アルペン(3028)企業分析レポート
株価(終値):2,270円(2025-10-10)
1. 企業情報
- 概要:スポーツ専門店最大手。「スポーツデポ」「ゴルフ5」「アルペン」「アルペンアウトドアーズ」などを全国展開。ゴルフ・スポーツ・アウトドア用品の小売が主力で、ゴルフ場・スキー場・フィットネスクラブなどの運営も行う。自社PB(TIGORA、IGNIO、KISSMARK、HART、FABLICE、KOLWIN、TOBUNDA)を展開。
- 事業構成(売上比、2025/6期):スポーツ61%、ゴルフ34%、ウィンター3%、その他2%
- 店舗網(期末):402店舗(スポーツ185、ゴルフ195、アウトドア21、その他1)
- 特色:単一セグメント(小売)として開示。ECサイト「Alpen Online」を2025年6月に全面リニューアルし、OMO・会員データ活用を推進。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内スポーツ専門店で最大規模のチェーン。多業態でカバー範囲が広く、PB・中古ゴルフなど差別化要素を保有。
- 競争優位性:
- 全国的な店舗網と大規模売場による仕入・在庫オペレーションのスケール。
- PBや中古ゴルフの拡大で粗利率の改善余地。
- OMO(店舗×EC)と会員基盤を活用した販促。
- 課題:
- ゴルフ新品の市況変動・気候影響(季節品)が業績ブレ要因。
- 在庫水準(商品・製品81,048百万円)の管理が収益性の鍵。
- 業界全体で人件費・物流費が上昇。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(~2027)
- 既存店強化(改装・専門性の高い販売体制)
- PB拡大・中古ゴルフの強化
- ECリニューアルを軸にOMO推進、会員データ活用のデジタルマーケティング
- 在庫管理・業務効率化による粗利率・資本効率の改善
- 2025/6期の進捗
- 粗利率の改善(値引き抑制・在庫改善)で営業利益が大幅増。
- EC刷新を実行、アウトドア・スポーツライフスタイルが伸長。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:店舗×ECのオムニチャネル、小売マージン+PBマージン、サービス(フィットネス等)を補完。中古ゴルフなど循環型商材で粗利安定化。
- 需要適応力:健康志向・スポーツイベント・インバウンドは追い風。一方、気候変動や物価上昇・為替・関税は不確実性。PB比率拡大とデータ活用で需要変動に対応。
- 財務余力:自己資本比率58.8%、D/E約10%と保守的で、改装・IT投資を継続可能。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・デジタル:自社ECの全面リニューアル(2025年6月)。会員データ活用のパーソナライズ、OMO強化で回遊性・CVR改善を狙う。
- 主力カテゴリ:
- スポーツ(ランニング・バスケット等)とスポーツライフスタイル(シューズ等)が好調。
- アウトドアはアパレルが伸長、PBが牽引。キャンプ用品は伸び鈍化。
- ゴルフは新品が弱含みも、中古クラブ強化で需要を取り込み。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現株価2,270円)
- 予想PER:15.65倍(業界平均21.3倍)
- 実績PBR:0.72倍(業界平均1.8倍)
- BPS:3,142.59円
- EV/S:約0.32倍(EV≒時価総額88,276+有利子負債11,770−現金15,150=約84,896百万円)
- 参考計算
- 同業平均PERを適用した理論株価:145.01円×21.3=約3,090円
- 同業平均PBRを適用した理論株価:3,142.59円×1.8=約5,657円
- 補足:ROEは4.68%。一般にROE水準はPBRに影響するため、単純比較には留意。
7. テクニカル分析
- 位置:株価2,270円は50日移動平均2,374.6円、200日移動平均2,301.6円をいずれも下回る。
- バンド:52週高値2,507円、同安値1,979円。レンジ内の中位(安値から約55%地点)。
- モメンタム:直近10日で緩やかな下落基調。出来高は直近日16.2万株で3カ月平均(約8.9万株)を上回る日が増加。
- 信用需給:信用倍率0.44倍。売り残が前週比+101.4千株、買い残が-4.0千株で、短期の上値はやや抑制要因。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:268,655百万円(+6.2% YoY)。3年CAGR約+5%(2022→2025)。
- 収益性(2025/6期)
- 粗利率:約40.1%(前年約38.8%)で+1.3pp改善。
- 営業利益:8,516百万円(+155.7%)、営業利益率:約3.2%。
- EBITDA:14,405百万円、EBITDAマージン約5.5%。
- 当期純利益:5,573百万円(+221.5%)、純利益率:約2.1%。
- 効率性・資本
- ROE:4.68%、ROA:2.61%、総資産回転率(概算):約1.3回。
- 自己資本比率:58.8%、D/E:9.72%、流動比率:1.55倍。
- キャッシュフロー
- 営業CF:+9,080百万円、投資CF:▲8,574百万円(店舗・設備等)、財務CF:▲3,443百万円。
- 現金等:15,150百万円。有利子負債:11,770百万円。
- レバードFCF:▲380百万円(ほぼ均衡)。投資継続局面。
- 留意点
- 特別損失(減損、資産除去債務見積変更等):2,965百万円。一過性の影響は除いて評価。
- 棚卸資産は増加傾向で、在庫回転・値引き管理が引き続き焦点。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間50円(実績・予想とも)。予想配当利回り約2.20%。
- 配当性向:34.6%(実績)。DOE目安:1.6%。
- 自己株式:期末339千株(0.87%)。自社株買いの新規開示は資料上確認できず。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は移動平均線を下回る推移で弱含み。52週では+7.38%。
- 出来高:直近の出来高は増加気味で、イベント・決算材料への感応度がやや上昇。
- 需給:インサイダー保有比率62.6%、フロート1,430万株と浮動株は限定的。信用売り超過で短期需給は中立~やや重い。
- 業績ドライバー:PB比率拡大、EC/OMOの再成長、在庫最適化、ゴルフ中古の拡大、気候・インバウンド、物価・関税・為替動向。
11. 総評
- 収益性は粗利率の改善とコスト管理で回復。財務体質は堅実で、投資余力も確保。
- バリュエーションは業界平均比でPER・PBRとも低位。ROE水準が相対的に低い点がPBRに反映。
- 戦略面ではEC刷新・PB拡大・中古強化など再成長の布石を打ち、既存店改装・販売力強化で基盤固め。需要面では気候やゴルフ市況の変動、物流・人件費の上昇など外部要因に引き続き留意。
- 短期の株価は移動平均下、信用売り超過でモメンタムは中立~やや弱め。中期はOMO・PB・在庫管理の進捗がカギ。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 売上YoY +6.2%、3年CAGR約+5%と増収基調。
- 収益性:B
- 粗利率約40%と改善、営業利益率約3.2%・EBITDAマージン約5~6%は小売として中位水準。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率58.8%、D/E約10%、流動比率1.55倍で健全。
- 株価バリュエーション:A
- PER15.65倍・PBR0.72倍はいずれも業界平均(PER21.3倍、PBR1.8倍)を下回る。ROE水準を考慮しつつ相対評価は低位。
参考データ
– ガイダンス(2026/6期):売上282,000(+5.0%)、営業利益9,000(+5.7%)、純利益5,590(+0.3%)
– ベータ(5年):0.28
– 配当:年間50円(予定)、配当性向34.9%(会社予想)
企業情報
銘柄コード | 3028 |
企業名 | アルペン |
URL | https://store.alpen-group.jp/corporate/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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