JVCケンウッド(6632)企業分析レポート

作成日:2025-10-09
注:本資料は公開情報の整理であり、投資判断を目的とする助言ではありません。

1. 企業情報

  • 概要:ビクター(JVC)とケンウッドが統合した総合エレクトロニクス企業。主に以下の3分野で事業を展開。
    • モビリティ&テレマティクス:カーAV、カーナビ、カーオーディオ、ドライブレコーダー(ドラレコ)、車載機器、テレマティクスソリューション
    • セーフティ&セキュリティ:業務用無線、映像監視、業務用オーディオ、医用画像表示モニター
    • エンタテインメント ソリューションズ:プロ用/民生用ビデオカメラ、プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、コンテンツ(CD/DVD・配信)等
  • ブランド:JVC、Victor、KENWOOD
  • 海外売上比率:68%(2025年3月期)
  • 特色:AV機器の絞り込みとともに、ドラレコ・車載機器、無線システムなど業務・車載領域を強化

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • ドラレコやカーオーディオで国内外の上位ブランドの一つ。アフターマーケットとOEMの両面に展開。
    • 業務用無線(KENWOOD)はLMR(陸上移動無線)でグローバルに知名度があり、公共・産業用途で根強い需要。
  • 競争優位性:
    • 音響・映像の長年の技術資産、ブランド力、車載・業務領域の顧客基盤。
    • 車載×テレマティクス、業務無線×監視など、ハードとソリューションの組合せ。
  • 課題:
    • 米国関税措置、為替、部品供給など外部要因の影響。
    • 消費者向けAVはコモディティ化が進み価格競争が厳しい。
    • 自動車のコネクテッド化/統合HMIの進展でアフターマーケットの構造変化。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性(短信等の記載より):
    • 収益性重視のポートフォリオ運営。モビリティ&テレマティクス、セーフティ&セキュリティに経営資源を重点配分。
    • 部品供給の正常化を梃子に無線システムの生産・販売の回復を見込む。
    • 米国関税措置の影響を注視しつつ、価格転嫁と製品ミックスで収益確保。
  • 2026年3月期(会社計画):
    • 売上収益 3,580億円(前期比-3.3%)、営業利益 190億円(同-12.8%)、当期純利益 140億円(同-31.0%)
    • 為替前提:USD/JPY=150、EUR/JPY=157
    • 配当予想:年18円(増配継続)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 車載/業務領域はプロダクト売上が中心だが、テレマティクスやソリューションを通じた継続課金(保守・サービス)拡大の余地。
    • 業務用は更新・保守サイクルが比較的安定。民生AVは景気・価格競争の影響を受けやすい。
  • 適応力:
    • 供給制約や関税などの外部ショックに対し、製品ミックス・価格転嫁で部分的に吸収。
    • セグメント分散(車載・業務・エンタメ)により需要変動の平準化がある程度期待可能。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発:
    • ドラレコの高解像度化・ADAS連携、クラウド連携(テレマティクス)。
    • 業務用デジタル無線(NXDN、DMR、P25等)や映像監視の統合ソリューション化。
    • 医用画像表示モニターの高精細・高信頼性。
  • 収益牽引:
    • モビリティ(ドラレコ、車載オーディオ/スピーカー等)は主力。Q1は価格戦略で利益改善。
    • セーフティ&セキュリティ(業務無線)は部材供給正常化で回復見込み。
    • エンタメはコンテンツが堅調、一方メディアは関税影響で減収。

6. 株価の評価(バリュエーションの相対比較)

  • 足元指標(会社予想ベース)
    • 株価:1,182.5円
    • EPS(会社予想):94.98円 → PER:12.45倍
    • BPS(実績):847.95円 → PBR:1.39倍
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER 24.2倍、PBR 1.6倍
    • PER比較:同社 12.45倍は業界平均比でディスカウント水準
    • PBR比較:同社 1.39倍は業界平均を下回る
  • 参考レンジ(単純比較)
    • EPS×業界平均PER:94.98×24.2 ≒ 2,298円
    • BPS×業界平均PBR:847.95×1.6 ≒ 1,357円
    • EV/EBITDA(概算):EV(時価総額1,939億+純有利子負債約41億)/ EBITDA(422億)≒ 4.7倍
  • 注:指標比較は事業構成・成長率・収益質の差を織り込まない単純比較です。

7. テクニカル分析(短中期)

  • トレンド位置:
    • 現在値は50日線(約1,208円)と200日線(約1,286円)を下回る位置。
    • 200日線>50日線の配列で中長期は下押しバイアス。
  • レンジ評価:
    • 52週高値:1,832円、安値:901円。現在はレンジ下位(下から約30%位置)。
  • 直近10日:
    • 10/2の1,118.5円から切り返し基調だが、戻りは50日線付近で上値試しの局面。
  • 需給:
    • 信用倍率 10.32倍で買い長。需給はやや買い残過多。

8. 財務諸表分析(トレンドと水準)

  • 売上・利益(百万円)
    • 売上収益:282,088(2022)→ 336,910(2023)→ 359,459(2024)→ 370,308(2025)
    • 営業利益:9,392 → 22,208 → 18,314 → 21,689
    • 当期純利益:5,873 → 16,229 → 13,016 → 20,276
    • EBITDA:26,686 → 39,997 → 37,912 → 42,224
  • 成長性:
    • LTM売上YoY:約+3.0%(2025/3期:370,308 vs 2024/3期:359,459)
    • 3年CAGR:約+9〜10%
  • 収益性(2025/3期ベース)
    • 粗利率:約32.1%(118,940/370,308)
    • 営業利益率:約5.9%(21,689/370,308)
    • 当期純利益率:約5.5%(20,276/370,308)
    • ROE(実績):16.9%、ROA(LTM):4.45%
  • キャッシュフロー・健全性
    • 営業CF(LTM):301億円
    • 現金等:493億円、有利子負債:534億円 → ネット有利子負債:約41億円
    • 流動比率:約1.53倍、自己資本比率:約40%台
    • ネットD/EBITDA ≒ 0.1倍と低位
  • 直近期(2026/3期Q1)
    • 売上収益:801.97億円(YoY -8.6%)
    • 親会社帰属利益:34.46億円(YoY -37.4%)
    • 無線システムの部材不足は期後半に概ね解消へ

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想:
    • 2025/3期:年間15円(中間5円、期末10円)
    • 2026/3期(会社予想):年間18円(中間6円、期末12円)
  • 配当利回り(予想):約1.52%(株価1,182.5円)
  • 配当性向(予想):約11%と低位(内部留保・投資余力)
  • 自社株買い:2026/3期Q1に自己株式取得の記載(約20億円規模)。自己株式比率は増加基調。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:
    • 52週では下落基調(-8.95%)。直近は自律反発局面だが、移動平均線下で戻り待ちの展開。
  • 出来高・投資家層:
    • 3カ月平均出来高 約91.8万株、機関保有比率 約38%。
  • 価格ドライバー:
    • 無線システムの生産正常化の進捗、米国関税動向、為替(USD/EUR)、年末商戦のドラレコ・AV需要、10/31決算。

11. 総評

  • 事業面:車載・業務の両輪で収益基盤を構築。短期的には部材・関税の逆風がある一方、無線システムの供給正常化や価格ミックス改善が下支え。
  • 財務面:自己資本比率約40%、ネット有利子負債は軽く、キャッシュ創出力も安定。ROEは高水準。
  • バリュエーション:PER・PBRともに業界平均比で割安圏。事業構成や短期の減益見通しを市場が織り込んでいる可能性。
  • 株価テクニカル:52週レンジ下位での推移。信用買い残が厚く、戻り局面では需給要因の影響に留意。
  • 注目点:10/31の決算で供給正常化の定量進捗と通期見通しの据え置き/修正、米国関税の影響度合い、為替感応度の説明に注目。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上YoY約+3%、3年CAGR約+9〜10%。短期(Q1)は減収だが通期ベースでは増加傾向。
  • 収益性:B
    • 根拠:粗利率約32%、営業利益率約5.9%、EBITDAマージン約11%と同業平均並みのレンジ。ROEは高水準だが分野ミックスの影響を考慮し中立評価。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率約40%、流動比率1.5倍、ネットD/EBITDA約0.1倍と健全。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER12.45倍、PBR1.39倍は業界平均(PER24.2倍、PBR1.6倍)に対しディスカウント。EV/EBITDA約4.7倍も控えめ。

参考データ
– 現在株価:1,182.5円
– 時価総額:1,939億円
– 予想EPS:94.98円(会社予想。短信では95.69円記載)
– 予想配当:18円(利回り約1.52%)
– 50日/200日移動平均:1,207.76円 / 1,286.03円
– 52週高安:1,832円 / 901円
– 主要イベント:2025/10/31 決算、2026/3/30 権利落ち(予定)

注記
– 本資料は提供データに基づく事実整理・計算であり、将来の結果を保証するものではありません。リスク要因(サプライチェーン、関税、為替など)により実績は変動します。


企業情報

銘柄コード 6632
企業名 JVCケンウッド
URL https://www.jvckenwood.com/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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