トーカイ（9729）企業分析レポート
株価: 2,272円（2025-10-09終値）
市場区分: 東証プライム／業種: サービス業（情報通信・サービスその他）
時価総額: 818.9億円
1. 企業情報
- 概要
- 病院・介護領域を中心に「清潔」と「健康」を支えるサービスを多角展開。主要セグメントは以下の3つ。
- 健康生活サービス（病院向け寝具・白衣レンタル、リネンサプライ、院内物流、介護用品レンタル、在宅改修、クリーニング設備製造、給食、ウォーター事業 等）
- 調剤サービス（「たんぽぽ薬局」等の調剤薬局・ドラッグミックスの運営）
- 環境サービス（ビル清掃・管理、マット等レンタルの「リースキン」）
- 顧客基盤は病院・介護施設中心。中部・関西での調剤薬局展開が第2の柱。
- 連結事業構成（売上構成比・括弧内はセグメント利益率の目安, 2025.3）
- 健康生活サービス: 51%（約9%）
- 調剤サービス: 39%（約4%）
- 環境サービス: 10%（約8%）
- 体制等
- 設立: 1955年／本社: 岐阜市／従業員: 4,832人／代表者: 浅井 利明
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 病院関連リネンサプライの大手。病院業務受託（院内物流・清掃等）から介護用品レンタル、調剤まで医療・介護の周辺インフラを一気通貫で提供できる点が特徴。
- 競争優位性（示唆）
- 長期契約・スイッチングコストが働きやすいレンタル/受託モデル
- 高齢化による安定需要（入院・介護・調剤の継続需要）
- 多角化によるクロスセル（病院×清掃×リネン×院内物流 等）
- 課題
- 人件費・資材費・物流費の上昇
- 調剤は薬価改定・薬供給ひっ迫等の外部要因リスク
- 新規受託の初期費用やM&A統合負担
- 市場シェア
- 定量的なシェアは開示なし（非開示）。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン／中期経営計画
- Vision2035：「清潔」と「健康」を支えるインフラ企業として“健康長寿社会”に貢献。
- 2026年3月期開始の中期計画は「収益性向上と新たな価値創出に向けた種まき」フェーズ。
- 重点施策（開示ベース）
- M&A・子会社連結による事業基盤拡充（期初からの連結寄与あり、ビルメン吸収合併）
- 価格適正化と資材回転率改善（健康生活サービスで増益に寄与）
- 調剤は新店出店と処方箋枚数・単価の伸長を継続（薬価改定・供給制約への対応強化）
- 環境サービスは病院清掃・リースキンの拡販と新規受託の収益化
- 通期見通し（会社計画, 2026/3期）
- 売上高 1,579.8億円（+5.6%）
- 営業利益 82.2億円（+0.1%）
- 純利益 55.0億円（+16.2%）
- 1株益（EPS）162.69円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- リネン・白衣等のレンタル、院内受託、介護用品レンタル、調剤といった反復性の高い収益源が中心。
- 需要ドライバー
- 高齢化の進展、医療・介護インフラの継続需要、院内業務の外部委託化。
- 適応力
- 価格適正化、資材回転率の改善、M&Aでの規模拡大、在庫/供給制約対応（調剤）等でコスト上昇や薬価改定に対応。
- リスク
- 原材料・資材・人件費・物流費の上昇、薬価改定・供給ひっ迫、M&A統合コスト。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運用
- クリーニング設備（仕上機）開発・製造、院内物流・BPO、リネンサプライの運用最適化など、現場オペレーションの効率化に資する機器・ノウハウを保有。
- 収益を牽引する領域
- 健康生活サービス（レンタル／シルバー事業／リネンサプライ）が増収増益基調。
- 調剤は店舗拡大と処方箋増で増収だが、薬価・供給要因で採算が揺れやすい。
6. 株価の評価（バリュエーション）
- 現在値: 2,272円
- 会社予想EPS: 162.6円 → 予想PER 約13.97倍（業界平均PER 17.0倍）
- BPS（実績）: 2,536.7円 → PBR 約0.90倍（業界平均PBR 1.8倍）
- 参考マルチプル
- 時価総額: 約818.9億円
- 現金等: 約252億円／有利子負債: 約20.5億円 → ネットキャッシュ約231億円
- EV: 約587億円（時価総額＋負債−現金）
- LTM売上高: 約1,535億円 → EV/売上高 約0.38倍
- LTM EBITDA: 約136.6億円 → EV/EBITDA 約4.3倍
- 相対比較（単純比較）
- PER・PBRとも業界平均を下回る水準。EV/EBITDA・EV/Sも低位水準に位置。
注）上記は公開データに基づく機械的計算であり、投資判断を目的としない比較情報です。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 2,204円、200日移動平均: 2,149円。株価は両移動平均上で推移し、上昇トレンド示唆。
- 位置づけ
- 年初来高値 2,290円に接近（終値は2,272円、約0.8%下）。52週高値 2,380円までは約4.7%。
- 出来高・勢い
- 直近出来高は3カ月平均（約28.5千株）をやや上回る水準。短期で切り返し基調（10/1安値圏→10/9高値圏）。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高（1Q累計）3,918億円（+11.3%）と2桁増。LTM売上高 約1,535億円。
- 収益性
- 営業利益率（LTM）4.77%、EBITDAマージン 約8.9%、純利益率 2.84%。
- 1Qは営業増益（+16.1%）。純利益は前年の投資有価証券売却益剥落で減益（−21.7%）と一過性影響。
- 効率・資本
- ROE 5.52%、ROA 4.69%（LTM）。
- 自己資本比率 74.8%（実績）と高水準、流動比率 2.51、D/E 約2.4%と保守的。
- キャッシュ・財務
- 現金等 約252億円に対し有利子負債 約20億円のネットキャッシュ。財務安全性は高い。
- セグメント動向（1Q）
- 健康生活サービス：増収増益（価格適正化・資材回転改善、M&A寄与）
- 調剤サービス：新店効果で増収も薬価改定・供給で減益
- 環境サービス：増収も初期費用や資材費で減益
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025/3期: 年間58円
- 2026/3期予想: 年間68円（うち記念配当各5円）→ 予想配当利回り 約2.99%
- 配当性向
- 予想ベースの目安 約42%（68円／EPS162.6円）
- 自社株
- 自己株式比率 6.16%（足元）。当期の新規自己株買いは開示情報ベースでは確認情報なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日線＞200日線、年初来高値圏での推移。52週騰落率 +4.05%、β 0.26（低ボラティリティ）。
- 需給
- 信用倍率 2.98倍（やや買い長）。信用買残は前週比+900株、売残+200株。
- 保有構造
- インサイダー保有29.9%、機関保有27.8%。安定株主比率が高く、浮動株は限定的。
11. 総評
- 医療・介護インフラに根差した反復収益モデルと、価格適正化・資材回転改善、M&A寄与により売上・営業段階は堅調。調剤は外部環境の影響を受けやすいが、全社では多角化で安定性を確保。
- 財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で安全性が高い。ROEは中位水準。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均を下回り、EV/EBITDA・EV/Sは低位水準。テクニカルでは年初来高値圏で推移。
- コストインフレ、薬価改定・供給制約、M&A統合負担などのリスク要因に留意。
（本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資助言を行うものではありません。）
12. 企業スコア（S/A/B/C/D）
- 成長性: A
- 根拠：LTM売上高+11.3%の伸長、1Qも2桁増収。一過性損益を除けば基調は堅調。
- 収益性: B
- 根拠：営業利益率約4.8%、EBITDA約8.9%、純利率約2.8%。業界平均との差は明示情報が乏しく中立評価。
- 財務健全性: S
- 根拠：自己資本比率約75%、流動比率2.5倍、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠：PER13.97倍（業界17倍）、PBR0.90倍（業界1.8倍）と相対的に低水準。EV/EBITDA約4.3倍、EV/S約0.38倍。
補足データ一覧（抜粋）
- 予想配当利回り: 2.99%（68円）
- 予想PER: 13.97倍（EPS 162.6円）
- 実績PBR: 0.90倍（BPS 2,536.7円）
- ROE（実績）: 5.52%／ROA: 4.69%
- 移動平均: 50日 2,204円／200日 2,149円
- 年初来高値/安値: 2,290円／1,850円
- 次回イベント（予定）: 決算発表ウィンドウ 2025/8/6–8/12、権利落ち予定 2026/3/30（会社開示ベース）
企業情報
| 銘柄コード | 9729 |
| 企業名 | トーカイ |
| URL | http://www.tokai-corp.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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