NECキャピタルソリューション(8793)企業分析レポート
株価:3,905円(2025-10-07終値)/市場:東証プライム/業種:その他金融業(レンタル・リース)
1. 企業情報
- 概要
- NEC Capital Solutions Limitedは、リース・ファイナンス・投資・その他事業を展開する総合ファイナンス企業。
- 主要顧客は官公庁・自治体・大企業・中堅中小企業。情報通信機器(ICT)リースが中心。
- 2008年にNECリースから現商号へ変更。2024年10月よりSBI新生銀行の持分法適用会社。
- セグメント(売上構成・収益特性の目安)
- リース:90%(利益率目安 約2%)
- ファイナンス:3%(同 約38%)
- インベストメント:5%(同 約16%)
- その他:2%(同 約12%)
- 収益は「低マージン・高回転」のリースと、「高マージン・低比率」のファイナンス/投資で構成。
- 事業領域
- リース・レンタル・割賦(ICT機器、オフィス機器等)、保守・中古売却
- 貸付・ファクタリング・債権流動化
- ベンチャー投資、アセット/不動産関連、アドバイザリー
- エネルギー(太陽光発電等)、PFI/PPP、観光・農業・ヘルスケア関連
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 情報通信機器に強みを持つリース大手の一角。NECグループ由来の顧客基盤と公共向け案件での実績が特徴。
- 総合大手(オリックス、三菱HCキャピタル、東京センチュリー、SMFLなど)に比べ規模は小さめで、ICT特化・案件審査力で差別化。
- 競争優位性
- ICT領域のアセット知見、NECおよび公共分野との関係性、与信・回収ノウハウ、債権・ストラクチャードの組成力。
- 2024年10月のSBI新生銀行グループとの連携により、調達・オリジネーション・商品開発のシナジー期待。
- 課題
- リースは構造的に利益率が低く、金利上昇局面では調達コスト上昇を価格転嫁する運用が課題。
- 残価リスク(特にIT機器)、競合の価格競争、設備投資サイクルの影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(公開情報をベースにした一般的方向性)
- リース単体から「金融×ソリューション」へ。ICTライフサイクル管理、BPO、サブスクリプション/aaS支援、脱炭素・分散電源等の社会課題分野に注力。
- 重点分野の例
- ICT/デジタル:DX投資支援、IT資産の導入・運用・更新・再流通までの一気通貫支援。
- ファイナンス:ファクタリング、サプライチェーン金融、債権流動化・証券化。
- 投資/エネルギー:再生可能エネルギー、PFI/PPP案件、アセットマネジメント・アドバイザリー。
- グループ連携:SBI新生銀行グループとの商品開発・調達多様化、共同営業。
- 中期的施策の方向性
- 収益源の多角化(リカーリング比率の向上)、資産健全性の維持(与信管理・ALM強化)、CAPEX/残価リスク管理の徹底。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- リース料・金利収入・手数料・投資収益で構成。リースは低マージンだが安定的な期中キャッシュ創出が期待できるモデル。
- 変化への適応
- ICT更新ニーズ、脱炭素・省エネ投資、公共インフラ整備などの継続需要に沿った商品を展開。
- 金利・規制・会計基準変更(残価・減価償却・資産計上)に対して、価格設計・期間設定・ヘッジ等の運用が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・商品面
- e契約、オンライン与信、データ活用などの業務デジタル化を進展。SBIグループとのフィンテック連携余地。
- 主力
- ICT機器リースが中核。併せてファクタリング/債権流動化、エネルギー/PPP関連の投資ビジネスが収益を補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価3,905円、EPS(会社予想)464.25円、BPS(実績)5,560.23円
- 指標
- PER(予想):8.41倍(業界平均10.3倍)
- PBR(実績):0.70倍(業界平均0.9倍)
- 益回り(予想):約11.9%(=1/8.41)
- 配当利回り(会社予想):3.84%(1株配当150円)
- 補足
- リース業は巨額の有利子負債を伴うため、EV/S等は同業比較でも解釈に注意が必要。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:3,927.7円、200日:3,859.0円。現値は50日線やや下、200日線上で中立~持ち合い圏。
- 52週レンジ:3,260~4,100円。現値はレンジ上方域(高値から約4.7%下)。
- 需給
- 出来高:直近は3カ月平均(約26千株)並み~やや下。10日平均(約36千株)比で減少。
- 信用残:買残35.5千株(前週比▲19.9千)、売残23.3千株(同+19.8千)、信用倍率1.52倍。短期的にはやや上値・下値ともに圧力が拮抗。
- イベント
- 決算想定ウィンドウ:2025/7/29〜8/4
- 権利落ち日:2026/3/30
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上・利益(単位:百万円)
- 売上高(LTM):254,879(前年:255,857、3年前:258,107)→おおむね横ばい
- 営業利益(LTM):7,782(前年:11,695)→減益
- 当期純利益(LTM):6,611(前年:7,034)
- 収益性
- 粗利率:約11.6%(=29,660/254,879)
- 営業利益率:約3.1%(会社公表LTM 3.7%指標あり)
- 純利益率:約2.6%
- EBITDA:39,604、EBITDAマージン約15.5%
- コスト構造・その他
- 減価償却費:30,459(前年:27,404)と増加傾向(リース資産拡大の影響が示唆)。
- 金利費用:281(前年:490→改善も、LTMは純営業外損益が▲243)。
- 特別項目:LTMで▲571の一時項目影響。
- 資本効率・安全性
- ROE(実績):5.58%(LTM指標4.32%)
- ROA(LTM):0.42%
- 自己資本比率(実績):9.9%(リース業特有の高レバレッジ構造)
- 流動比率:1.84
- 総現金:約9,864億円、有利子負債:約9,727億円(構造的に資産・負債が大きい業態)
- トレンド評価
- 直近LTMで営業/最終利益は前年から縮小。減価償却負担増や一時項目等の影響が見られる一方、売上規模はほぼ横ばい。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想配当:150円(配当利回り約3.84%)
- 配当性向:LTMベース約48.9%(150円/306.9円)、予想EPSベースでは約32%(参考計算)
- 自己株式・その他
- 自社株買い等は本データからは不明(該当情報なし)。
- 参考
- 5年平均配当利回り:約3.5%(現状はこれをやや上回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 権利落ち(2025-09-29)通過後、株価は一旦調整→現在は移動平均線近辺でのもみ合い。
- 投資家関心
- ベータ0.26と低めで市場連動性は相対的に低い傾向。
- 信用買残減少・売残増加は、短期的には中立〜様子見姿勢が示唆される。
11. 総評
- 事業面
- ICTリースを軸に、ファクタリングや投資・エネルギー等の高付加価値分野を組み合わせるモデル。SBI新生銀行グループとの連携により、商品・調達・営業面のシナジー機会がある。
- 財務面
- 売上は横ばい、LTM利益は前年から調整。減価償却負担や一時項目の影響が確認できる。自己資本比率は業態特性として低く、ALM・与信・残価管理の精度が重要。
- バリュエーション・株価
- PER・PBRは業界平均比で低位。配当利回りは会社予想で約3.8%。テクニカル面は上値圏手前での持ち合い局面。
(注)本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上成長率はほぼ横ばい(前年比微減)、3年CAGRも小幅。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約3%台、粗利率約12%前後。業態特性を踏まえると中位水準と評価。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率9.9%、D/E高水準(リース業特性)。流動比率は1.84。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER(予想)8.41倍、PBR0.70倍と業界平均比で低位。配当利回り約3.8%。
参考データ抜粋
– 時価総額:841億円/発行株式数:21,549,427株
– ROE(実績):5.58%/自己資本比率:9.9%
– 予想EPS:464.25円/予想PER:8.41倍
– 実績BPS:5,560.23円/PBR:0.70倍
– 配当:150円(予想)/配当性向(LTM):約48.9%/利回り:約3.84%
– 52週高値:4,100円/安値:3,260円/β:0.26
企業情報
銘柄コード | 8793 |
企業名 | NECキャピタルソリューション |
URL | http://www.necap.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – その他金融業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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