1719 安藤・間(Hazama Ando Corporation)企業分析レポート
株価:1,670円(2025-10-08終値)/市場:東証プライム/業種:建設業
時価総額:約3,023億円/配当利回り(会社予想):4.79%
1. 企業情報
- 概要:国内外で土木・建築・関連事業を行う準大手ゼネコン。ダム・トンネルなど大型土木の実績に強み。2013年に建築に強い安藤建設を吸収合併し、土木と建築の両輪を確立。
- 主な提供価値:調査・測量・設計・施工・監理・技術支援・コンサルティングまで一気通貫。大型公共案件(ダム、トンネル、道路、橋梁、防災)から医療・教育、物流・生産施設、空港等まで幅広い。
- 周辺事業:不動産取引・保有、土壌調査・浄化、廃棄物処理コンサル、エネルギー供給、建材・機械供給、ビルメンテ・警備、ソフトウェア・知財の取得/ライセンスなど。
- セグメント構成(会社開示要旨):土木31(11)、建築61(10)、グループ6(1)、他2(9)
- 注)前者は売上構成比(%)、括弧はセグメント利益率の目安(%)の会社表記。
- 海外:積極展開(海外売上比率8% 2025年3月期)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:スーパーゼネコンに次ぐ準大手グループ。大型土木の技術力・実績(ダム、トンネル)で差別化。建築は民間施設を中心に幅広いポートフォリオ。
- 競争優位性:
- ダム・トンネル等の高度土木技術、海外案件の経験値
- 受注から保全・運用支援まで含む総合力
- 財務健全性(自己資本比率46%、ネット現金)による安定施工体制
- 課題:
- 資材・労務費の上昇と価格転嫁のタイムラグ
- 技能労働力の不足、工程確保
- 海外案件の為替・政治リスク
- 25/1Qは受注高が前年同期比▲36.5%(特に土木▲64%)と減速、先行指標として注意
※市場シェアの定量データは開示なし。
3. 経営戦略と重点分野
- 短期(短信記載の示唆):
- 通期見通しは据え置き(売上+3.7%、純利益▲31.9%予想)。コスト環境・為替・金融市場の変動を主要リスクとして管理。
- 1Qは建築の完工増・採算改善で増益。受注は抑制的(選別)な可能性。
- 中期の方向性(会社一般方針の読み取り):
- 収益性重視の受注選別と原価管理高度化
- 土木(ダム・トンネル等)の強み活用と海外案件のリスク管理強化
- 建築は民間投資分野(物流、医療・研究、再開発等)での受注ポート強化
- 環境・防災、更新需要への対応
※中期経営計画の個別KPIや定量目標の明示は本資料内に記載なし。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:受注産業(プロジェクトベース)。完成工事高と採算管理が利益ドライバー。保全・関連サービスでストック性も一部あり。
- 受注残:建設事業繰越高 515,754百万円(25/1Q末、前年同期比微減)。直近期売上(TTM 425,160百万円)の約1.2年分で可視性は概ね確保。
- 先行指標:25/1Qの受注高は減少。受注回復のタイミングと価格条件が中期の持続性に影響。
- コスト適応力:1Qで粗利率・営業利益率が改善(価格転嫁・原価管理が奏功)。資材・労務費の動向に継続注視。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・独自性:ダム・トンネル等の高難度施工、土壌浄化・環境改善、CIM/BIM等のデジタル施工、耐震・防災技術等。
- 収益牽引:建築(売上構成61%)と土木(同31%)が二大柱。目安のセグメント利益率は建築10%、土木11%(会社表記)。25/1Qは両セグメントで利益増。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想PER:14.54倍(業界平均 14.0倍に近い水準)
- 実績PBR:1.54倍(業界平均 1.1倍より高い)
- TTM EPS:168.75円 → 実績ベースPER:約9.9倍
- BPS:1,085.65円 → PBR:約1.54倍(一致)
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 3,023億 − ネット現金約289億 = 約2,734億円、EBITDA 423億円 → 約6.5倍
- PSR(時価総額/売上):約0.71倍(売上TTM 4,251億円ベース)
- 配当利回り:4.79%(予想80円)/実績配当70円のトレーリング利回り約4.2%
- 配当性向:会社予想EPS(114.82円)ベースで約70%(注:データ提供のトレーリング指標41.5%とは基準差)
総合的には、PERは業界平均並み、PBRはやや上振れ。実績利益水準では割安に見えるが、会社予想は減益見通しで前提に注意。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価1,670円は50日線(1,688円)をやや下回り、200日線(1,439円)を上回る。中長期は上昇トレンド、短期はもみ合い。
- 位置:52週高値1,769円に近い高値圏寄り、安値1,099円からは大幅上昇。
- 出来高:10日平均83.8万株(3カ月平均79.7万株)で直近はやや活発。
- 信用動向:信用倍率8.45倍、買い残増・売り残減。上昇局面での過熱や手仕舞いによる振れに留意。
- 直近の値動き:配当落ち(9/29)後に底堅く推移、1,700円付近に戻り待ちの上値抵抗。
8. 財務諸表分析(TTM中心)
- 成長:
- 売上:425,160百万円(23/3期340,292 → 24/3期394,127 → 直近 425,160)で3年CAGR約7.7%
- 25/1Q:売上+11.7%、純利益+39.5%(前年同期比)
- 収益性(TTM):
- 粗利率:14.3%(前年 11.0%から改善)
- 営業利益率:8.3%(前年 4.7%)
- 純利益率:6.2%
- EBITDAマージン:約10.0%
- ROE(実績):16.28%、ROA(TTM):6.95%
- 安定性・流動性:
- 自己資本比率:46.0%(25/1Q末 48.5%)
- 流動比率:約160%
- D/E(総有利子負債/自己資本):約19%
- ネット現金:約289億円(現金6,186億円・有利子負債3,297億円、単純差引)
- コスト・特別要因:TTMで「特別要因」計上あり(3,913百万円)。持続的な利益率は一過性を除いて確認が必要。
総じて、売上・利益率とも改善、財務は保守的で健全。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:実績70円(中間30・期末40)、会社予想80円(中間40・期末40)。
- 予想配当利回り:約4.8%。
- 配当性向:会社予想EPS前提で約70%(減益見通しのため上昇)。
- 自社株:自己株式保有は比較的高水準(株主名簿ベース約11.6%、短信期末自己株2,426万株)。買戻し方針の明示は本資料に記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落+47.6%と相対的に堅調。中期トレンド上昇継続。
- 関心度:出来高は直近上向き、信用買いが積み上がる構図。
- 価格ドライバー:
- 建築・土木の採算改善の持続性
- 受注高の回復/受注単価の改善(受注選別の成果)
- コスト・労務環境、為替動向
- 政策的な公共投資、防災・更新需要の強さ
- 会社通期ガイダンスの上方/下方修正
11. 総評
- 事業:大型土木の技術力と建築のボリュームを併せ持つ準大手。海外含む多角ポートフォリオ。
- 収益・財務:TTMで利益率が大幅改善、ROE16%台。財務健全性は高くネット現金。
- 受注:1Qで受注は減速、繰越高はおおむね1.2年分で可視性は確保も、今後の受注動向が重要。
- バリュエーション:PERは業界平均並み、PBRはやや高め。実績ベースでは割安に見える一方、会社予想は減益前提。
- 株価:中長期は上昇トレンドで高値圏。信用買いが厚く、短期は値動きが振れやすい局面。
本資料は記載データに基づく事実整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY増(約+7〜8%)、3年CAGR約7.7%。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率・営業利益率が業界水準を上回る改善、ROE16%台。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率46%、流動比率160%、D/E約19%、ネット現金。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:予想PERは業界平均並み、PBRは平均超。EV/EBITDA中位。
参考データ(抜粋)
– 売上高TTM:425,160百万円、営業利益TTM:35,244百万円、純利益TTM:26,444百万円
– 25/1Q:売上 93,490(+11.7%)、営業利益 5,302(+79.5%)、純利益 3,140(+39.5%)百万円
– 受注・繰越:当1Q受注 46,456百万円(▲36.5%)、繰越 515,754百万円
– 株価テクニカル:50日線 1,688円、200日線 1,439円、52週高/安 1,769/1,099円
– バリュエーション:予想PER 14.54倍、PBR 1.54倍、配当予想80円(利回り4.79%)
企業情報
銘柄コード | 1719 |
企業名 | 安藤・間 |
URL | http://www.ad-hzm.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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