日伝(9902)企業分析レポート
最終更新日: 2025-10-08
1. 企業情報
- 概要: 産業機器・部品の専門商社。動力伝導機器(減・変速機、ギア、チェーン等)、制御機器(ロボット、コントローラ、センサ等)、産業機器(集塵機、コンプレッサ、搬送機器等)を幅広く取り扱い。軸受や動力伝導分野で国内シェア上位級。アジアでの事業強化を推進。
- 事業構成(2025/3 連結): 動力伝導機器 41%、制御機器 35%、産業機器 24%
- 設立/本社: 1952年設立、大阪市中央区
- 従業員: 1,040名、平均年齢38.4歳、平均年収633万円
- 上場区分: 東証プライム、業種分類(33業種): 卸売業
事業の特徴:
– 主要メーカーとの強固な仕入ネットワークと幅広い品揃え
– 顧客の自動化・省人化・保全(MRO)領域でのソリューション提案
– 部材単体からユニット、システム提案までの対応力
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 動力伝導機器や軸受領域で国内「首位級」とされる取扱規模。全国拠点とアジア展開により調達・販売ネットワークを確立。
- 競争優位性:
- 幅広いラインアップとマルチベンダー対応
- 技術的な目利き・選定支援、キッティングなど付加価値
- 在庫機能と短納期対応
- 課題:
- 産業設備投資サイクルの影響を受けやすい需要
- 価格転嫁や粗利率の維持(仕入先・為替動向の影響)
- 人件費等の固定費上昇圧力
- 一部分野での海外メーカー台頭による競争
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画: 「New Dedication 2026」(2024年度開始、現行2年目)
- 重点施策(開示より):
- DX提案・展示会出展(例: FOOMA JAPAN)を通じたソリューション型営業
- アジア事業の強化、サステナブル調達ガイドライン策定
- 人権・環境・倫理方針の整備
- 新人事制度導入(短期的に人件費増要因)
- 2026年3月期会社予想:
- 売上高 1,400億円(前年比+3.9%)
- 営業利益 67億円(同△1.8%)
- 経常利益 72億円(横ばい)
- 純利益 49億円(+0.2%)
- 予想EPS 165.96円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 産業機器・部品の卸売に加え、選定・提案・キッティング等の付加価値で粗利を確保。顧客の保全・更新需要(MRO)は比較的底堅い。
- 多様性: 動力伝導・制御・産業機器の3本柱、顧客・業種の分散でサイクル影響を緩和。
- 適応力:
- 省力化・自動化・デジタル化需要への対応力
- アジア展開による供給力・コスト競争力の補強
- 仕入先多様化と在庫・物流機能によるレジリエンス
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向: 自社で大型製造設備を持つモデルではないが、産業ロボット、センサ、モータ、減速機等の最新技術を組み合わせたソリューション提案を推進。
- 主力領域:
- 動力伝導機器(ギア、チェーン、減・変速機、軸受、リニアガイド等)
- 制御機器(ロボット、コントローラ、センサ、HMI、FA機器)
- 産業機器(コンプレッサ、集塵、搬送・保管機器、環境機器 等)
- 収益牽引: 売上構成比の高い動力伝導機器・制御機器が全社収益を牽引
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 2,706円
- 予想EPS: 165.96円 → 予想PER 約16.31倍
- 実績BPS: 2,927.28円 → PBR 約0.92倍
- 時価総額/売上高(P/S): 約0.60倍(81,182百万円 / 134,771百万円)
- 配当利回り(会社予想): 2.59%、予想配当 70円、配当性向 約39.6%
- 業界平均との比較(参考):
- PER: 同社 16.3倍、業界平均 12.1倍(相対的に高め)
- PBR: 同社 0.92倍、業界平均 1.0倍(相対的にやや低め)
- 参考指標: 予想利益利回り 約6.1%(=1/PER)
7. テクニカル分析(短期)
- 価格位置: 現在値 2,706円は50日移動平均 2,824円、200日移動平均 2,857円を下回る水準。
- レンジ: 年初来高値 3,280円、年初来安値 2,376円。52週高値 3,485円・安値 2,376円。
- 直近の値動き: 9月末の配当落ち後に調整、10/1以降は2,600円台後半〜2,700円前半での推移。
- 信用動向: 信用倍率 0.85倍。信用売残が前週比で大幅減少(売り方の買い戻し進捗の可能性)。出来高は3カ月平均約26千株。
8. 財務諸表分析
- 売上高の推移:
- 2022/3: 123,964百万円
- 2023/3: 131,609百万円
- 2024/3: 126,912百万円
- 過去12か月(2025/3期相当): 134,771百万円(前年比+6.2%)
- 3年CAGR(2022→LTM): 約+2.8%
- 収益性(LTM、損益計算書ベース試算):
- 粗利率 約15.3%(=20,680/134,771)
- 営業利益率 約5.1%(=6,825/134,771)
- EBITDAマージン 約6.4%(=8,682/134,771)
- 当期純利益率 約3.6%(=4,892/134,771)
- 参考: 利益率は国内産業卸売として一般的な水準帯
- 効率性・資本収益:
- ROE(実績・連結): 5.61%
- ROA(LTM): 3.42%
- EBIT/金利費用: 約49倍(7,372/150)と利払余力は高い
- 安全性・流動性:
- 自己資本比率: 71.1%(直近期 72.2%)
- 流動比率: 約314%
- 現金同等物: 20,760百万円
- 有利子負債の詳細は未開示(本データ内)
- 直近四半期(2026年3月期1Q、前年比):
- 売上 +2.0%、営業利益 △11.6%、純利益 △12.5%
- 人件費増が短期的に利益を圧迫
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/3期): 年間75円(うち記念配当10円)
- 配当予想(2026/3期): 年間70円(中間35円・期末35円)
- 予想配当性向: 約39.6%
- 自己株式: 476,100株(発行株式数の約1.6%)
- その他株主施策: 自社株買いの方針・実施は本データでは未記載
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 直近は移動平均線を下回る推移。9月末の配当落ち後に調整し、2,700円近辺での保ち合い気味。
- ボラティリティ: 5年ベータ 0.41と市場連動性は低め。
- 需給・保有構造:
- インサイダー保有比率 約51%と高く、浮動株は相対的に小さい(フロート約1,303万株)
- 機関保有 約14%
- イベント:
- 次回権利落ち予定: 2026-03-30(予想)
- 決算発表は会社計画通りの見込み公表(現時点修正なし)
11. 総評
- 売上はLTMで増加。中期的には自動化・省人化ニーズやMRO需要の底堅さを背景に安定性を確保。
- 収益性は業界レンジ内。新人事制度導入等によるコスト増で短期利益は圧迫される一方、財務安全性は高水準(自己資本比率7割超、流動比率3倍超、利払余力潤沢)。
- バリュエーションはPERが業界平均比で高め、PBRはやや低め。現在株価は50日・200日移動平均を下回る推移で、足元のモメンタムは中立〜弱め。
- 中期計画ではDX提案やサステナブル調達、アジア強化などの施策を継続。需要環境やコスト動向、粗利率の管理が注視ポイント。
12. 企業スコア
- 成長性: B
- 根拠: LTM売上YoY約+6.2%、3年CAGR約+2.8%と増加だが、足元の四半期成長は+2%。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約15%、営業利益率約5%・純利益率約3.6%で、同業レンジ内と評価。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率約71%、流動比率約314%、利払余力高水準。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PERは業界平均比で高め、PBRは平均並み〜やや低め。総合して平均的な水準。
参考データ(抜粋)
- 株価関連: 株価 2,706円、時価総額 811億円、発行株式数 30,000,800株
- 指標: 予想PER 16.31倍、PBR 0.92倍、ROE 5.61%、自己資本比率 71.1%
- 配当: 予想70円(利回り2.59%、配当性向約39.6%)
- 損益(LTM): 売上 134,771百万円、営業利益 6,825百万円、純利益 4,892百万円
(注)一部の比率は提供された損益計算書データからの試算値です。資料間で計算基準の差異により表記が異なる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 9902 |
企業名 | 日伝 |
URL | http://www.nichiden.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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