6996 ニチコン 分析レポート(プライム市場・電気機器)
株価: 1,433円(2025-10-10終値)
時価総額: 1,003億円 / 発行株式数: 7,000万株
配当利回り(会社予想): 2.51% / PER(会社予想): 16.04倍 / PBR: 0.87倍
1. 企業情報
- 概要: 世界有数のコンデンサーメーカー。主力はアルミ電解コンデンサ(チップ/小型/大型缶)、導電性高分子アルミ固体/ハイブリッド、フィルムコンデンサ、電気二重層(EDLC)など。
- 周辺事業(NECST): 家庭用・公共/産業用蓄電システム、V2H、EV/PHV急速充電器、各種電源(研究・医療・産業)、瞬低/停電補償電源、小型Li-ion二次電池、センサー等。
- 用途分野: エネルギー・環境・医療、車載(ADAS/電動化)、白物家電・産業用インバータ、情報通信(データセンター等)。
- 事業構成(2025.3期): コンデンサ 56%、NECST 44%/海外売上比率 49%。
- 本社: 京都市中京区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: アルミ電解・フィルム領域で国内上位、グローバルでも上位の一角。MLCC主体の他社(村田など)とは領域がやや異なる。主要競合は日本ケミコン、ルビコン、TDK/Panasonic等が想定される。
- 競争優位性:
- 自動車・産業向けの高耐圧/高温/長寿命などの品質要求に対応できる製品群・信頼性評価力。
- 導電性高分子系(固体/ハイブリッド)での開発・量産力。
- 課題:
- 汎用品は価格競争が厳しく、原材料・為替の影響を受けやすい。
- エレクトロニクス需要循環の影響、地域政策(関税・補助金)への感応度。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(短信要約):
- 車載(ADAS/電動化)・情報通信(生成AIサーバー/データセンター)向け高付加価値コンデンサの拡販。
- NECSTで蓄電システムの新モデル(ESS-T5/T6)投入、EV充電インフラ/V2Hの需要取り込み。
- 具体施策:
- 開発から量産までのリードタイム短縮、販売体制の強化。
- 政策動向(国内EV充電整備、V2H補助金)や地域案件に応じた製品投入・需要捕捉。
- 通期見通し(2026年3月期 会社計画・据え置き):
- 売上高 1,800億円、営業利益 60億円、経常利益 70億円、純利益 60億円、EPS 89.34円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: コンデンサ(リプレース+新規装置/車載搭載拡大)とNECST(蓄電・EV充電・電源)によるポートフォリオ。
- 持続性の論点:
- 高付加価値の車載/データセンター向け比率を高めることで、価格競争の影響を相対的に低減。
- NECSTは政策/補助金・規制の影響が大きい一方で、再エネ・EV普及の構造的追い風に適合。
- リスク対応力: 為替や原材料コストの変動に左右される側面は残るが、堅健なバランスシート(自己資本比率57%超・実質ネットキャッシュ)により耐性はある。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- 導電性高分子アルミ固体/ハイブリッド、長寿命・高温対応、低ESR・高リップル対応など車載/サーバー用途の高度化。
- フィルムコンデンサ(ERシリーズ等)やEDLC、電源系(瞬低補償、医療・研究用)も強み。
- 主力/牽引:
- Q1はコンデンサ事業が増益寄与(営業利益 6.59億円)、NECSTは新機種投入前で小幅黒字(0.64億円)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 1,433円、会社予想EPS 89.34円、BPS 1,642.92円、現預金 251.9億円、借入 243.2億円、LTM売上 1,742億円。
- 指標比較:
- PER(予想): 16.04倍(業界平均 24.2倍) → 業界比でディスカウント。
- PBR: 0.87倍(業界平均 1.6倍) → 解散価値対比でディスカウント。
- EV/Sales(概算): EV ≒ 時価総額1,003億 + 有利子負債243億 − 現金252億 ≒ 994億円 → EV/S ≒ 0.57倍。1倍未満で落ち着いた水準。
- 参考関係:
- ROE ≒ EPS/BPS ≒ 89.34/1,642.92 ≈ 5.4%(実績ROE 5.31%と整合)。
※ 指標は提供データに基づく概算。市場環境・セグメント構成差を踏まえた相対比較が前提。
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日移動平均 1,373円、200日移動平均 1,224円。株価は両移動平均を上回り上昇トレンド。
- 位置づけ: 年初来高値 1,502円に接近するレンジ。直近は1,450円台から1,420円台の押し・戻りを繰り返す揉み合い。
- ボラティリティ/需給: Beta 0.43(低ボラティリティ)。10日平均出来高は3カ月平均をやや上回り、直近の投資家関心は高まりつつある。
8. 財務諸表分析(トレンド)
- 売上高: 2022/3 1,422億 → 2023/3 1,847億 → 2024/3 1,816億 → LTM 1,758億(足元は調整局面)。
- 収益性:
- 粗利率 LTM ≈ 16%(6/12期Q1ベースでも約16%)。
- 営業利益 LTM 52億円、営業利益率 ≈ 3%(会社開示のLTM指標では約1.8%も示唆、いずれにせよ低位)。
- 純利益 LTM 53〜59億円レンジ、純利益率 ≈ 3%。
- 効率性: ROE 5.05〜5.31%、ROA 1.69%(控えめ)。
- キャッシュフロー: 営業CF LTM 142億円、レバードFCF 43億円とプラス。
- 財務健全性: 自己資本比率 57.3%、流動比率 2.15倍、D/E(有利子負債/資本)≈ 21%・実質ネットキャッシュ小幅プラス。
- セグメント(2026/3期Q1):
- 売上: コンデンサ 242.9億(−2.0%)、NECST 153.0億(−6.5%)。
- 営業利益: コンデンサ 6.59億(8.2倍増)、NECST 0.64億(微減)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025/3期 35円 → 2026/3期(予想)36円。予想配当性向 40.68%、予想利回り 2.51%。
- 自社株: 自己株式比率 4.06%(保有残高の存在は確認)。新たな自己株買い方針の有無は不明。
- 方針: 具体的な株主還元方針の定量目標は開示情報では限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落 +47.3%と堅調。9/30に年初来高値1,502円を更新後、短期は調整からの持ち直し。
- 需給: 信用買残 14.7万株(前週比 +3.07万)、信用倍率 2.72倍。買い越し拡大で短期の値動きが振れやすい可能性。
- 影響要因: 為替(円高で為替差損発生の局面あり)、AIサーバー/車載需要、EV充電・V2Hの政策進捗、米国関税や中国景況など。
11. 総評
- 事業面: コンデンサの高付加価値領域(車載・データセンター向け)が牽引。NECSTは新機種投入前で足踏みも、中期的な政策/需要は追い風。
- 業績面: 売上は循環調整で微減、マージンは低位だが改善余地。為替影響が純利益に波及しやすい点は留意。
- 財務面: 自己資本比率57%超、実質ネットキャッシュで健全。CFも安定的。
- バリュエーション: PER/PBRとも業界平均に対しディスカウント、EV/Sも0.6倍弱。成長加速や収益性の改善が示されれば評価見直し余地に繋がる可能性がある一方、需要循環・政策・為替の変動が短中期のブレを生みやすい。
(本レポートは提供データに基づく分析であり、投資判断を目的とした助言ではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性: C
- 根拠: LTM売上 −3〜4%程度の減収、Q1も前年比 −3.8%。3年CAGRはプラスだが直近は調整。
- 収益性: C
- 根拠: 粗利率約16%、営業利益率約3%・ROE約5%と業界大手平均と比べ控えめ。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率57.3%、流動比率2.15倍、D/E≈21%、実質ネットキャッシュ・正のFCF。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER 16.0倍(業界 24.2倍)、PBR 0.87倍(業界 1.6倍)、EV/S ≈ 0.57倍と相対的に割安圏。
参考データ抜粋
– 2026年3月期Q1(4-6月): 売上 396億円(−3.8%)、営業利益 7.24億円(大幅増益)、純利益 11.87億円(−31.3%)。
– 年初来高値/安値: 1,502円 / 978円。
– 次イベント: 権利落ち日(予定)2026-03-30。
企業情報
銘柄コード | 6996 |
企業名 | ニチコン |
URL | http://www.nichicon.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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