1. 企業情報
株式会社アイネスは、1964年に設立された独立系の大手情報サービス企業です。主に産業法人、金融機関、公共団体向けに情報ネットワークシステムサービスを提供しています。事業内容はシステム開発(49%)、運用(31%)、システム保守(12%)、情報機器販売(3%)、その他(5%)と多岐にわたり、中でも地方自治体向けのシステム開発やウェブリングス(WR)開発に強みを持っています。三菱総合研究所と提携関係にあります。本社は東京都中央区に位置し、従業員数は1,247名、平均年収は約703万円です。
2. 業界のポジションと市場シェア
アイネスは独立系SIer(システムインテグレーター)の大手として、特に公共分野(地方自治体、組合・団体)において強固な顧客基盤を築いています。自治体情報システムの構築・運用実績は長く、この分野における専門性とノウハウが競争優位性となっています。一方で、情報サービス業界全体としては、デジタル変革(DX)の推進やクラウドサービスの普及、AI技術の進展など、技術的変化が激しく、常に新たな技術への対応と人材確保が課題となります。
3. 経営戦略と重点分野
同社は「2026中期経営計画」を推進しており、以下の3点を重点分野としています。
– 地方公共団体情報システムの標準化対応: 国が推進する自治体情報システムの標準化に対応し、サービス提供能力を強化。
– 次世代ソリューションの開発: 市場の変化に対応した新たな技術やサービス(例:DX関連、クラウド活用)を開発・提供。
– 事業基盤拡充: 経営効率の向上や新たな事業機会の創出を通じて、事業基盤をさらに強化。
これらの戦略を通じて、持続的な成長と収益性の向上を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
アイネスの事業モデルは、システム開発から運用、保守まで一貫した情報サービス提供にあります。特に公共分野においては、一度導入されたシステムは長期的に利用される傾向にあるため、安定した収益源となっています。また、中期経営計画において「次世代ソリューションの開発」を掲げていることから、市場ニーズの変化や技術革新への適応を意識しており、事業モデルの持続可能性を高める努力がうかがえます。
5. 技術革新と主力製品
具体的な独自技術の詳細な記述は少ないですが、中期経営計画において「次世代ソリューションの開発」を重点分野としており、新たな技術開発への取り組みが見られます。主力製品およびサービスとしては、長年にわたり培ってきた「自治体の情報システム・ウェブリングス(WR)開発」が挙げられます。これは、地方自治体の行政サービスを支える基盤システムであり、安定的な収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価(現在):2,035.0円
- EPS(会社予想):134.57円
- PER(会社予想):15.11倍
- PBR(実績):1.11倍
- 業界平均PER:23.2倍
- 業界平均PBR:2.3倍
現在のPER15.11倍は、業界平均PER23.2倍と比較して割安な水準にあります。PBR1.11倍も業界平均PBR2.3倍を下回っており、株価バリュエーションの面では割安感があると言えます。
7. テクニカル分析
現在の株価2,035.0円は、年初来高値2,070円に近く、52週高値2,070円のレンジにもあります。50日移動平均線(1,821.58円)と200日移動平均線(1,741.90円)を両方上回っており、株価は短期・中期的に上昇トレンドにあると見られます。直近10日間の株価推移を見ても、明確な下落は見られず、概ね堅調に推移しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は400億円前後で推移し、特段の大きな成長は見られませんが、直近12ヶ月実績は405億円程度で安定しています。2025年3月期第3四半期の売上高は前年同期比で-3.0%と減少傾向にあります。
- 利益: 2024年3月期は営業利益28.78億円、純利益17.95億円と一時的に落ち込みましたが、過去12ヶ月では営業利益35.36億円、純利益24.36億円と改善傾向にあります。特に2025年3月期第3四半期では、売上高が減少した一方で、営業利益は前年同期比+31.8%と大幅に増加しており、収益性改善への取り組みが進んでいることが示唆されます。
- ROE(実績): 6.33% は、資本効率の観点から見ると、一般的な水準と比較してやや低いと言えます。
- ROA(過去12か月): 3.57% となっています。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは過去12か月で54.4億円と潤沢であり、安定的な事業運営を示しています。
- 自己資本比率(実績): 69.1%は非常に高く、財務健全性は極めて良好です。
- 流動比率(直近四半期): 3.16倍と高く、短期的な支払い能力に優れています。
- 総負債/自己資本比率(直近四半期): 11.51%と非常に低く、負債依存度が低い強固なバランスシートを持っています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想):2.95%
- 1株配当(会社予想):60.00円
- 配当性向:46.96%
同社は安定的な配当を継続しており、2025年3月期の年間配当は60円(予想)で、配当利回りは2.95%となっています。配当性向も約47%であり、利益に応じた株主還元を行う方針がうかがえます。自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は、今回のデータには含まれていませんが、過去の配当実績から株主還元に積極的な姿勢が見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去52週間の株価変化率は+26.63%であり、S&P 500の同期間変化率+17.20%を上回っています。これは市場全体と比較して堅調なパフォーマンスを示しています。直近10日間の出来高は数千株から数万株と幅があり、比較的低迷する日もありますが、株価は高値圏で安定した推移を示しています。信用倍率は0.48倍と売り残りが買い残りを上回っており、短期的な踏み上げ期待や売り圧力の継続が考えられます。
11. 総評
アイネスは、独立系SIerとして公共分野に強固な基盤を持つ企業です。売上高は安定推移しているものの、成長鈍化の傾向が見られます。しかし、2025年3月期第3四半期決算では、売上高減ながらも営業利益と純利益が大幅に改善しており、収益構造改革の成果が見られます。「2026中期経営計画」では、地方公共団体情報システムの標準化対応や次世代ソリューション開発を掲げ、今後の成長への意欲を示しています。財務体質は非常に健全であり、高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローを維持しています。株価評価の面では、業界平均と比較してPER、PBRともに割安感があり、堅実な配当政策も実施しています。株価は年初来高値圏にあり、上昇トレンドを示していますが、今後の事業成長が株価をさらに押し上げる要因となるかが注目されます。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 過去数年間の売上高は横ばい〜微減傾向にあり、直近四半期の売上高も前年同期比で減少しています。
- 収益性:A
- 過去12ヶ月の営業利益率は8.72%、EBITDA率は13.48%であり、売上高が減少する中でも、最新の決算短信では営業利益、経常利益、純利益が前年同期比で大幅に増加しており、収益性は改善傾向にあります。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率69.1%、流動比率3.16倍、総負債/自己資本比率11.51%と、非常に健全な財務体質です。
- 株価バリュエーション:S
- PER(会社予想)15.11倍、PBR(実績)1.11倍ともに業界平均を大きく下回っており、割安感があります。
企業情報
銘柄コード | 9742 |
企業名 | アイネス |
URL | http://www.ines.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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