1. 企業情報

コージンバイオは、1981年に設立された日本のバイオテクノロジー企業です。主に「組織培養」「微生物」「細胞加工」の3つの事業セグメントを展開しています。組織培養事業では、再生医療や細胞治療の研究・製造に不可欠な細胞培養用培地の開発、製造、販売を手掛けており、特にウイルスや組み換えタンパク質生産、ハイブリドーマ、ヒトリンパ球、昆虫細胞株など多様な用途に対応した培地を提供しています。微生物事業では、臨床検査や食品検査などで用いられる微生物検査用培地や診断薬を、細胞加工事業では、医療機関からの細胞加工受託や関連製品の販売を行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

コージンバイオは、再生医療分野の成長市場において、細胞培養用培地を中心とした主要サプライヤーとしての地位を確立しています。特に組織培養事業は、国内外、特にアジア圏(中国を含む)での再生医療市場の拡大を背景に、売上を伸ばしています。微生物事業では、臨床・産業用途の需要が限定的であり、感染症関連の抗原検査キットは感染者数の低水準により販売が計画を下回っています。細胞加工事業は、一度販売を停止していた製品の需要回復が限定的であることに加え、競争激化により受託件数も伸び悩むという課題に直面しています。競合他社に対する具体的な市場シェアのデータは提供されていませんが、再生医療分野の技術進展と市場拡大は同社にとって追い風となる一方、微生物・細胞加工分野では競争環境への適応が課題となっています。

3. 経営戦略と重点分野

コージンバイオの経営陣は、再生医療分野の成長を戦略の中核に据えています。決算短信によると、2026年3月期の通期連結業績予想では増収増益を見込んでおり、特に組織培養事業における国内外での需要拡大がこれを牽引すると考えられます。細胞培養用培地の供給を通じて、幹細胞治療、遺伝子治療、組織工学といった先端医療技術の研究開発・実用化を支援し、その進展に応じて事業を拡大していく方針と読み取れます。中期経営計画の具体的な内容は提供資料では限定的ですが、通期業績予想の維持から、現行の戦略が着実に実行されていることが示唆されます。一方で、原材料価格の高騰、円安、人手不足といったマクロ経済要因や、一部事業における競争激化や需要の変動への対応も重要な経営課題として認識されています。

4. 事業モデルの持続可能性

コージンバイオの事業モデルは、成長市場である再生医療分野に強く依存している点で持続可能性が高いと言えます。組織培養培地は、細胞治療や研究開発に不可欠な基盤製品であり、市場ニーズは安定的に拡大しています。しかし、微生物事業における感染症関連製品の売上変動や、細胞加工事業における競争激化は、一部の収益源において不確実性をもたらします。市場ニーズの変化、特に感染症の流行状況や研究トレンドの変化に柔軟に対応し、新製品開発やサービス拡充を通じて事業ポートフォリオを強化することが、長期的な持続可能性を高める鍵となります。国際的な再生医療市場(特にアジア圏)への取り組みは、収益源の多角化と成長機会の追求に貢献しています。

5. 技術革新と主力製品

コージンバイオは、組織培養培地、微生物検査用培地、細胞加工受託サービスを主力としています。特に、細胞培養用培地は、ウイルス生産、組換えタンパク質生産、ハイブリドーマ、ヒトリンパ球培養、昆虫細胞株培養など、多岐にわたる用途に対応する製品群を展開しており、同社の技術力の核となっています。再生医療の進展に伴い、iPS細胞やES細胞用の培地、無血清培地なども手掛け、最先端の研究ニーズに応えています。細胞加工事業では、医療機関からの細胞加工受託を通じて、再生医療の実用化に貢献しています。これらの製品・サービスは、高度なバイオテクノロジーと品質管理体制に支えられており、研究機関や製薬企業、医療機関からの信頼を得ています。

6. 株価の評価

コージンバイオの株価は1,552.0円です。
会社予想EPS(1株当たり利益)は160.81円であり、これに基づくPER(株価収益率)は9.65倍です。また、実績BPS(1株当たり純資産)は1,116.28円であり、これに基づくPBR(株価純資産倍率)は1.39倍です。
現在の株価は、今後の成長が期待されるバイオテクノロジーセクター、特にグロース市場の銘柄としては、PERおよびPBRともに割安感がある水準と言えるでしょう。

7. テクニカル分析

現在の株価1,552.0円は、年初来高値2,020円、年初来安値1,400円のレンジ内で推移しています。直近の株価は、50日移動平均線1,660.50円、200日移動平均線1,672.97円をいずれも下回っており、短期および中長期的な下降トレンドまたは調整局面にあると見られます。直近10日間の株価推移を見ても、高値1,613円から安値1,540円(本日安値1,552円)と下落傾向にあり、現在は年初来安値に近い水準で推移しているため、相対的に安値圏にあると評価できます。

8. 財務諸表分析

コージンバイオの財務状況は以下の通りです。
売上高:
2022年3月期: 約39.5億円
2023年3月期: 約47.4億円
2024年3月期: 約47.7億円
過去12か月: 約52.1億円 (※2025年3月期予想と近似)
売上高は着実に増加傾向にあります。過去12か月売上高成長率は前年同期比で約9.14%と堅調な成長を示しています。
利益:
営業利益は、2023年3月期に約12.7億円とピークを迎えた後、2024年3月期には約6.0億円に減少しましたが、過去12か月では約9.9億円に回復しています。直近の2026年3月期第1四半期では、売上高1,219百万円に対し営業利益131百万円(営業利益率約10.8%)と、前年同期比で減益となっていますが、通期では回復を見込んでいます。粗利率は過去12か月で約45.5%、営業利益率は約19.0%と高い水準を維持しています。
キャッシュフロー:
データ上、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していないと記載があります。しかし、EBITDAは過去12ヵ月で約14.1億円と堅調であり、間接的に事業活動によるキャッシュ創出力は高いと推測されます。
主要指標:
* ROE(自己資本利益率): 17.41%(実績)と非常に高く、効率的な資本活用ができていることを示します。
* 自己資本比率: 63.8%(実績)は極めて健全であり、財務基盤が盤石であることを示しています。
* 流動比率: 1.83倍(直近四半期)と、短期的な支払い能力も問題ありません。
* D/E(負債資本倍率): 34.83%(直近四半期)と、負債が純資産に対して低い水準にあり、財務健全性が高いです。

全体として、売上は堅調に成長し、利益は一時的な変動があったものの回復基調にあります。特にROEや自己資本比率などの財務健全性を示す指標は非常に優れており、安定した経営基盤を持っています。

9. 株主還元と配当方針

コージンバイオは、2026年3月期に1株当たり25.00円の年間配当(会社予想)を予定しており、これは現在の株価に対して1.61%の配当利回りとなります。配当性向は15.23%と低水準であり、利益を内部留保し、事業投資に充てることでさらなる成長を目指す姿勢が伺えます。これまでの実績配当は24.00円であり、増配を予定していることから、株主還元への意欲も一定程度あると評価できます。自社株買いに関する情報は提供データには記載されていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

コージンバイオの株価は、過去52週間で-13.61%の下落を記録しており、市場平均(S&P 500の52週変化率+17.20%)を大きく下回っています。直近の株価推移も下降傾向にあり、株価モメンタムは弱い状況です。直近の出来高は7,100株程度と比較的少なく、売買代金も11,150千円と小さいため、現在のところ投資家の関心は限定的であると考えられます。信用買残が多い一方で信用売残がほとんどなく、信用倍率は0.00倍となっています。これは、今後の株価上昇を期待する買い方がいるものの、売り方の勢いは弱い状況を示唆しています。ただし、出来高が少ない中での需給バランスには注意が必要です。

11. 総評

コージンバイオは、成長著しい再生医療分野を主戦場とするバイオテクノロジー企業であり、組織培養事業が好調に推移しています。財務体質は極めて健全で、自己資本比率の高さやROEの良さから、堅実な経営が行われていることが伺えます。売上高も増加傾向にあり、一部事業での課題はあるものの、通期では増収増益を見込んでいます。
株価指標は、今後の成長期待を考慮すると割安感があり、堅実な配当も行われています。しかし、直近の株価は下降トレンドにあり、投資家の関心も現状では限定的で、出来高も多くありません。市場の注目を集めるには、細胞加工事業における競争激化への具体的な対策や、新たな成長戦略の提示が期待されます。

12. 企業スコア

  • 成長性:A

    LTM売上成長率(YoY)が9.14%と堅調に伸びており、2026年3月期の通期予想も増収を見込んでいます。特に組織培養事業が再生医療市場の拡大とともに好調です。
    * 収益性:A

    過去12か月の営業利益率は約19.04%と高い水準です。直近の第1四半期では一時的に利益率が低下していますが、通期では回復を見込んでおり、高収益体質であると評価できます。
    * 財務健全性:S

    自己資本比率63.8%、流動比率1.83倍、D/E比率34.83%と、いずれの指標も非常に優れており、財務基盤は極めて健全です。
    * 株価バリュエーション:A

    PER(会社予想)9.65倍、PBR(実績)1.39倍は、グロース市場かつ成長が見込まれるバイオセクターの銘柄としては、相対的に割安感がある水準と評価できます。


企業情報

銘柄コード 177A
企業名 コージンバイオ
URL https://kohjin-bio.jp/
市場区分 グロース市場
業種 素材・化学 – 化学

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By ジニー

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