東京製鐵(5423)企業分析レポート

株価(終値):1,441円(2025-10-10)
時価総額:約1,586億円/単元株数:100株
市場区分:プライム(鉄鋼)
配当利回り(会社予想):3.47%/予想1株配当:50円
PER(会社予想):13.5倍/PBR(実績):0.71倍

1. 企業情報

  • 事業内容の要約
    • 独立系の電炉大手。主原料の鉄スクラップを電気炉で溶解し、建材向け鋼材(H形鋼、溝形鋼、I形鋼、U形鋼矢板、異形棒鋼など)および鋼板製品(熱延コイル、酸洗・溶融亜鉛めっきコイル、カットシート等)を製造・販売。
    • 建材向けが主力(単独売上構成:鋼材96%、他4%)。輸出比率13%(2025.3)。
    • 国内各拠点で機動的な価格政策を活用。電炉由来の低CO₂製品(「ほぼゼロ」)を展開。
  • 会社概要
    • 設立:1934年、本社:東京都千代田区
    • 代表者:奈良 暢明
    • 従業員平均年齢:39.5歳/平均年収:871万円

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 独立系電炉として国内上位規模。建材(特にH形鋼)でプレゼンスが高く、鋼板(熱延)にも進出し品種多角化を進める。
  • 競争優位性
    • 電炉によるコスト・環境面の優位(CO₂排出が相対的に低い)。
    • 価格改定・生産調整を機動的に実施しやすい運営体制。
  • 課題
    • 建設需要の遅延・停滞の影響(人手不足、工期ずれ等)。
    • 海外は保護主義的措置(関税等)で市況が不安定。
    • 主原料の鉄スクラップ価格の変動が利益を圧迫しうる。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社方針・ビジョン(開示要旨)
    • 採算重視・需要に見合った生産運営。
    • 脱炭素対応の低CO₂鋼材「ほぼゼロ」による需要取り込み。
    • 建材偏重から鋼板分野(熱延コイル等)への展開で事業ポートフォリオを強化。
  • 2026年3月期見通し(会社予想)
    • 売上高:2,935億円(前期比-10.2%)
    • 営業利益:161億円(-46.5%)、当期純利益:110億円(-48.1%)
    • 1株利益(EPS):107.31円(会社予想近似:106.75円)
  • 経営上の主なリスク(会社記載)
    • 鉄スクラップ価格、鋼材価格・需要、市場保護主義、国内建設需要の弱含み。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • スクラップ連動の電炉コスト構造+市況・需給を踏まえた価格設定でマージンを確保。
    • 建材需要に加え、鋼板(熱延)で稼働・品種拡大による安定化を企図。
  • 持続性評価
    • 電炉×低CO₂は中長期の環境要請に整合。一方、建設・輸出市況の変動と原料価格のボラティリティが短期収益に影響。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 高規格電炉H形鋼や高規格鋼板など、電炉での品質高度化に注力。
    • 低CO₂鋼材(「ほぼゼロ」)で差別化を推進。
  • 収益牽引領域
    • 主力の建材(H形鋼等)に加え、熱延コイルなど鋼板分野の寄与拡大を狙う。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 予想PER:13.5倍(業界平均:8.0倍)→ 業界平均比では割高水準。
  • 実績PBR:0.71倍(業界平均:0.6倍)→ やや上回るが1倍未満。
  • 予想EPS:106.75円、実績BPS:2,043.76円(PBR≈0.71倍)。
  • 配当利回り(予想):3.47%(配当50円、配当性向約25%)。
  • 参考:TTMベースのEPS(LTM 197.96円)ではPER約7.3倍だが、会社予想では利益縮小見通しのためフォワードPERは上昇。

7. テクニカル分析

  • 株価位置
    • 終値1,441円は50日移動平均1,583円、200日移動平均1,568円を下回る。
    • 年初来安値1,441円(当日安値と同水準)、52週安値帯(1,425円近辺)に接近。相対的に安値圏。
  • 需給
    • 信用買残321.5千株、売残153.0千株、信用倍率2.10倍。直近は買残が増加。

8. 財務諸表分析(単体、LTMおよび過年度)

  • 売上・利益
    • 売上高:3,267.8億円(LTM)/3,672.4億円(2024年3月期)/3,612.5億円(2023年3月期)/2,708.8億円(2022年3月期)
    • 営業利益:301.1億円(LTM)/380.7億円(2024)/380.6億円(2023)/317.7億円(2022)
    • 当期純利益:212.0億円(LTM)/279.6億円(2024)/308.5億円(2023)/319.4億円(2022)
  • 収益性(LTMベースの概算)
    • 粗利率:約17.8%(58.0/326.8)
    • 営業利益率:約9.2%(30.1/326.8)
    • 当期純利益率:約6.5%(21.2/326.8)
  • 効率・資本
    • ROE(実績):10.25%
    • 自己資本比率:71.7%/流動比率:2.33
  • キャッシュ・投資
    • 現金等:904億円(現金14,437+有価証券76,000百万円)
    • 金利費用が極小で実質無借金に近い財務構造。第1四半期の設備投資:71億円、減価償却:19.6億円。
  • トレンド
    • 2024期がピーク後、LTMでは減収減益。直近期(2026年3月期1Q)は売上-21.4%、営業利益-50.8%と減速。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 実績・予想とも年50円(中間25円・期末25円)。予想配当性向:約25%。
  • 自社株買い
    • 2025/4/1〜5/21に自己株式168.6万株を取得。期末自己株式:755.5万株。
  • 株主構成
    • インサイダー保有比率:約49%(上位:合同会社TOS、池谷科学技術振興財団 等)。機関保有:約18%。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 直近10日間は下落基調で年初来安値更新。52週リターン-28.8%と市場アンダーパフォーム。
  • 変動要因
    • 2026年3月期の下方寄り見通し、1Qでの販売単価下落と数量減(H形鋼需要の弱さ)。海外保護主義や原料スクラップ高が懸念材料。
  • イベント
    • 次回の基準日関連:権利落ち予定 2026-03-30(予定情報)。決算説明会は1Qで実施済。

11. 総評

  • 需要環境の弱さ(建設分野の工期ずれ等)と海外市況の逆風、原料価格の変動を背景に、足元は減収減益トレンド。会社計画も保守的で、フォワード指標のPERは業界平均より高い。
  • 一方で、電炉由来の低CO₂という構造的テーマ、強固な財務体質(自己資本比率70%超・高流動性)、多品種展開(建材+鋼板)は中長期の安定要因。
  • テクニカルには年初来安値圏・移動平均下でモメンタムは弱い。需給面では信用買いが増加。収益のボトム確認(価格政策、需要回復、原料安定)と、低CO₂製品の浸透度合いが注目点。

(注)本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とする助言ではありません。

12. 企業スコア

  • 成長性:C
    • 根拠:LTM売上は前年期比で減少(約-11%)。3年CAGRはプラスだが直近の減速を重視。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率約9%(1Qは約6.5%)。業界水準と比較して同水準〜やや上と評価。
  • 財務健全性:S
    • 根拠:自己資本比率71.7%、流動比率2.33、金利負担極小で安全性が高い。
  • 株価バリュエーション:C
    • 根拠:フォワードPERが業界平均を上回り、PBRも平均超(ただし1倍未満)。TTMでは低PERだが会社予想は減益見通し。

参考指標(抜粋)
– LTM:売上3,267.8億円、営業利益301.1億円、純利益212.0億円、EPS 197.96円
– 2026年3月期会社予想:売上2,935億円、EPS約107円、配当50円
– バリュエーション比較:業界平均 PER 8.0倍/PBR 0.6倍(提供値)


企業情報

銘柄コード 5423
企業名 東京製鐵
URL http://www.tokyosteel.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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