三東工業社(1788)企業分析レポート
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1. 企業情報
三東工業社は、滋賀県を地盤とする総合建設会社です。主に土木事業、建築事業、環境開発事業を展開しています。土木工事においては滋賀県内で首位の地位を誇り、山・治水、ダム・河川、道路・橋梁工事などを手掛けています。建築事業ではホテル、オフィス、工場、マンションなどの民間工事に注力しており、環境開発事業では環境関連の企画・調査・設計なども行っています。特に地中技術に定評があります。売上高の8割強を滋賀県内で計上しており、地域密着型の事業が特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は滋賀県において土木工事で首位の地位を占めており、地域内での競争優位性を持っています。特に「地中技術」に関する定評は、同社の技術力を示すものと言えます。一方で、売上高の大部分を滋賀県内で計上しているため、事業展開が地域需要に依存する傾向が見られます。建設業界全体としては、公共投資や一部民間投資で市場は拡大傾向にあるものの、建設コストの高騰や人手不足は共通の課題として存在します。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「現場力強化」「経費削減」「リスク管理の強化」を重点施策として継続的に取り組んでいます。事業構造としては、かつて官公需が中心だった土木事業から民間建築工事への軸足移動を進め、事業のバランスを図っています。また、滋賀県内の地域資源活用にも積極的な姿勢を示しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、公共工事が中心の土木事業による安定した収益基盤と、民間建築事業への注力による成長機会の追求を特徴としています。環境開発事業も手掛けており、多角化により事業リスクの分散と新たな市場ニーズへの適応を図っています。建設コスト高騰や人手不足といった業界構造の変化への適応力が、今後の収益性維持の鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
企業概要に「地中技術に定評」とあることから、地盤改良や地下構造物に関する技術力が同社の強みと考えられます。主力製品・サービスは、土木事業における各種公共工事と、建築事業における民間施設(ホテル、工場、マンションなど)の建設です。特に土木事業がセグメント利益の大半を占めており、収益を牽引する主要な事業分野です。
6. 株価の評価
現在の株価4,400円に対し、会社予想EPSは401.71円、PER(会社予想)は10.95倍です。業界平均PERが11.3倍であることと比較すると、やや割安な水準にあります。
実績BPSは5,439.51円であり、現在の株価は純資産価値(BPS)を下回っています(PBRは0.81倍)。業界平均PBR0.7倍と比較してやや高いですが、PBR1倍未満の評価を受けている状況です。
7. テクニカル分析
現在の株価4,400円は、年初来高値4,900円(52週高値4,900円)、年初来安値3,620円(52週安値3,545円)のレンジの中間からやや高値圏にあると言えます。直近10日間の株価推移を見ると、4,000円台前半から4,900円まで上昇した後、4,400円に調整している動きが見られます。50日移動平均線(4,056.20円)および200日移動平均線(3,983.07円)をともに上回って推移しており、現在のところ短期・中期的な上昇トレンドが継続していると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2021年6月期から一度減少したものの、2023年6月期以降は増加基調にあります。2025年6月期は8,199百万円と前期比10.8%の増収を達成し、直近12か月売上高の対前年同期比成長率も41.30%と高い伸びを示しています。
- 利益: 営業利益および純利益はコロナ禍からの回復で2023年6月期に一度ピークを迎え、2024年6月期に減少しましたが、2025年6月期にはそれぞれ327百万円(前期比+64.1%)、231百万円(前期比+74.7%)と大幅に回復しました。2025年6月期の営業利益率は4.0%に改善しています。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは、2023年6月期のマイナスから2025年6月期は79百万円のプラスに転換しました。投資活動によるキャッシュフローは継続的な支出を示しており、設備投資が行われていることがうかがえます。
- 収益性指標: ROEは過去12か月で7.17%、ROAは4.26%であり、安定的な水準と評価できます。
- 財務健全性: 自己資本比率は2025年6月期で66.5%と非常に高く、財務基盤は強固です。流動比率は2.42倍(242%)で短期的な支払い能力も高い水準にあり、有利子負債は極めて少なく、健全性の高い財務体質であると言えます。
9. 株主還元と配当方針
会社予想の配当利回りは1.59%、1株配当は70.00円です。配当性向(会社予想)は17.4%と、利益に対して無理のない水準です。2025年6月期は特別配当30円を含む年間100円の配当が実施されましたが、2026年6月期は普通配当のみの70円が予想されており、減配となる見込みです。自己株式も保有しており、株主還元への意識は認められます。筆頭株主は(有)東物産で12.83%を保有しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株式の直近の動きとしては、50日および200日移動平均線を上回って推移しており、上昇モメンタムが継続していると言えます。しかし、直近の出来高は平均1,930株と少なく、流動性は高くないと考えられます。信用買残は4,600株、信用売残は0株であり、売り方の圧力は限定的です。株価に影響を与える要因としては、滋賀県内の建設需要動向、建設業界全体の人手不足や資材価格の高騰、そして会社の業績予想(特に、今期の減配予想は株価に一定の影響を与える可能性があります)などが挙げられます。
11. 総評
三東工業社は、滋賀県内で確固たる地位を築く総合建設会社です。強固な財務体質と地域に根ざした事業展開が特徴であり、特に土木工事における競争優位性と地中技術に強みを持っています。直近の業績は売上高・利益ともに大幅な回復を見せ、営業利益率も改善傾向にあります。財務健全性については、自己資本比率の高さや有利子負債の少なさから非常に評価できます。
株価はPBRが1倍を下回っており、純資産価値で評価すると割安感が見られます。PERは業界平均とほぼ同水準です。テクニカル面では移動平均線を上回っており、上昇トレンドにありますが、流動性は高くありません。2026年6月期は特別配当が見送られることによる減配が予想されており、この点が今後の株価動向に影響を与える可能性があります。建設業界特有の課題であるコスト高騰や人手不足に対し、同社が今後どのような施策を進めるかにも注目が集まります。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM売上成長率(YoY)が41.30%と非常に高く、2025年6月期の売上高も前期比で10%以上増加。
- 収益性: A
- 2025年6月期の営業利益率が4.0%に改善し、利益も大幅に回復しています。建設業の特性を考慮しても堅調な収益性を有しています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率66.5%、流動比率2.42倍、D/E比率1.28%と、極めて強固で盤石な財務基盤です。
- 株価バリュエーション: A
- PERは業界平均と同水準であり、PBRは1倍を下回る水準で推移しており、純資産価値からすると割安感があります。
企業情報
銘柄コード | 1788 |
企業名 | 三東工業社 |
URL | http://www.santo.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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