8137 サンワテクノス 分析レポート(プライム)
注記)本レポートは公開情報の整理であり、投資助言ではありません。数値は連結ベース、単位は特記なき場合「百万円・円」です。
1. 企業情報
- 概要:産業用電機・電子部品・機械(ロボット等)を扱う独立系の技術商社。販売に加え、FA(工場自動化)・半導体製造関連などで構築・保守、効率化のエンジニアリング支援を提供。電子(構成比約71%)、電機(20%)、機械(8%)。海外比率33%(2025.3)。
- 主要取り扱い:産業用電機(サーボ、インバータ等)、電子部品(車載・社会インフラ向け等)、産業用/クリーンローバット、半導体製造装置周辺、FAシステム、OA・通信機器ほか。
- 特色:仕入先と顧客の橋渡しに加え、ソリューション開発・エンジニアリングを強化し付加価値の高い案件比率の向上を志向。
- 基本データ:本社 東京、従業員 1,108名、平均年齢39.3歳。代表取締役社長 松尾 晶広。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置付け:産業エレクトロニクス分野の中堅独立系技術商社。大手専門商社(例:マクニカ、リョーサン、菱洋エレクトロ、丸文、加賀電子など)と同市場で競合。
- 競争優位性(示唆):
- 幅広い商材×国内外販売網×エンジニアリング対応により案件対応の柔軟性。
- 産業用ロボット・FA・半導体製造関連の知見と、車載・社会インフラ向け需要の顧客基盤。
- 課題:
- 半導体・FAなど設備投資サイクルの影響を受けやすい。
- マージン(営業利益率)が同業平均と比べ低位の時期があるため、ソリューション・保守等の高付加価値化をどこまで進められるかが焦点。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針:販売にとどまらず、ソリューション開発とエンジニアリングを含むビジネスモデルの構築を推進。
- 中期的な重点分野(開示情報・セグメントコメントからの整理):
- FA/ロボット(産業用・クリーンロボット)、半導体製造関連
- 自動車(電子化/安全領域等)・社会インフラ向け電子部品
- 海外(アジア・欧米)での案件拡大
- 施策の例:
- エンジニアリング機能の強化(構築・立上げ支援、保守)
- 受注・受注残の積み上げ(2026年3月期1Q:受注+9.7%、受注残+94%)
- M&A:株式会社エムテックを株式交付で子会社化予定(2025年9月30日付)。エンジニアリング・事業領域の補完が狙いとみられる。
- 通期見通し(会社計画、修正なし):売上155,000(+11.0%)、営業利益3,500(-0.2%)、純利益2,610(+6.8%)、EPS 171.94円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:商社マージン+ソリューション/エンジニアリングの付加価値収入。サイクル耐性は仕入・在庫・為替管理、分野分散、付加価値率の向上で補完。
- 適応力:
- 分野分散(車載/社会インフラ/FA/半導体/OA等)により特定サイクルの影響を平準化。
- 受注残の積み上げとエンジニアリング強化により、回復局面での業績追随が期待される一方、短期の利益率は需給や在庫調整の影響を受けやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向:自社での装置製造ではなく、仕入先の先端技術(FA/ロボット/半導体製造・クリーン環境対応など)を束ね、顧客要件に合わせて提案・実装・保守まで対応。
- 収益牽引:
- 電子部門(2026年3月期1Q:売上+6.9%)が車載・社会インフラ向けで堅調
- FA/ロボット・半導体向けは調整を経て回復基調のサイン(受注残増)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 2,610円、予想EPS 171.94円、BPS 3,110.64円、時価総額 41,875百万円
- 指標比較
- PER(会社予想):2,610 / 171.94 = 15.18倍(業界平均 12.1倍比でプレミアム)
- PBR(実績):2,610 / 3,110.64 = 0.84倍(業界平均 1.0倍比でディスカウント)
- 配当利回り(会社予想):120 / 2,610 = 4.60%(5年平均 3.7%を上回る水準)
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 41.9 + 7.8 − 21.8 = 約278.6億円、EBITDA(LTM)約44.4億円 ⇒ 約6.3倍
- EV/Sales(概算):約278.6億 / 1,395.8億 ≒ 0.20倍
- コメント:収益倍率(PER)は業界平均比で高め、資産倍率(PBR)は1倍未満。配当利回りは会社予想ベースで相対的に高め。
7. テクニカル分析
- トレンド:終値 2,610円は50日移動平均2,595円、200日移動平均2,329円を上回る。中期トレンドは上向き基調。
- 位置:年初来高値 2,729円に対し約-4%の位置、年初来安値 1,765円に対しては約+48%。
- 直近推移(10日):2,700円近辺からやや押し目形成(出来高は3ヶ月平均と同程度)。
- 需給:信用倍率 6.66倍で買い残優位。信用売残の減少が続く一方、短期は買い残の整理動向に左右されやすい。
- ボラティリティ:β(5年)0.41で相対的に低め。
8. 財務諸表分析
- 売上高(推移)
- 2022/3:154,414 → 2023/3:181,013(+17%)
- 2024/3:166,138(-8%) → LTM:139,581(-16%)
- 利益
- 営業利益:4,805 → 7,631 → 6,216 → 3,508(LTM)
- 営業利益率:2023/3 約4.2% → 2024/3 約3.7% → LTM 約2.5%
- 当期純利益(親会社株主):3,577 → 5,493 → 5,007 → 2,443(LTM)
- 純利益率:LTM 約1.8%
- 収益性(追加指標)
- 粗利率:LTM 19,148 / 139,581 ≒ 13.7%
- 2026年3月期1Q 営業利益率:0.86%(短期は圧縮)
- 効率性・安全性
- ROE(実績):5.03%(LTM)
- ROA(LTM):約2.1%
- 自己資本比率:52.8%(実績)
- 流動比率:約208%
- D/E(総負債/資本):有利子負債 78.2億、現金同等物 218.4億でネットキャッシュ約140億
- セグメント・地域(2026年3月期1Q)
- 売上:日本67%、アジア27%、欧米5%
- 部門動向:電子(車載・社会インフラ)が増、電機・機械は前年同期比で減
- 需給状況(1Q)
- 受注:34,420(+9.7%)、受注残:48,790(+94%)— 回復基調の示唆
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間120円(会社予想、前期実績も120円)。予想配当性向 約68%。
- 自己株式:期末自己株式 864千株(発行済の約5.4%)— 過去に自社株買い実施の蓄積がうかがえる(今期方針は未開示)。
- 指標:フォワード利回り 4.60%(現株価ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落 +32.5%。直近は高値圏でのもみ合い。
- 投資家属性:インサイダー保有約30%、機関投資家保有約17%。主要株主に光通信、マスタートラスト、安川電機等。
- イベント:
- 2026年3月期1Q決算は7/29公表済み
- 権利落ち予定:2026/3/30(配当)
- 今後の業績開示スケジュールは会社開示を要確認
11. 総評
- 需要環境:半導体・FAの調整は一巡の兆し。1Qで受注・受注残が伸長しており、通期は増収計画(+11%)を維持。
- 収益性:LTMで営業利益率約2.5%、1Qは0.86%と圧縮。一方でエンジニアリング強化やM&Aにより付加価値の積み上げを図る方針。
- 財務:自己資本比率52.8%、ネットキャッシュ約140億と健全。
- バリュエーション:PERは同業平均比で高め、PBRは1倍未満、EV/EBITDAは概ね中位。配当利回りは会社予想ベースで相対的に高い水準。
- テクニカル:中期トレンドは上向き。高値圏での推移と信用買い残優位に留意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上 -16% YoY、3年CAGRもおおむね横ばい〜マイナス。一方で通期計画は増収見込み。
- 収益性:C
- 根拠:LTM営業利益率約2.5%、1Q 0.86%。同業上位と比べると低位。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率52.8%、流動比率約208%、D/E約16.6%、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超、PBRは1倍未満、EV/EBITDA中位、配当利回りは相対的に高め。総合で中立。
参考計算・指標
– PER(予想):15.18倍
– PBR(実績):0.84倍
– EV/EBITDA(概算):約6.3倍
– EV/Sales(概算):約0.20倍
– 配当利回り(予想):4.60%
– ROE(実績/LTM):5.03%
– 自己資本比率:52.8%
– 50DMA:2,595円、200DMA:2,329円、終値:2,610円
不明点や追加の分析(セグメント別詳細、年度比較の追加比率、M&A(エムテック)資料の要点整理など)が必要であればお知らせください。
企業情報
銘柄コード | 8137 |
企業名 | サンワテクノス |
URL | http://www.sunwa.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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