世紀東急工業(1898)企業分析レポート
注記: 本レポートは公開情報に基づく情報整理であり、投資助言ではありません。数値は連結ベース、特記なき限り円。
1. 企業情報
- 概要: 東急建設系の道路舗装大手。関東・東日本を地盤に、道路・高速道路・橋梁の舗装工事、土木工事の計画・設計・施工・検査を展開。舗装資材の製造・販売、産業廃棄物の運搬・処理、建機の製造・修理・リース、不動産賃貸、スポーツ施設運営等も手掛ける。1950年設立、東京本社。
- セグメント構成(2025/3期売上構成・営業利益率):
- 建設 81%(営業利益率: 約10%)
- 舗装資材製造販売 19%(営業利益率: 約4%)
- その他 0%(営業利益率: 約16%)※規模小
- 上場: 東証プライム(建設業)
- 従業員: 1,152人、平均年齢40.5歳、平均年収767万円
- 主要株主: 東急建設 23.86%、東急 4.1%、自己株式 2.18% 等(インサイダー保有合計 37.5%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内舗装大手の一角。関東・東日本に強み。資材製造〜施工まで垂直統合し、外販も行う点が特徴。
- 競争優位性:
- 東急グループの基盤・ネットワーク
- 資材(アスファルト等)の内製・外販によるコスト・供給面の安定性
- 環境配慮・景観対応、各種舗装技術の蓄積
- 課題:
- 原材料(アスファルト・燃料)価格の変動影響
- 受注季節性・天候影響、人手不足対応
- 公共投資動向への感応度
- 市場シェア: 具体的シェアは未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計(2024–2026)要旨:
- 事業基盤の強靭化とサステナブル経営の推進
- 収益性重視(資材事業の収益改善、原材料高の価格転嫁・コスト最適化)
- 受注ポートフォリオの適正化(官民バランス、維持補修・更新需要の取り込み)
- DX/生産性向上(i-Construction、BIM/CIM、安全・品質・工程の高度化)
- 環境対応(省エネ舗装、リサイクルアスファルト等)
- 進捗(2026/3期1Q短信):
- 受注高 +27.7%(官公庁向け+115%)と積み増し
- 資材事業の採算改善(1Qセグ利益 497百万円、前年13百万円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 需要ドライバー: 老朽インフラの更新・維持補修、災害対策・国土強靭化、交通安全・騒音対策。中長期で底堅いテーマ。
- 収益モデル: 施工(工事粗利)+資材(製造・外販)。資材事業は価格改定・製造コスト管理の進捗が収益性の鍵。
- 適応力:
- 原材料高に対する価格転嫁・配合最適化・物流効率化で改善傾向
- 受注増により手持ち工事の厚みが増加(バックログの増勢が示唆)
- リスク: 原油系資材の価格変動、天候・季節性、公共投資の変動、人員確保コスト。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 低騒音・排水性舗装、ウォームミックス(省エネ)舗装、リサイクルアスファルト、景観配慮舗装等。環境・安全・長寿命化の技術ポートフォリオ。
- 収益牽引:
- 建設セグメントが売上の中心
- 2026/3期1Qは資材セグメントの利益改善が全社の増益寄与
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 1,452円、EPS(会社予想)106.53円、BPS 1,104.99円
- 指標比較:
- PER: 13.63倍(業界平均14.0倍比でやや低め)
- PBR: 1.31倍(業界平均1.1倍比でやや高め)
- EV/売上: 約0.46倍(EV ≒ 543億 + 有利子負債68億 − 現金151億 = 約461億、売上993億)
- EV/EBITDA: 約6.1倍(EBITDA 751億円→7,515百万円)
- 参考レンジ試算:
- 業界平均PER適用価格 ≈ 14.0 × 106.53 = 約1,491円
- 業界平均PBR適用価格 ≈ 1.1 × 1,104.99 = 約1,215円
- 補足: ネットキャッシュ約82.8億円(1株あたり約226円)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 現在値1,452円は50日線1,534円・200日線1,505円を下回る水準。
- 52週レンジ: 1,298–1,616円の中で下方寄り(安値比+12%、高値比-10%程度)。
- 足元の値動き: 直近10営業日は緩やかな下落基調。出来高は3カ月平均並み。
- 信用需給: 信用倍率0.58(売り残 > 買い残)。短期的な需給の振れに留意。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高(億円):851(2022)→924(2023)→880(2024)→993(LTM)
- LTM YoY: 約+12.9%、3年CAGR: 約+5.3%
- 収益性(LTM):
- 粗利率: 12.1%(2024: 11.3%、2023: 9.5%、回復基調)
- 営業利益率: 約5.9%(2024: 4.6%、2023: 2.9%)
- 当期純利益率: 約3.9%
- 1Q(季節要因含む)営業利益率: 約2.9%
- 効率性/資本:
- ROE: 9.45%(実績)
- ROA: 5.12%(LTM)
- 資本構成・流動性:
- 自己資本比率: 50.5%(実績)、52.1%(2025/6末)
- 流動比率: 1.41(2025/6末)
- D/E(総有利子負債/自己資本): 約16.8%
- ネットキャッシュ: 約82.8億円
- 利払能力: EBIT/支払利息 ≈ 84倍(LTMベース)
- キャッシュフロー: 1QのCF計算書は未作成(短信注記)。通期CF詳細は—。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 前期(2025/3期): 年間90円(中間45・期末45)
- 今期予想(2026/3期): 年間70円(中間35・期末35)
- 予想配当利回り: 約4.82%(株価1,452円)
- 予想配当性向: 約66%(70円/予想EPS106.53円)
- 5年平均配当利回り: 4.60%
- 自社株買い: 足元で特段の開示—(自己株口2.18%保有)。
- 株主構成: グループ・関係者比率が高く、浮動株は相対的に限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線を下回り、短期は弱含み。52週変化率 -4.1%。
- 出来高: 直近は概ね平均並み(3カ月平均15.5万株、直近10日13.7万株)。
- イベント:
- 決算発表予定: 2025年8月上旬(範囲指定)
- 権利落ち予定: 2026/3/30
- 影響要因: 原材料価格の動向、公共投資計画、受注動向(官公庁比率上昇)、価格転嫁の進捗など。
11. 総評
- 受注は官公庁向けを中心に拡大し、資材事業の採算改善で利益率は回復基調。LTMで売上・利益ともに2023/2024から改善。
- 財務は自己資本比率50%超、ネットキャッシュ基調で健全。利払負担は軽微。
- バリュエーションはPERで業界平均近辺、PBRは平均を上回る。EV/EBITDAは約6倍水準。短期テクニカルは軟調で、需給は売り優位。
- 注視点: 原材料・燃料価格、価格転嫁の継続、官民受注のバランス、季節性による四半期変動。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
理由: LTM売上+12.9%、3年CAGR約+5.3%。受注も拡大。
– 収益性: B
理由: 粗利率・営業利益率は回復し業界水準並〜やや改善。四半期の季節性で振れあり。
– 財務健全性: A
理由: 自己資本比率50%超、ネットキャッシュ、D/E低位、利払余力高い。
– 株価バリュエーション: B
理由: PERは業界平均近辺、PBRはやや高め、EV/EBITDAは中位水準。
データ出所: 2026年3月期 第1四半期決算短信、提示の財務・株価データ等
免責: 本資料は情報提供のみを目的とし、投資判断はご自身の責任でお願いします。
企業情報
銘柄コード | 1898 |
企業名 | 世紀東急工業 |
URL | http://www.seikitokyu.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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