7921 TAKARA & COMPANY 分析レポート(株価: 4,050円)
本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要: 上場企業向けディスクロージャー(法定・任意開示)支援を中核に、企画・デザイン・校正・印刷・電子化までワンストップで提供。株主総会支援、IPO支援、IFRS対応、ESG/統合報告支援、M&A関連翻訳・IR翻訳、ローカライゼーション等を展開。通訳・翻訳の老舗「サイマル」を傘下に置き、AI翻訳システムや予算管理ツール(WizLaboBudget)などソフト・ツールも提供。
- 事業構成(2025/5期 連結): ディスクロージャー関連 73%(営業利益率 約15%)、通訳・翻訳 27%(同 約4%)。
- 設立/本社/従業員等: 1960年設立、東京本社、従業員1,245名、平均年齢44.2歳。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内ディスクロージャー支援の大手。法定開示から統合報告・ESGまで対応領域が広く、翻訳・通訳を含む総合力が強み。
- 競合: PRONEXUS(開示支援)、大手印刷(開示/IR支援)、IR支援(議決権/アドバイザリー)各社、翻訳ではHonyaku Center、AI翻訳ベンダー等。
- 競争優位性:
- 法令/会計制度に精通した専門人材と制作実行力(品質・納期管理)。
- 開示〜翻訳〜IR制作の一気通貫体制によるクロスセル。
- IFRS、XBRL、統合報告など制度・トレンド変化への蓄積。
- 課題:
- 紙からデジタルへの移行に伴う印刷需要の漸減圧力。
- 通訳・翻訳領域の人材獲得/稼働率管理、AI翻訳の置換リスクと価格競争。
- シーズナリティ(決算・総会シーズン集中)と案件波動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略の方向性(推察含む公開情報ベース):
- ディスクロージャー事業の高付加価値化(IFRS/統合報告/ESG/英文開示、IPO支援強化)。
- 通訳・翻訳事業の専門性深化とAI/ツール併用による生産性向上。
- ツール提供(WizLaboBudget、開示ワークフロー、ER/SRツール)によるSaaS的収益の拡張。
- M&A/アライアンスによる専門領域・人材の獲得。
- 具体的施策例:
- IFRS移行支援、早期開示・訂正開示の体制支援。
- 統合報告/ESGアドバイザリーの強化。
- IPO審査書類作成・監査対応支援の拡充。
- AI翻訳の導入・社内運用基盤の整備と顧客環境構築支援。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 案件型(制作/印刷/翻訳/通訳)に加え、継続的な法定開示と定期制作(有報・招集通知・統合報告)、ツール利用料で一定のストック性を確保。
- 持続性評価:
- 規制・制度改正は需要の底堅さとアップセル機会を生む一方、電子化で低付加価値印刷は縮小。上位にポジショニングするほど付加価値領域(IFRS/ESG/英文/アドバイザリー)へのシフトが有効。
- 翻訳はAI代替リスクがあるが、機密IR/開示・専門領域(会計/法務/M&A)は品質要件が高く、人×AIのハイブリッドで差別化余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性: XBRL対応、IFRS/英文開示のナレッジ、制作オペレーションの標準化、AI翻訳/支援ツールの内製化・導入支援。
- 主力/成長ドライバー:
- ディスクロージャー(有報、招集通知、統合報告、英文/ESG開示、IPO/IFRS支援)。
- 通訳・翻訳(M&A、機密開示、IR関連の高難度案件)。
- ツール(WizLaboBudget、ER/SR等の企業サイト・IR運用)。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 現在株価: 4,050円
- 会社予想EPS: 239.75円 → 予想PER 約16.89倍(提供値と一致)。
- 実績BPS: 2,358.62円 → PBR 約1.72倍(提供値と一致)。
- EV/S(概算): EV ≒ 時価総額532.7億 + 有利子負債1.8億 − 現金198.6億 = 約335.9億円。売上(LTM)約296.8億円 → EV/S ≈ 1.13倍。
- 参考比較(業界平均):
- PER平均: 14.5倍 → EPS(予想)×14.5 = 約3,476円。
- PBR平均: 1.3倍 → BPS×1.3 = 約3,066円。
- コメント: 予想PER・PBRはいずれも業界平均を上回る水準(プレミアム)。一方、強固なネットキャッシュ(実質無借金)とROE約14%は一定の裏付け要素。
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日移動平均 3,954円、200日移動平均 3,386円。現株価は両MAを上回り中長期は上昇基調。
- 位置: 年初来高値4,355円に対して約−7%、年初来安値2,711円に対して約+49%。レンジ上半分のやや高値圏寄り。
- 短期動向(直近10日): 4,300円台から4,000円前後へ押し後、4,000〜4,100円でのもみ合い。出来高は3カ月平均(約2.85万株)と同程度。
- 信用動向: 信用倍率1.28倍、買残減少・売残増加。過度な偏りは小さい。
8. 財務諸表分析
- 成長: 売上高(億円)
- 2022: 253.2 → 2023: 275.7 → 2024: 292.8 → 2025: 296.8
- 3年CAGR約+5〜6%。直近は+1.4%増で伸びは鈍化。
- 収益性(2025/5期・LTMベース)
- 粗利率 約42.6%(126.3/296.8)
- 営業利益率 約13.6%(40.5/296.8)
- 当期純利益率 約13.7%(40.8/296.8)
- ROE 約14%、ROA 約7%(提供指標)。
- 損益推移: 営業利益は3年で伸長(356→381→423→405億円、単位百万円換算)。EPSは171→198→232→314円と改善。
- 財務健全性:
- 自己資本比率 75.7%、D/E 約0.6%、流動比率 4.13倍。現金198.6億円、負債1.8億円で強いネットキャッシュ体質。
- キャッシュフロー: 詳細データ未提示のため割愛。
9. 株主還元と配当方針
- 予想1株配当: 120円(予想配当利回り 約2.96%)。
- 配当性向:
- 実績ベース(直近配当90円/実績EPS約314円): 約28.7%。
- 予想ベース(120円/予想EPS239.75円): 約50.0%。
- 自己株式: 発行済の約1.32%保有。自社株買いの方針・実施は情報非開示(本データ内)。
- 備考: 5年平均配当利回り 2.84%に対し、現状はやや上回る水準。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率: +53.05%。低β(0.21)で相対的にディフェンシブな値動き。
- 直近の変動要因(想定): 決算発表後の材料出尽くし・配当取り/落ちの需給、制度・IFRS/ESG関連のテーマ性。
- 予定イベント:
- 権利落ち日(予定): 2025/11/27
- 直近決算発表(記載): 2025/7/11
11. 総評
- ディスクロージャー大手として、制度対応・英文/IFRS・統合報告・IPO支援までを網羅し、通訳・翻訳機能とツールを組み合わせた総合力が強み。ネットキャッシュ・高自己資本比率で財務の安全性も高い。
- 成長率は中期で堅調だが、直近の売上拡大は緩やか。付加価値領域(ESG/IFRS/英文/アドバイザリー、ツール)へのシフトとAI活用の生産性向上がカギ。
- バリュエーションは業界平均比でプレミアム(予想PER・PBR)。ROEや財務健全性で一定の説明は可能。テクニカルには上昇基調を維持しつつ、4,000円近辺での持ち合い。
- リスク要因: 電子化進展による印刷依存度低下、AI翻訳による価格圧力、シーズナリティ・人材確保、制度変更の影響。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 理由: 3年CAGRは+5〜6%と堅調だが、LTM売上成長は+1%台で直近は横ばい圏。
- 収益性: B
- 理由: 粗利率約43%、営業利益率約14%、ROE約14%。良好だが業界平均との明示比較データがなく中立評価。
- 財務健全性: S
- 理由: 自己資本比率75.7%、D/E約0.6%、流動比率4.1倍、ネットキャッシュ大型。
- 株価バリュエーション: C
- 理由: 予想PER16.9倍・PBR1.72倍と業界平均(PER14.5倍、PBR1.3倍)に対してプレミアム。EV/Sは約1.13倍(平均比較データなし)。
出典: 本文中の数値はご提示データ(株価・財務・指標・株主等)に基づき作成。記載は正確性に留意していますが、元データの更新・定義差により数値が異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 7921 |
企業名 | TAKARA & COMPANY |
URL | https://www.takara-company.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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