1. 企業情報
株式会社オービックビジネスコンサルタント（以下、OBC）は、中小企業向けの業務パッケージソフトウェアの開発・製造・販売・保守サービスを提供する企業です。特に「奉行シリーズ」というブランドで知られ、会計・人事・給与などの基幹業務をサポートするソフトウェアにおいて高い市場シェアを持っています。近年はクラウドサービスの提供にも注力しています。親会社はオービックです。東京証券取引所プライム市場に上場しており、情報・通信業に分類されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
OBCは「中小企業向け業務パッケージソフト大手」であり、その主力製品である「奉行シリーズ」は高い市場シェアを持つことで知られています。この分野における長年の実績とブランド認知度は、同社の競争優位性の一つと考えられます。現在、国内ではクラウドサービスの導入が継続的に進んでおり、付加価値の高いサービスへの期待が高まっているとされています。OBCはこのような市場環境の変化に対応し、クラウドへの移行を進めることが今後の課題であり、同時に成長機会でもあります。
3. 経営戦略と重点分野
OBCの経営陣が掲げる重点施策としては、クラウド・AIを活用したサービスの強化、セキュリティの向上、およびパートナーエコシステムの構築が挙げられます。特に、AIエージェントサービスの開発導入やセキュリティ強化は、新たな技術トレンドへの対応と顧客ニーズへの深掘りを目的としています。パートナーエコシステムを通じて、より広範な顧客層へのソリューション提供と市場拡大を目指していると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
OBCの収益モデルは、パッケージソフトウェア（ソリューションテクノロジー）の提供と、それに関連する保守サービスが中心です。近年は市場ニーズの変化に対応し、オンプレミス型からクラウド型への移行を加速しており、第1四半期決算ではクラウド収益が大きく増加しています。このクラウドシフトは、継続的な利用料収入を確保し、安定した収益基盤を構築することに寄与すると考えられます。今後も市場のデジタル化・クラウド化の進展に対応できるかどうかが、事業モデルの持続可能性を高める上で重要となります。
5. 技術革新と主力製品
OBCの主力製品は、会計・人事・給与などの基幹業務をカバーする「奉行シリーズ」です。技術開発の動向としては、クラウドサービスへの展開とともに、AI技術（AIエージェントサービス）やセキュリティ強化に注力していることが決算短信からうかがえます。収益を牽引しているのはプロダクト事業、特にクラウド型のソリューションテクノロジーであり、2026年3月期第1四半期ではクラウド部門の収益が前年同期比で大幅に増加しています。
6. 株価の評価
現在の株価は8,683.0円です。
会社予想EPS 230.79円に基づくと、PER（株価収益率）は約37.62倍となります。
実績PBR（株価純資産倍率）は、BPS 2,128.20円に基づくと約4.08倍です。
業界平均PERが23.2倍、業界平均PBRが2.3倍であることと比較すると、OBCのPERおよびPBRは業界平均を上回る水準にあります。
7. テクニカル分析
現在の株価8,683円は、年初来高値9,379円と比較するとやや低い水準にあり、年初来安値6,503円からは上昇しています。直近10日間の株価推移を見ると、9月30日の9,100円から10月10日の8,683円へと若干下落傾向を示しています。現在の株価は50日移動平均線（8,808.36円）をわずかに下回っていますが、200日移動平均線（7,900.56円）よりは上に位置しています。このことから、短期的な調整局面の可能性も示唆されますが、中長期的には上昇トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
OBCの過去数年間の財務状況は、堅調な成長と極めて高い財務健全性を示しています。
* 売上高: 2023年3月期に一時的な微減があったものの、2024年3月期には大幅に増加し、直近の過去12ヶ月（2025年3月期に相当）も成長を継続しています。2026年3月期第1四半期も前年同期比+8.2%と増収を維持しており、通期でも+10.0%の増収を予想しています。
* 利益: 売上高の増加に伴い、営業利益、経常利益、純利益も増加傾向にあります。特に、過去12ヶ月の営業利益率は45.84%と非常に高い水準を維持しており、収益力の高さがうかがえます。
* キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは過去12ヶ月で約167.5億円と潤沢ですが、直近の第1四半期では前年同期比で減少しています。しかし、レバレッジドフリーキャッシュフローも約130.8億円と堅調であり、安定したキャッシュ創出能力があります。
* ROE / ROA: ROE（実績）は10.51%、ROA（過去12ヶ月）は6.95%と、自己資本比率の高い財務構造を考慮しても効率的な資本運用がなされていると考えられます。
* 財務健全性: 自己資本比率は直近四半期で78.2%と非常に高く、流動比率も454%であり、多額の現金及び預金（約1,579億円）を保有しています。これは、負債が極めて少なく、財務状況が非常に健全であることを示しています。
9. 株主還元と配当方針
OBCは安定した株主還元を行っています。会社予想に基づく配当利回りは1.22%、1株あたり配当金は106.00円です。配当性向は46.45%と、業績と比較して妥当な水準にあります。過去5年間の平均配当利回りも1.21%と安定しており、継続的な配当実施への企業姿勢がうかがえます。自社株買いについては、提供データからは具体的な情報はありませんが、自己株式を保有している旨の記載があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去52週間で株価は約13.95%上昇しており、S&P500の同時期間の変動率11.82%を上回っています。直近の株価は年初来高値圏で推移していましたが、ここ10日間はやや軟調な動きを見せています。出来高は比較的安定しており、信用買残が信用売残を上回る信用倍率5.00倍となっています。投資家は、OBCの堅実な業績と高収益性、そして進行中のクラウド・AI戦略が今後の成長ドライバーになると期待している可能性があります。中小企業のIT投資動向や、競合他社の動向、技術革新の進展が今後の株価に影響を与える要因として考えられます。
11. 総評
オービックビジネスコンサルタントは、中小企業向け業務ソフトウェア市場において確立した地位を築き、高いブランド力を持つ企業です。「奉行シリーズ」を軸に、高い粗利率と営業利益率を誇る高収益体質が特徴です。特に注目されるのは、市場のクラウド化・デジタル化のニーズに積極的に対応し、クラウドサービスへの移行を加速している点です。第1四半期決算では、クラウド収益が全体の増収増益を牽引しており、この戦略が奏功していることが示唆されます。財務基盤は自己資本比率78.2%、豊富な現預金、高い流動比率から見ても極めて健全であり、事業の安定性を裏付けています。
一方で、現在のPERやPBRは業界平均を上回る水準であり、すでに市場からの期待が株価に織り込まれている可能性も考慮されます。今後の成長を維持するためには、クラウドへの完全移行、AIなどの新技術を活用した付加価値の高いサービス提供、そしてパートナーエコシステムの強化が鍵となるでしょう。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- 過去12ヶ月の売上成長率（対前年同期比）は約12%であり、直近の四半期売上成長率も8.2%と堅調です。通期予想でも10%の増収を見込んでおり、特にクラウドビジネスが大幅に成長しているため、良好な成長トレンドにあると評価されます。
- 収益性: S
- 過去12ヶ月の営業利益率は45.84%と非常に高く、ソフトウェア業界の中でも優れた収益性を誇ります。粗利率も約83.7%と高水準であり、業界平均を大きく上回る高収益体質が維持されています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率は直近四半期で78.2%と非常に高く、流動比率も454%と極めて健全です。豊富な現金及び預金を保有しており、負債も少ないことから、財務基盤は盤石であると評価されます。
- 株価バリュエーション: C
- 会社予想PERは37.62倍、実績PBRは4.08倍であり、業界平均PER（23.2倍）とPBR（2.3倍）と比較して、これらの指標は高い水準にあります。現在の株価は業界平均と比較して割高であると評価されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4733 |
| 企業名 | オービックビジネスコンサルタント |
| URL | http://www.obc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。