8012 長瀬産業 分析レポート(個人投資家向け)
株価(直近終値): 3,183円
時価総額: 3,498億円 / 市場: 東証プライム(卸売業・化学専門商社)
1. 企業情報
- 概要
- 1832年創業の化学系専門商社大手。化学品・合成樹脂・電子材料・モビリティ関連・ライフサイエンス(食品・香粧品・医薬原料)をグローバルに展開。製販一体の機能も持ち、グループにバイオ(旧林原)や栄養素材商社Prinova等。
- 主要事業・セグメント(売上構成目安)
- 生活関連 30%、加工材料 22%、電子・エネルギー 17%、機能素材 16%、モビリティ 14%、その他 1%
- 地域
- 海外売上比率 約71%(2025/3期)
- 従業員等
- 従業員 7,620人、平均年齢 41.3歳、平均年収 1,136万円
- 取扱い分野(抜粋)
- 機能素材(塗料・顔料・添加剤・フッ素化学・シリコーン等)
- 加工材料(熱可塑/熱硬化樹脂、成形・金型、機能フィルム/シート)
- 電子・エネルギー(半導体材料、精密研磨材、実装材料、LED、計測・真空装置、再エネ)
- モビリティ(車載エレクトロニクス、内外装、電動化・二次電池関連)
- 生活関連(医薬中間体・原薬、診断薬、食品素材、栄養プレミックス、香粧品原料)
- 特徴
- 商社機能に加え、製造・技術サポート・品質管理の機能を併せ持つ「機能性商社」。M&Aと海外展開で事業基盤を拡大。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 化学品・電子材料に強い化学専門商社として国内有数の規模。ライフサイエンス(医薬・食品・香粧品)やエレクトロニクス素材での知見とサプライヤーネットワークが強み。
- 競争優位性(示唆)
- グローバル調達・販売網(海外売上比率高水準)
- 高付加価値分野(半導体材料、医薬・食品素材)の取り扱い
- 製販一体(Prinova、林原等の製造機能)による差別化とマージン改善余地
- 課題
- 為替影響(円高時の円換算売上・利益の下押し)
- 自動車・建築等の景気循環、素材市況変動
- M&Aに伴うのれん・投下資本の回収管理
※定量的な市場シェアは公表データなし。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(短信・決算説明資料要点の整理)
- 高付加価値領域(電子・エネルギー、ライフサイエンス)の伸長
- ポートフォリオ高度化(プロダクトミックス改善、製造機能の活用)
- グローバル展開の深化(海外売上の維持・拡大)
- M&A/PMIによる事業基盤拡大と収益性向上
- 2026年3月期 通期目標(据え置き)
- 売上高 9,550億円、営業利益 395億円、親会社純利益 315億円
- 直近期(2026/3期1Q)の重点トピック
- 電子・エネルギー:半導体材料の販売増、AIサーバー向けなど堅調
- 生活関連:医薬原料・食品/香粧品素材が増収増益
- 加工材料:数量は弱含みだがミックス改善で利益率改善
- 機能素材/モビリティ:自動車・建築向け需要減や円高の影響で課題
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 多角的な商品ポートフォリオとグローバルサプライチェーン。製造・技術・品質支援機能を併用し、商社マージンに加え製造由来の利益も取り込み。
- 適応力
- 市況や需要変動に対して、分野・地域分散で影響を緩和。プロダクトミックス改善やM&Aで中期的な収益性の底上げを意図。
- リスク
- 為替・素材市況の変動、景気循環(車、建築、エレクトロニクス)、M&A後のシナジー具現化。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 半導体関連材料(実装・研磨・封止等)、AR/VR・ディスプレイ向け素材、電動化・二次電池関連部材、機能性ポリマー/フィルム、バイオ由来機能性素材(林原)など。
- 収益牽引
- 1Qの営業利益寄与(概算):電子・エネルギー約29%、生活関連約24%、機能素材約21%、加工材料約18%、モビリティ約8%
- 電子(AIサーバー需要等)とライフサイエンス(医薬・食品/香粧品)が牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 3,183円、EPS(会社予想)292.11円、BPS 3,663.94円
- 指標
- PER(予): 10.9倍(業界平均 12.1倍)
- PBR(実): 0.87倍(業界平均 1.0倍)
- EV/Sales(LTM): 約0.52倍
- EV ≒ 時価総額3,498億 + 有利子負債1,876億 − 現金499億 ≒ 4,876億円
- 売上高(LTM)9,450億円
- EV/EBITDA(LTM): 約8.6倍(EBITDA 約565億円)
- 配当
- 会社予想1株配当 95円(配当利回り 約2.98%)
- 参考:Payout Ratio(過去ベース)約39%(予想EPS基準では約33%相当)
(注)上記は比較用の客観数値であり、投資判断を意図しません。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均: 3,169円、200日移動平均: 2,861円
- 現在値は50日線付近・200日線上方で、中期上昇基調を維持。
- 位置
- 年初来高値 3,366円に対し約−5%の水準。52週安値 2,228円からは大きく回復。
- 直近の値動き(10日)
- 3,200円台でのもみ合い後、10/10はやや軟化(高値3,263→安値/終値3,183)。短期は3,150〜3,250円帯が支持・抵抗として意識されやすい価格帯。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(通期・LTM、百万円)
- 売上高:2022/3 780,557 → 2023/3 912,896 → 2024/3 900,149 → LTM 944,961
- 営業利益:35,266 → 33,376 → 30,623 → 39,083
- 親会社純利益:25,939 → 23,625 → 22,402 → 25,521
- 利益率(概算)
- 粗利率:17.9%(2022)→ 17.0%(2023)→ 18.3%(2024)→ 19.2%(LTM)
- 営業利益率:4.5% → 3.7% → 3.4% → 4.1%(回復傾向)
- 純利益率:3.3% → 2.6% → 2.5% → 2.7%
- 成長性
- LTM売上成長率(YoY):約+5%
- 3年CAGR(売上):約+6.5%
- 効率・収益性
- ROE:6.44%(実績)
- 総資産回転率(1Q年換算目安):約0.29回/四半期
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF(LTM):401億円、レバードFCF:276億円
- 自己資本比率:49.4%(1Q末 48.2%)
- 流動比率:1.96倍
- D/E(有利子負債/自己資本):約47%
- セグメント(2026/3期1Q)
- 電子・エネルギー、生活関連が利益の主力。加工材料はミックス改善、機能素材・モビリティは需要/為替の逆風。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 直近実績:年90円(中間45・期末45)
- 会社予想:年95円(中間45・期末50)
- 予想配当利回り:約2.98%(株価3,183円)
- 自社株
- 2026/3期1Qに自己株式の取得・消却を実施(5,000,000株消却等)。資本効率の改善に寄与。
- 配当性向
- 参考指標:過去ベース約39%(予想EPS基準では30%台前半)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週上昇率:約+3.7%。中長期は200日線上で堅調、直近は高値圏での持ち合い。
- 出来高
- 直近出来高19.6万株は3カ月平均(約21.7万株)並み。需給は落ち着き。
- 信用動向
- 信用倍率1.79倍。信用売残の減少(前週比▲26,700株)により、短期の売り圧力はやや後退。
- 注目材料(影響要因)
- 半導体・AIサーバー関連需要、医薬・食品素材需要
- 為替(円高)は売上・利益の下押し要因
- 原材料・市況の変動、M&Aの進捗
11. 総評
- 事業面
- 電子・エネルギーおよび生活関連が業績を牽引。加工材料もミックス改善。一方、機能素材・モビリティは景気・為替影響を受けやすい。
- 収益性・財務
- 粗利率・営業利益率は回復基調。財務健全性(自己資本比率・流動比率・D/E)は総じて良好。営業CF・FCFも安定。
- バリュエーション
- PER・PBRは業界平均水準よりやや低位。EV/売上・EV/EBITDAも落ち着いたレンジ。
- 見通し
- 通期計画に対する1Q進捗は概ね想定線。為替やサイクルの影響を受けつつも、ポートフォリオ高度化と製販一体の取り組みが下支えとなる構図。
(注)本レポートは事実に基づく情報整理であり、投資助言を目的とするものではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上+約5%、3年CAGR約+6.5%。主要成長分野の寄与が持続。
- 収益性:B
- 粗利率・営業利益率は回復基調だが、商社平均相応の水準。さらなるミックス改善が鍵。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率約49%、流動比率1.96倍、D/E約47%で健全。
- 株価バリュエーション:A
- PER・PBRが業界平均をやや下回り、EV/EBITDAも妥当圏。
参考データ
– EPS(会社予想): 292.11円 / BPS: 3,663.94円
– ROE: 6.44% / 自己資本比率: 49.4%
– 年初来高値: 3,366円 / 年初来安値: 2,228円
– 次回決算予定(会社IRより): 2025/11/6
– 予想配当(会社): 年95円、予想配当利回り約2.98%、権利落ち想定 2026/3/30(予定)
企業情報
銘柄コード | 8012 |
企業名 | 長瀬産業 |
URL | http://www.nagase.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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