBRともにやや低位に位置。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ: 3,615円–5,220円(現値は上限に近い帯域)
- 移動平均: 50日線 4,801円、200日線 4,395円
- 現値は50日・200日線を上回り、中期~長期の上昇トレンド内
- 直近10営業日: 4,855円→4,960円へじり高基調。年初来高値5,220円がレジスタンス、50日線近辺(約4,800円)がサポートの目安。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上(LTM): 302,681百万円(前期261,604 → +15.7%)
- 3年CAGR(売上): 約+6.0%(253,575 → 302,681)
- 収益性(LTM、概算):
- 粗利率: 約12.8%(38,819/302,681)
- 営業利益率: 約3.5%(11,080/302,681)
- EBITDAマージン: 約4.8%(14,393/302,681)
- 当期純利益: 6,740百万円(純利率 約2.2%)
- ROE: 10.74%
- 貸借・流動性(直近Q: 2025/6/30):
- 自己資本比率: 36.5%(会社実績)
- 流動比率: 約1.73倍
- 総有利子負債: 85,250百万円、現金等: 7,533百万円(ネット有利子負債 ≈ 77,700百万円)
- D/E(会社指標): 121.7%
- 在庫: 83,634百万円(運転資金の増加要因)
- 金利負担: 利息費用 844百万円、EBIT/利息 ≈ 11,692/844 ≈ 13.9倍(カバレッジは一定の余裕)
- 四半期動向(2026年3月期1Q):
- 売上+11.5%増、営業利益は-15.9%(原料高・漁獲減・市況差でセグメント明暗)
- セグ別営業利益: 水産+8.0%、生鮮-43.3%、食品-22.7%、物流ほぼ横ばい
9. 株主還元と配当方針
- 2026年3月期配当予想: 年間150円(中間無・期末150円)、利回り約3.02%、配当性向約22.9%
- 自社株: 自己株式 約1.0%(期末保有、うち信託関連含む)。新たな自己株買いの公表は提供資料内では未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線上で上昇トレンドを維持。年初来高値(5,220円)手前で上値確認の局面。
- 出来高: 3カ月平均 47.2千株、直近10日 35.5千株(やや低下)
- 信用動向: 信用買残 202,600株(前週比+6,900)、信用倍率 25.01倍。買い残が厚く、需給は上振れ時に加速しやすい一方で、反転時の整理に注意が必要。
- IRイベント: 次回の配当権利落ち予定 2026/3/30。通期業績予想は据え置き。
11. 総評
- 売上は中期的に拡大基調(LTM YoY +15.7%、3年CAGR約+6%)。粗利率・営業利益率も改善余地を残しつつ業界水準並み~やや上。
- 1Qは増収ながら利益は減少。サバ・ホタテなど堅調だが、マグロ・サケや養殖の市況に逆風。期中の原料高・漁獲動向と価格転嫁の進捗が通期達成の鍵。
- バランスシートは自己資本比率36.5%、流動比率1.73倍で一定の安定感。一方で在庫・借入の増加に伴う資金コスト管理が重要。
- バリュエーションはPER/PBRともに業界平均を下回り、指標面では相対的に低位。配当利回りは約3.0%で、配当性向にも余地。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+15.7%、3年CAGR約+6%。
- 収益性: B
- 根拠: 営業利益率約3.5%、粗利率約12.8%。業界水準並み~やや上とみられるが、四半期では利益率低下。
- 財務健全性: B
- 根拠: 自己資本比率36.5%(40%未満)、流動比率1.73倍、D/E約122%。過度ではないが杠杆は高め。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: 予想PER7.18倍(業界9.9倍)、PBR0.86倍(業界0.9倍)と相対的に低位。
参考データ
– 株価: 4,960円
– 年初来高値/安値: 5,220/3,615円
– 予想EPS/BPS: 690.39円/5,750.68円
– ROE: 10.74%
– 営業利益(LTM): 11,080百万円
– EBITDA(LTM): 14,393百万円
(出典: 提供の決算短信要約、損益計算書・財務指標、株価データ等)
企業情報
銘柄コード | 1301 |
企業名 | 極洋 |
URL | http://www.kyokuyo.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 水産・農林業 |
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