バリューコマース(2491)企業分析レポート
株価:719円(2025-10-10終値)
市場:東証プライム/サービス業(広告代理・EC支援)
時価総額:247.85億円 発行済株式数:34,471,000株(自己株比率37.1%)
1. 企業情報
- 概要:アフィリエイト(成果報酬型)広告で国内上位。ECモール出店者向けの広告運用・CRM、宿泊施設向けの予約・運営支援(トラベルテック)を展開。
- セグメント
- マーケティングソリューションズ:アフィリエイト、広告運用支援、コンサルティング等
- ECソリューションズ:クリック課金広告「StoreMatch」、CRM「STORE’s R∞」、管理支援「B-Space」等
- トラベルテック:予約エンジン「Direct In」、運営管理「Dynalution」等
- 備考:ヤフー出店者向けの一部サービスは契約終了が公表済み。現在は自社提供/他プラットフォーム含むEC支援・アフィリエイト等へ軸足。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内アフィリエイト広告の主要プレイヤー。大手広告主・メディアとのネットワークと計測基盤が強み。
- 競合:A8.net(ファンコミュニケーションズ)、インタースペース、他インターネット広告各社。EC領域ではモール/プラットフォームの仕様変更影響を受けやすい。
- 競争優位性:長年の計測技術・運用ノウハウ、EC事業者向けのプロダクト群(広告×CRM×運営支援)の連携力。
- 課題:主要プラットフォームへの依存、クッキーレスや計測規制、成果報酬レート・集客コスト上昇による原価率の上振れ。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(要約):アフィリエイトの競争力維持とEC向けソリューションの拡充、トラベルテックの成長投資を両立。プラットフォーム依存度低減と収益多角化を志向。
- 重点施策
- 計測/トラッキング精度の高度化、プライバシー対応(クッキーレス環境への適応)
- ECソリューションの機能拡張(広告運用最適化、CRMによるLTV向上支援)
- インフルエンサーマーケ(monicam、Cast book)やソーシャルコマース(VLINK)の活用
- トラベルテックのプロダクト改善と顧客基盤拡大(投資継続)
- 外部提携・投資(例:StyleDoublerの持分法適用化)による機能/地域補完
- 2025年通期予想(会社計画)
- 売上高:229億円、営業利益:15億円、純利益:21億円、EPS:96.9円(修正なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:アフィリエイトは成果報酬で景況・広告需要に連動しやすいが、費用も変動費化しやすい。一方、EC向けの運用支援・CRMはサブスク/準サブスク性を持ちストック性を高めやすい。
- 適応力:プラットフォーム契約の変動リスクはあるものの、プロダクト多角化とマルチプラットフォーム対応で影響分散を志向。ネットキャッシュ・高自己資本により投資余力あり。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性:アフィリエイトのトラッキング基盤、EC広告最適化(PPC運用)、CRMによる顧客分析・リテンション支援。クッキーレス対応・計測高度化が重要テーマ。
- 主力/収益牽引:
- アフィリエイト(ValueCommerce Affiliate)
- EC広告「StoreMatch」・CRM「STORE’s R∞」
- 旅行向け「Direct In」「Dynalution」
- 周辺領域:インフルエンサーマーケ(monicam、Cast book)、ソーシャルコマース「VLINK」
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:719円
- 予想EPS:96.93円 → 予想PER:約7.42倍
- 実績BPS:651.78円 → PBR:約1.10倍
- 参考:LTM EPS 147.75円 → トレーリングPER:約4.9倍(参考値)
- 配当:年49円(会社予想)→ 予想配当利回り:約6.82%、配当性向:約38.6%
- EV/S(概算):EV ≈ 247.9億 – 現金123.2億 ≈ 124.7億 → EV/S(LTM売上314.1億)≈ 0.40倍(負債未考慮の概算)
- 業界比較(参考):業界平均PER約17倍、PBR約1.8倍に対し、同社はディスカウント水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:終値719円は50日線(約801円)・200日線(約849円)を下回り、デッドクロス圏で下向き基調。
- 位置:52週高値1,231円/安値693円に対し、安値圏に近い水準。
- モメンタム:直近10日で下落基調(802→719)。10日平均売買高が3カ月平均を上回り、下落局面での出来高増加。
- 信用需給:信用倍率1.48倍(買い残・売り残とも増加)。短期の値動きはイベント(10/28決算)前後で変動しやすい。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(億円)
- 2021:335.6 → 2022:357.1 → 2023:293.9 → 2024:304.1 → LTM:314.1
- コメント:2023年に減収後、2024~LTMで回復基調。直近四半期の売上成長率+6.5%。
- 収益性(LTM目安)
- 粗利:97.6億(粗利率≈31%)
- 営業利益:39.5億(営業利益率≈12.6%)
- EBITDA:44.3億(EBITDAマージン≈14%)
- 当期純利益:32.3億(純利率≈10.3%)
- 傾向:増収ながら原価率上昇や戦略投資で営業利益率は21年~22年比で低下。
- ROE/ROA(LTM)
- ROE:約24.6%(参考)、ROA:約12.8%
- 自己株保有が大きく、自己資本が圧縮されROEは押し上げられやすい点に留意。
- 安全性
- 自己資本比率:65.6%(短信期末70.2%)
- 流動比率:約299%
- 現金等:123.2億(1株当たり現金≈569円)
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:31.1億、レバードFCF:15.4億(投資CFはM&A・無形資産取得等でマイナス)
- セグメント(2025年上期)
- マーケティングS:増収・減益(原価率上昇・投資影響)
- ECソリューション:増収・増益(StoreMatch等が牽引)
- トラベルテック:増収・赤字継続(投資先行)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間予想49円(中間25円・期末24円)。トレーリング57円。
- 予想配当利回り:6.82%、配当性向:38.6%(利益・営業CFでカバー可能な水準)。
- 自己株式:保有比率37.1%と大きい(過去の自己株取得・グループ再編の影響)。今期の新規自己株買いの有無は不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週変化率-36.8%、ベータ0.22(5年・月次)。ディフェンシブ寄りの価格変動だが、足元は下落トレンド。
- 出来高:直近10日平均が3カ月平均を上回る。イベントドリブンの値動きに注意。
- 近接イベント:2025-10-28 決算発表予定。決算でのガイダンス・原価率動向・ECソリューション進捗が注目点。
11. 総評
- 事業面:アフィリエイトの基盤に加え、EC広告・CRMの拡充で収益源の多角化を進める一方、原価率上昇やプラットフォーム契約の変動が利益率を圧迫。トラベルテックは投資フェーズ。
- 財務面:潤沢な現金、自己資本比率・流動比率とも高水準で耐性がある。営業CF・FCFは安定的。
- 株価面:予想PER・PBRはいずれも業界平均比でディスカウント水準、配当利回りは社内過去平均(5年)を上回る。テクニカルは安値圏・下降トレンドで、直近は需給悪化のサインが見られる。
- 注目ポイント:原価率の正常化、ECソリューションの成長持続性、クッキーレス対応・計測高度化、トラベルテックの損益改善。次回決算の見通し更新が株価変動要因。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比増(+約3〜6%レンジ)だが、3年CAGRではなお調整過程。
- 収益性:A
- 根拠:LTM営業利益率≈12〜13%、EBITDAマージン≈14%、純利率≈10%と良好。粗利率≈31%。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率65.6%(期中70%台)、流動比率≈299%、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:S
- 根拠:予想PER7.4倍・PBR1.10倍は業界平均(PER17倍・PBR1.8倍)比で大幅ディスカウント。EV/S概算0.4倍(負債未考慮)。
必要に応じて、セグメント別の四半期推移、原価率の要因分解、クッキーレス対応状況の整理、バリュエーション感度(業績レンジ別PER/PBR/EV/S)も提示可能です。
企業情報
銘柄コード | 2491 |
企業名 | バリューコマース |
URL | http://www.valuecommerce.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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