1. 企業情報(2002 日清製粉グループ本社)
- 概要:国内製粉で圧倒的トップの総合食品グループ。主力は製粉(業務用・家庭用小麦粉)で、パスタ・プレミックス等の食品、惣菜・中食、エンジニアリング(プラント、メッシュクロス等)も展開。海外製粉(米国Miller Milling等)を含むグローバル展開を強化。
- セグメント構成(売上構成比の目安):製粉52%(営業利益率の目安約6%)、食品24%(同約3%)、中食・惣菜18%(同約4%)、その他5%(同約12%)。海外売上比率:約31%(2025.3期)。
- トピック:
- 国内:水島スマート工場が2025年5月稼働。岡山工場は7月閉鎖、坂出工場は9月閉鎖予定(合理化と自動化推進)。
- 海外:Miller Millingの能力増強(サギノー新ライン、ウィンチェスター増強)を推進。
- ブランド:日清製粉ウェルナで「マ・マー」再編・プロモーション強化(広告契約など)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内製粉で首位。食品(パスタ・プレミックス等)でも大手。競合はNIPPN(旧日本製粉)、昭和産業など。
- 競争優位性:
- 国内最大の製粉能力・供給網、需要安定の主食系カテゴリー。
- パスタやプレミックスなど高付加価値領域と、酵母・バイオ、エンジニアリング等の周辺事業で収益源を多様化。
- 海外製粉の地理分散(米国中心)。
- 課題:
- 小麦相場・為替・物流費・人件費などコスト変動への感応度。
- 海外製粉の相場/為替逆風局面での利益変動。
- 工場再編の立上げ費用やPMI(統合作業)に伴う一時的コスト。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(最終年度:2027年3月期目標)
- 売上高:9,500億円、営業利益:570億円、EPS:140円、ROE:8.0%。
- 重点施策:
- 国内製粉のスマート化・自動化(水島稼働、老朽工場の集約)によるコスト構造改善。
- パスタ・プレミックス等のブランド強化・価格改定・付加価値提案。
- 米国を中心とする製粉能力増強・物流最適化。
- 非中核事業の整理(ファインケミカル終了、健康食品事業の移管)と政策保有株式の縮減。
- 会社見通し(26/3期):売上8,700億円(+2.2%)、営業利益500億円(+7.8%)、純利益390億円(+12.4%)、EPS 134.61円(予想)。第2四半期以降の価格改定・コスト対策で達成を目指す。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:基礎食材(小麦粉)を核に、加工食品・業務用・中食、エンジニアリングまで川上~川中~川下をカバー。需要は比較的安定。
- リスクと適応力:
- リスク:原材料(小麦)相場・為替・輸送費・人件費の上昇。
- 適応:価格改定、配合最適化、稼働効率の改善、スマート工場での固定費低減、海外分散と設備増強での規模効果追求。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 水島スマート工場の先進自動化・省人化。
- エンジニアリング(製粉プラント)・メッシュクロスなど、製粉周辺の技術資産。
- 酵母・バイオ領域の知見。
- 主力製品・サービス:
- 製粉(家庭用・業務用小麦粉)、パスタ(「マ・マー」等)、プレミックス、業務用ソリューション。
- プラントエンジニアリングの大型案件が増加傾向(直近1Q)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,809.5円
- 予想EPS:134.61円 → 予想PER:約13.44倍(業界平均19.5倍を下回る)
- 実績BPS:1,686.28円 → PBR:約1.07倍(業界平均1.3倍を下回る)
- 時価総額:約5,259億円、LTM売上:約8,515億円 → PSR:約0.62倍
- 配当利回り(会社予想):約3.32%(5年平均2.39%を上回る)
- コメント:PER・PBRとも業界平均より低位にあり、同業比では相対的に落ち着いた水準。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:1,642~1,903円。現値は高値から約-4.9%、安値から約+10.2%。
- トレンド指標:50日移動平均1,802円、200日1,767円。現値は両移動平均を上回る。
- 直近の値動き:9月末の配当権利落ち後は1,800円近辺でもみ合い。出来高は直近10日平均約63万株、直近はやや増加。
- ボラティリティ:β -0.07(低位)。
- 信用需給:信用倍率5.78倍、買残増・売残減で買い長。
8. 財務諸表分析(単位・概算)
- 売上高(LTM):約8,515億円(2024/3期 8,582億円、2023/3期 7,987億円、2022/3期 6,797億円)
- 3年CAGR:約+7〜8%。直近LTMは前年比微減。
- 粗利:1,902億円、粗利率:約22.3%
- 営業利益:464億円、営業利益率:約5.4%
- EBITDA:820億円、EBITDAマージン:約9.6%
- 当期純利益:347億円
- ROE:7.04%、ROA:3.43%
- 安全性:
- 自己資本比率:61.4%(直近1Q 61.8%)
- 流動比率:2.31倍
- D/E:総有利子負債809億円、現金等871億円でネットキャッシュ(約+62億円)
- コメント:
- 2023/3期は一過性損失で純損失計上も、翌期以降は回復。
- コスト上昇圧力下でも粗利率は改善傾向、工場再編の先行費用は短期的な利益圧迫要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:前期55円(中間25/期末30)、今期予想60円(中間30/期末30)。
- 予想配当性向:約44.6%(非経常要因除き約48.7%)。
- 方針:中期計画期間中に配当性向目安50%(非経常除く)。政策保有株式の縮減を継続。
- 自社株買い:直近の明示的な計画は不明(自己株式保有は約94万株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値に近いレンジでの推移。移動平均線上での推移は堅調を示唆。
- 関心材料:
- 工場再編・スマート化の進捗とコスト低減効果の顕在化時期。
- 海外製粉の相場/為替の方向性、米国設備増強の稼働寄与。
- 価格改定と需要・シェア動向、ブランド施策。
- 政策保有株売却等の財務戦略。
11. 総評
- 国内製粉首位の基盤に、パスタ・プレミックス等の高付加価値領域とエンジニアリングを組み合わせ、安定性と成長性のバランスを取るモデル。工場のスマート化・集約や海外能力増強によるコスト・規模効果が今後の利益率改善の鍵。
- 直近はコスト上昇や立上げ費用で営業減益ながら、価格改定や合理化の効果が通期・中期での改善要因。財務体質は強固で、配当性向の明確な方針がある。
- バリュエーションは同業平均比で落ち着いた水準。需給面はやや買い長で短期的な変動には留意。
(注)本資料は公開情報に基づく企業分析であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:3年CAGRは+7〜8%と堅調。一方、直近LTM売上は前期比わずかに減少、1Qは+0.7%増収。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約5%台、EBITDAマージン約10%弱。食品業界内では概ね平均的。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約61%、流動比率2.3倍、ネットキャッシュ。D/Eも低位。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER(約13.4倍)・PBR(約1.07倍)は業界平均(19.5倍、1.3倍)を下回る水準。
企業情報
銘柄コード | 2002 |
企業名 | 日清製粉グループ本社 |
URL | http://www.nisshin.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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