日東工業(6651)企業分析レポート
株価:3,635円(2025-10-07終値)
市場:東証プライム/電気機器
時価総額:1,470.7億円
1. 企業情報
- 概要
- 電設資材の配電盤・キャビネットの大手。制御盤も手掛け、製販一貫体制を強みとする。情報通信(通信基地局、ネットワーク設備等)向けを重点領域に位置づけ。
- 事業内容(2025.3期・連結)
- 電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス:約62%(営業利益率目安 約9%)
- 電気・情報インフラ関連 流通:約30%(同 約4%)
- 電子部品関連 製造:約8%(同 約7%)
- 基本情報
- 住所:愛知県長久手市蟹原2201
- 代表者:黒野 透
- 設立:1948年11月
- 従業員:5,396人、平均年齢40.1歳、平均年収644万円
主力製品はキャビネット、配電盤、制御盤、ブレーカ等。2025年にテンパール工業等を連結に取り込み、製品群と供給力を補強。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 電設資材キャビネットでトップクラス、配電盤でも大手。製販一体で標準品から特注まで幅広い品揃え。
- 競争優位
- 国内製造基盤と全国販売網、短納期対応・カスタム対応力、品質信頼性。M&Aによる品ぞろえ拡充。
- 課題
- 鋼材・銅など原材料価格の変動、人手不足・施工現場の稼働制約、価格転嫁のタイムラグ。汎用品では競争激化。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針(2026中期経営計画)
- 事業拡大への挑戦、積極的な成長投資(M&A含む)、盤石な事業・経営基盤の構築。
- 情報通信インフラ、電力・社会インフラの更新需要を捉え、製造・工事・サービスの一体提案を強化。
- 具体トピック
- テンパール工業の連結化(ベトナム子会社含む)により、ブレーカ等の電子部品領域を補強。負ののれん発生益を計上(一次的)。
- 減価償却方法を定率法から定額法へ変更(会計方針の変更)。費用配分の平準化で利益の見通しを改善しやすくする狙い。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 建築・産業設備・通信基地局・配電設備向けの新設・更新需要。更新・保守や特注対応でリピートも見込みやすい。
- 需要動向への適応力
- 通信(5G/FTTx等)、データセンター、再エネ、分散電源、工場自動化など構造的テーマに沿う商材を保有。
- 流通と製造の両輪により、市況の変動に対するポートフォリオ分散が効く半面、汎用品の価格競争には注意が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 配電盤・筐体の設計・製造ノウハウ、環境・安全規格対応、標準品の在庫力と特注設計の組み合わせ。
- 収益牽引領域
- 電気・情報インフラ関連の製造・工事・サービスが主力(Q3時点売上+19.7%、セグメント利益+4.3%)。
- 電子部品(ブレーカ等)は市況影響を受けやすいが、製品補完でグループ総合力を高める。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在の指標
- PER(会社予想):14.67倍、PBR:1.24倍、配当利回り(予想):3.41%、ROE(実績):10.82%
- EV/売上:約0.78倍(EV≈1,437億円=時価総額1,471−現金309+有利子負債275、売上1,847億円換算)
- EV/EBITDA:約6.4倍(EBITDA 226億円ベース)
- 参考比較(業界平均)
- 業界平均PER:24.2倍、PBR:1.6倍
- 同社はPER・PBRともに業界平均より低い水準。
- EPS基準の視点
- TTM EPS:318.91円(一次的な特別利益影響を含む可能性)
- 会社予想EPS:247.79円(これに基づくPERが14.7倍)
- 参考試算(相対比較の目安、目標ではない)
- 予想EPS×業界平均PER:247.79×24.2 ≈ 5,990円
- BPS×業界平均PBR:2,935.51×1.6 ≈ 4,696円
- 現株価3,635円は上記相対指標より低位に位置。
注:特別利益(負ののれん等)の影響を除くと、実力ベース利益はやや低めとなる点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 現在値は50日線(3,501円)・200日線(3,146円)を上回り、上昇トレンド継続。
- 年初来高値3,725円に接近した高値圏。直近は3,600〜3,660円でのもみ合い。
- モメンタム
- 52週騰落:+19.9%。5年β:-0.04(低ボラティリティ)。
- 出来高は3カ月平均7.7万株と同程度で過熱感は限定的。
- 水準感
- 抵抗:3,700〜3,725円、サポート:3,530〜3,600円(直近安値・移動平均帯)。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長
- 売上高推移:1,327億円(2022)→1,467億円(2023)→1,607億円(2024)→1,847億円(過去12か月)
- 3年CAGR:約11〜12%。LTM YoY:約+15%。
- 収益性(LTMベース)
- 粗利率:26.8%(4,942/1,846)
- 営業利益率:7.3%(134/1,846)
- EBITDAマージン:12.3%(226/1,846)
- 当期純利益率:6.6%(121/1,846)※特別利益含む。正規化純利益率:約5.6%。
- 効率・資本性
- ROE:10.8%、ROA:4.8%
- 自己資本比率:62.6%、流動比率:2.81倍、D/E:約0.24倍。実質ネットキャッシュ(現金309億>有利子負債275億)。
- セグメント(2025年3月期Q3累計)
- 製造・工事・サービス:売上840億(+19.7%)、利益72億(+4.3%)
- 流通:売上386億(+8.1%)、利益13億(-4.6%)
- 電子部品:売上107億(-2.5%)、利益7億(-4.4%)
- 留意点
- 2025期は負ののれん益計上により純利益が押し上げられている(一次的)。
- 減価償却方法変更により費用配分が平準化。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期 実績(短信予想ベース):年間132円(中間64円、期末68円)、予想配当性向:約50%
- 会社予想配当:124円(利回り約3.4%)
- 5年平均利回り:4.27%(現在は下回る水準)
- 自社株
- 自己株保有:約5.99%(過去に取得実績があることを示唆)。新規の自己株買い計画は開示情報ベースでは不明。
- 方針
- 安定配当を基本に、業績と投資バランスを勘案した還元。一次的利益は原則除外の前提が妥当。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 信用動向
- 信用買残:3.9万株(前週比-9,200株)、信用倍率:4.7倍。買い残減少で短期過熱は後退。
- 需給
- 流通株式が限定的(インサイダー保有33%・機関17.7%)で、ファンダ主導の値動きになりやすい構造。
- ニュース・ドライバー
- 通信インフラ投資、データセンター・電力設備更新、原材料市況、M&A後のシナジー進捗が注目点。
11. 総評
- 業績はインフラ投資の追い風と製販一貫体制を背景に堅調。売上は3年で大きく伸長、利益率も改善傾向。
- 財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で健全性が高い。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低位。もっとも、2025期は特別利益の寄与があり、実力利益ベースでの評価が適切。
- 短期的な株価は高値圏での持ち合い。中期では通信・社会インフラ更新のテーマ性とM&A後の統合効果が業績ドライバー。
- リスクは原材料価格、人手不足、価格転嫁のタイムラグ、海外景気や為替の変動。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上+15%、3年CAGR約11〜12%。継続的な増収トレンド。
- 収益性:A
- 粗利率約27%、営業利益率約7%台、EBITDAマージン約12%。ROE二桁。特別要因を除いても業界標準以上と評価。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率63%、流動比率2.8倍、実質ネットキャッシュ、D/E低位。
- 株価バリュエーション:A
- PER・PBRとも業界平均比で低位、EV/EBITDAも中低位圏。特別利益の影響を勘案しつつも相対的に抑制的な水準。
参考データ出所:ご提供の会社公表数値、決算短信抜粋、株価・指標データ(2025-10-07時点)。数値は端数処理の関係で合計と内訳が一致しない場合があります。特別損益等の一過性項目は分析・スコアリングから可能な範囲で除外しています。
企業情報
銘柄コード | 6651 |
企業名 | 日東工業 |
URL | http://www.nito.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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