8309 三井住友トラストグループ 分析レポート(個人投資家向け)

注記:本資料は公開データに基づく企業分析です。投資判断を目的とした助言ではありません。不明点は適宜会社開示をご参照ください。

1. 企業情報

  • 概要
    • 三井住友トラストグループ株式会社(旧:三井住友トラスト・ホールディングス、2024年10月に現社名へ変更)。東京本社、1924年創業。東証プライム上場。
    • 傘下の三井住友信託銀行を中核に、銀行・信託・資産運用・資産管理・不動産・マーケット事業を展開。信託財産残高で国内首位。
    • 主要サービス:預貸・与信、信託報酬型ビジネス(投信・年金・資産管理、株式名義書換等のエージェンシー)、不動産仲介・アレンジ、投資助言・運用、カストディ、クレジットカード、リース、保険代理業 など。
  • 補足(直近四半期短信・参考構成)
    • セグメント:個人、法人、投資家、不動産、マーケット、運用ビジネス。
    • 貸借対照表(6/30/2025):現金預け金 27.5兆円、有価証券 12.0兆円、貸出金 31.6兆円、総資産 79.7兆円、預金 39.9兆円。
    • 参考構成(提供情報):【資金】預金36%、金銭信託39% 等/【資産】現・預け金8%、有価証券4%、貸出金10% 等(丸め誤差により合計が100%を超えることあり)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 信託機能をフルラインで備えた大手専業グループ。信託財産残高で国内首位。
    • 主な競合:三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、りそなグループの信託子会社等。資産運用・管理では国内外大手運用会社、カストディ各社、不動産仲介では大手仲介/デベロッパーとも競合。
  • 競争優位性
    • ①信託・カストディ・年金・株式エージェンシーなど手数料ビジネスの厚み
    • ②富裕層/法人・投資家向けの総合提案力(運用・信託・不動産のクロスセル)
    • ③不動産アレンジ/仲介の実績
  • 課題
    • 金利・市場環境による有価証券評価や運用損益のブレ、信用コストの変動
    • 規制資本・自己資本比率の制約(銀行業特有)
    • 業界全体としてのPBR水準の抑制(資本効率要求の高まり)

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性(推定整理)
    • フィー収益(信託・運用・不動産・エージェンシー)の拡大と、バランスシートを使う預貸・マーケット業務の安定運営を両立。
    • 顧客基盤の深化:富裕層/事業承継・資産承継、年金・機関投資家、法人ソリューションの強化。
    • サステナブル/ESG、受託者責任・スチュワードシップの徹底。
  • 中期的な重点施策(短信・セグメント情報等からの要点)
    • 運用ビジネス強化(資産運用残高の拡大、オルタナ/マルチアセット等)
    • 不動産仲介/アレンジの高付加価値化(J-REIT/流動化/ソリューション)
    • 個人向けでは相続・遺言信託、資産承継、住宅ローン/投信販売の連携
    • 法人・投資家向けのカストディ/アドミン機能の高度化、デジタル化
    • マーケット関連のリスク管理・ボラティリティ低減
  • ガイダンス
    • 2026年3月期 通期予想:親会社株主純利益 2,800億円、EPS 396.78円(修正なし)
    • 2026年3月期1Qの純利益進捗:約908億円(進捗率約32%)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 金利収益(預貸・証券運用)+手数料収益(信託、運用、エージェンシー、不動産)が二本柱。手数料比率の引き上げは景気・金利サイクル耐性の向上につながる。
  • 市場変化への適応
    • 高齢化に伴う資産承継・遺言信託需要、機関投資家の運用/管理アウトソース、不動産流動化などの構造的ニーズは継続。
    • 一方、金利・株式・クレジット市場の変動による評価損益・信用コストの揺らぎには留意が必要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運用面
    • カストディ/アドミン業務のデジタル化・効率化、データガバナンス、ESG評価やスチュワードシップの高度化。
  • 主力領域
    • 年金・投信の運用/管理、株式名義書換・株主管理、J-REIT/不動産アレンジ、富裕層向け信託(遺言・教育資金等)、住宅ローン、不動産仲介。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価:4,201円
  • 予想EPS:394.86円、実績BPS:4,441.51円
  • 指標比較
    • PER:10.63倍(業界平均 10.7倍)→ ほぼ平均並み
    • 業界平均PERを当てはめる仮計算:394.86円 × 10.7倍 ≒ 4,225円(参考)
    • PBR:0.95倍(業界平均 0.4倍)→ 業界平均より高いが、信託・手数料比率の高さを反映しやすい
    • 業界平均PBRを当てはめる仮計算:4,441.51円 × 0.4倍 ≒ 1,776円(参考)
  • 配当
    • 会社予想 年間160円、配当利回り 約3.8%、配当性向 約36.7%(レンジ内の適度な水準)
  • 所見(定量整理)
    • PERは平均並み、PBRは同業平均を上回る(手数料ビジネスの質やROEを反映)。PBRベースでは現株価はBPS×0.95と簿価近辺。

7. テクニカル分析

  • 位置づけ
    • 50日移動平均:4,189円、200日移動平均:3,845円
    • 現在値は50日線ほぼ上、200日線を大きく上回る上昇トレンド維持。
    • 52週高値:4,386円(現値は高値から約−4%)、52週安値:2,828円(現値は安値比+48%)。
  • 節目
    • 直近サポート:4,180円前後(当日安値・50日線近辺)
    • 直近レジスタンス:4,300円台、年初来高値4,386円
  • 需給
    • 信用倍率:30.05倍(買い残優位・短期の振れに注意)
    • ベータ(5年):0.27(相場全体に対して低ボラティリティ)

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結)
    • 売上(LTM):1.52兆円(YoY +約25%)
    • 純利益(LTM):2,817億円、純利益率 約18.4%
    • 2026年3月期1Q:経常収益 6,526億円(−2.5%)、経常利益 832億円(−9.1%)、親会社株主純利益 908億円(+36.2%)
    • 特別利益(関係会社株式売却益等)41億円あり(一次性要素の影響に留意)
  • 効率性・収益性
    • ROE(LTM):約9.0%、ROA:約0.36%(銀行として標準的)
    • 営業(経常)利益率(LTM):約24%
  • バランスシートとリスク
    • 総資産 79.7兆円、預金 39.9兆円、貸出金 31.6兆円、有価証券 12.0兆円
    • 自己資本比率(短信方式):約3.9〜4.0%(銀行はリスクアセット基準の規制資本を見るのが通例。CET1等は未開示)
    • 不良債権比率(短信参考・単体):約0.2%(低位)
  • キャッシュフロー
    • 四半期CF計算書は未作成。減価償却費(1Q):約112億円
  • 株式数
    • 期末発行済株式(自己株含む):713.3百万株(前期末721.4百万株)。自己株式数は減少(詳細はIR確認)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 前期(2025/3):年155円(うち記念配10円含む)
    • 今期(会社予想):年160円(中間80/期末80)、利回り約3.8%、配当性向約36.7%
  • 自己株式
    • 期末自己株式数が減少。自己株式の取得/消却等の有無・規模はIR開示の確認が必要。
  • 方針の印象
    • 配当は安定的な増配基調を意識したレンジ(短期的な特別配の記載なし)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の値動き(終値)
    • 9/26:4,377円 → 10/9:4,201円(約−4.0%)で高値圏からの押し目形成
    • 50日線上を維持しつつ、4,300円台にレジスタンス
  • 出来高
    • 3カ月平均 2.24百万株、直近10日平均 2.72百万株。イベント(決算・配当)前後で流動性は良好。
  • 関心材料
    • 11/11の決算、金利動向(国内外)、有価証券評価、信用コスト、不動産市況、規制・資本政策、配当・自己株対応。

11. 総評

  • 三井住友トラストグループは、信託機能を核に手数料ビジネスの厚みと不動産/運用の総合力を持つ専業グループ。構造的な資産承継・運用需要を取り込みやすい事業構造。
  • 収益はLTMで増収・増益基調。1Qは特別利益寄与もあり純利益は順調な進捗。一方で市場金利や有価証券評価、信用コストの変動には引き続き注意が必要。
  • バリュエーションはPERで業界平均並み、PBRは平均を上回る(手数料ビジネスやROE水準を織り込む形)。PBR約0.95倍と簿価近辺で、年初来高値圏のレンジ内。
  • 配当は利回り約3.8%、性向約37%とバランス。自己株の動きはIR確認が望ましい。
  • テクニカルは上昇トレンド維持だが、直近は4,300円台に上値抵抗。信用買い残の積み上がり(倍率30倍超)は短期ボラティリティ要因になり得る。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • LTM売上成長率 約+25%、3年CAGRも一桁後半〜一割弱。短期の特別損益は除外して評価。
  • 収益性:A
    • ROE約9%、経常利益率20%台。国内銀行平均水準以上の収益性を確認(手数料ビジネスの厚みを反映)。
  • 財務健全性:C
    • 自己資本比率(短信方式)約4%と低位(銀行は規制資本で評価するのが通例だが、当該指標未開示のため保守的に評価)。
  • 株価バリュエーション:B
    • PERは業界平均並み、PBRは平均超え。総合して中立。

【イベント】
– 決算発表予定:2025年11月11日
– 権利落ち(予定):2026年3月30日

データ出所:ご提供の株価・財務・短信情報等(2025/10/09時点)


企業情報

銘柄コード 8309
企業名 三井住友トラストグループ
URL https://www.smth.jp/
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。