アイネス(9742)企業分析レポート

株価: 2,035円(2025-10-08)
時価総額: 425億円 / 単元: 100株 / 市場: プライム

1. 企業情報

  • 概要: 独立系SI(システムインテグレーター)。1964年設立。自治体・組合/団体・金融・流通等に情報システムの設計・開発、運用・保守、ITアウトソーシング(iDC/ヘルプデスク/セキュリティ)を提供。三菱総合研究所(MRI)と提携関係。
  • 事業構成(2025.3 連結):
    • システム開発 49%
    • 運用 31%
    • システム保守 12%
    • 情報機器販売 3%
    • その他 5%
  • 特徴領域: 地方公共団体の情報システム(標準化対応、住民/福祉領域に知見)、団体・組合向け基幹系、金融・流通向けSI。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 大手総合SI(NTTデータ、TIS、SCSK等)と比較し中堅規模だが、自治体・団体に強みを持つ独立系。MRIとの連携により公共分野の政策・制度対応で補完関係。
  • 競争優位性:
    • 自治体標準仕様や福祉分野のドメイン知識
    • 運用・保守(合計43%)の継続収益基盤
    • 提携による政策適合性/提案力
  • 課題:
    • 人材獲得・単価上昇への対応(労務費インフレ)
    • 公共調達の価格競争・再入札リスク
    • クラウド化・標準化に伴う差別化の維持

※公表市場シェアは不明。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方針(2026中期経営計画):
    • 地方公共団体情報システムの標準化対応
    • 次世代ソリューションの開発(DX、クラウド、セキュリティ)
    • 事業基盤拡充(人材・パートナー、運用/保守の強化)
  • 直近期の実行状況(2025/3期3Q):
    • 売上は微減も、採算改善で営業利益+31.8%(前年同期比)
    • 公共分野は増収(+1.7%)、民間分野は慎重(-6.5%)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益構造: 開発+運用・保守の組合せ。運用/保守の比率が高く、継続収益で安定性。
  • レジリエンス:
    • 標準化・クラウド化の波に合わせたリプレイス需要
    • アウトソーシング/セキュリティ/ヘルプデスク等の継続需要
  • リスク要因:
    • 大型案件の収益ぶれ、再入札不調
    • 人員計画(採用・教育)と外注費のコントロール
    • データセンター等の設備投資負担と技術更新

5. 技術革新と主力製品

  • 技術/サービス領域: システム開発、運用・監視、iDC、セキュリティ、ERP/業務コンサル、移行、ヘルプデスク、データ入力等。
  • 独自性/注力:
    • 自治体分野の制度対応ノウハウ(福祉・住民領域)
    • MRIとの連携による公共向けソリューション高度化
  • 収益牽引:
    • 自治体・団体向けの運用/保守、長期アウトソーシング
    • 既存システムの更新・クラウド移行案件

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在値: 2,035円
  • 予想EPS: 134.57円 → 予想PER ≈ 15.1倍
  • 実績BPS: 1,825.95円 → 実績PBR ≈ 1.11倍
  • EV/EBITDA(試算):
    • 時価総額425億円、現金143億円、借入44億円 → EV ≈ 325億円
    • TTM EBITDA ≈ 54.7億円 → EV/EBITDA ≈ 6.0倍
  • EV/Sales(試算): EV 325億円 / 売上 406億円 ≈ 0.80倍
  • 業界平均との比較(参考値・単純比較):
    • 業界平均PER 23.2倍 → EPSを当てはめる単純計算水準 ≈ 3,120円
    • 業界平均PBR 2.3倍 → BPSを当てはめる単純計算水準 ≈ 4,200円
    • これらは成長率・収益性・資本効率の差異を考慮しない参考値。

7. テクニカル分析

  • 52週レンジ: 1,374円~2,070円(現値は高値圏に近い水準)
  • トレンド: 50日線 1,822円、200日線 1,742円の上に位置(上向き基調)
  • 出来高: 3カ月平均 48.6千株、直近10日 38.6千株。短期は出来高やや細り。
  • 需給: 信用倍率 0.48倍(売り残が買い残を上回る)。価格変動時の買戻しによる変動に留意。

8. 財務諸表分析

  • 売上(億円): 2022:400 → 2023:424 → 2024:406 → TTM:406(横ばい)
  • 利益:
    • 営業利益(億円): 2022:19.6 → 2023:38.0 → 2024:28.8 → TTM:35.4(採算回復)
    • EBITDA(億円): 2022:48.8 → 2023:57.5 → 2024:46.8 → TTM:54.7
  • 収益性(TTM目安):
    • 粗利率 ≈ 24.0%(9,715/40,563)
    • 営業利益率 ≈ 8.7%(3,536/40,563)
    • 当期純利益率 ≈ 6.0%(2,436/40,563)
  • 効率/資本:
    • ROE: 約5.6〜6.3%(データベンダー差あり)
    • ROA: 約3.6%
  • キャッシュフロー(TTM):
    • 営業CF 54.4億円、レバードFCF 22.6億円(プラス)
  • 財務安全性:
    • 自己資本比率: 69〜74%(期中数値のレンジ)
    • 流動比率: 3.16倍
    • D/E: 11.5%、実質ネットキャッシュ約100億円

9. 株主還元と配当方針

  • 会社予想配当: 年60円(利回り約2.95%)
  • 直近実績: 年55円(トレーリング)
  • 配当性向: 約47%(データベンダー数値)
  • 自己株式: 0.48%(自己株口)※現時点の追加の自己株買い情報は不明

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落率: +26.6%(ベンチマーク比で良好)
  • 機関/インサイダー保有: 機関約41%、インサイダー約25%(安定株主構成)
  • 需給面: 信用売り超過(倍率0.48倍)。イベント時のボラティリティに留意。

11. 総評

  • 自治体・団体向けのドメイン強みと、運用/保守比率の高さが収益の安定性に寄与。2025/3期以降は採算改善で利益が回復傾向。
  • 財務体質は保守的(高自己資本比率・ネットキャッシュ・正のFCF)。
  • バリュエーション倍率は業界平均比で低位水準。成長率・ROEの水準や事業ポートフォリオの違いを踏まえた評価が前提。
  • テクニカルでは52週高値圏に接近し、移動平均線上で推移。信用売り超の需給が短期の値動きに影響しうる。
  • リスクは公共入札の価格競争、標準化・クラウド化での差別化、人材コスト上昇。方針は標準化対応・次世代ソリューション開発でこれに対応。

(本資料は公開情報に基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。)

12. 企業スコア

  • 成長性: B(LTM売上は概ね横ばい、3年CAGR約+0.4%)
  • 収益性: B(営業利益率約8.7%、EBITDA率約13.5%:国内SIの平均的水準を想定)
  • 財務健全性: S(自己資本比率約70%、流動比率3.2倍、ネットキャッシュ)
  • 株価バリュエーション: A(PER・PBRが業界平均比で低位、EV/EBITDA約6倍)

参考計算
– PER(予想)= 株価2,035 ÷ EPS 134.57 ≈ 15.1倍
– PBR(実績)= 株価2,035 ÷ BPS 1,825.95 ≈ 1.11倍
– EV ≈ 時価総額425億 – 現金143億 + 負債44億 ≈ 325億
– EV/EBITDA ≈ 325億 ÷ 54.7億 ≈ 6.0倍
– EV/Sales ≈ 325億 ÷ 406億 ≈ 0.80倍
– 配当利回り ≈ 60円 ÷ 2,035円 ≈ 2.95%


企業情報

銘柄コード 9742
企業名 アイネス
URL http://www.ines.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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