北陸電気工事(1930)企業分析レポート

株価(終値):1,413円(2025-10-10)
時価総額:423億円
市場:東証プライム/建設業

1. 企業情報

  • 概要:電気設備工事を中心に、通信、空調・管工事、配電線、消防設備、鋼構造物工事などを手がける総合設備工事会社。エネルギー関連事業や不動産の販売・賃貸・管理も展開。1944年設立、本社は富山県富山市。
  • 特徴:北陸電力グループ(持分46.8%)。北陸電力向け売上は「3割強」。地盤の北陸から一般需要・公共工事を取り込みつつ、全国展開を進める。
  • 事業内訳(連結・2025/3期):内線・空調管工事63%、配電線工事26%、その他工事7%、兼業4%。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:地域電力系の有力電気工事会社。首都圏・関西圏に強い大手(例:九電工、関電工、きんでん 等)に比べると全国シェアは中堅規模だが、北陸地盤と電力関連案件に安定基盤。
  • 競争優位性:
    • 電力インフラ(配電・送電・変電)での実績と安全・品質ノウハウ。
    • 北陸電力グループとの関係性による安定受注。
    • 受注残の拡大(2026/3期1Q末 6,285億円、前期末比+51%)で中期の稼働確度が高い点。
  • 課題:
    • 建設業界共通の人手不足・技能伝承と賃金・外注費・資材価格の上昇。
    • 特定顧客(北陸電力関連)依存度のマネジメント。
    • 大都市圏の大型案件獲得に向けた競争の激化。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略(短信等の記載・開示の範囲):
    • 地域偏重の緩和に向けた全国展開の推進。
    • 公共工事・一般民需(内線・空調管)強化による受注源の多角化。
    • 工程・原価管理の徹底、コスト構造の改善。
  • 重点分野(推察を含まない開示ベース):
    • 配電線・送配電関連工事(電力インフラ維持・強靭化)。
    • 内線・空調管工事の大型案件(第1四半期受注の牽引役)。
    • 省エネ・防災・通信(5Gなど)関連の設備需要取り込み。
  • 中期計画:短信では詳細開示なし(業績予想は据え置き)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:受注工事の出来高計上。電力・公共・民需のバランスで景気変動リスクを緩和。受注残の拡大が将来売上の見通しを高める。
  • 適応力:
    • 受注構成の多角化(北陸電力絡み+一般顧客)。
    • 工程管理・原価低減の継続で採算確保を図る。
    • 人材確保・育成、協力会社との連携強化が収益維持の鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:電力インフラでの安全・品質管理、BIM/CIMやデジタル施工管理の導入、プレファブ化・省力化施工などの生産性向上が業界トレンド。
  • 主力領域:
    • 内線・空調管工事(売上構成の約6割)。
    • 配電線工事(約2割強)—電力会社案件の安定感。
  • 収益牽引:2026/3期1Qは内線・空調管の受注が拡大(受注全体の約61%)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 予想PER:13.64倍(業界平均 14.0倍)—やや下回る水準。
  • PBR:0.91倍(業界平均 1.1倍)。
  • EPS(予想):103.61円、BPS:1,555.24円。
  • 配当利回り(予想):3.11%(年44円、予想配当性向 約39%)。
  • EV/Sales(概算):約0.36倍
    • EV ≒ 時価総額423億 − 現金等226億 + 有利子負債11億 ≒ 198億
    • 売上高(LTM)556億
  • EV/EBITDA(概算):約3.3倍(LTM EBITDA 59.5億)。
  • 補足:現金等が多く(現金等/株 ≒ 808円)、実質ネットキャッシュ企業。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:現値1,413円は
    • 50日移動平均:1,463.6円を下回る(短期は調整基調)。
    • 200日移動平均:1,250.7円を上回る(中期は上向き継続)。
    • 52週レンジ(976–1,570円)の上方3/4付近。
  • 価格推移(直近10日):1,500円台から1,410円台へ下落。出来高は3ヶ月平均(約5万株)を下回る日が多い。
  • 需給:信用買残は12.8万株(倍率15.1倍)、前週比で買い残が減少(-3.0万株)。

8. 財務諸表分析

  • 売上成長:
    • 2022/3期 459億 → 2023/3期 448億 → 2024/3期 534億 → 2025/3期 556億円。
    • LTM YoY +4.1%、3年CAGR 約+6.6%。
  • 収益性(LTM・2025/3期ベース):
    • 粗利率:18.6%(103.7/556.1)。
    • 営業利益率:7.8%(43.5/556.1)。
    • 純利益率:5.7%(31.9/556.1)。
    • EBITDAマージン:10.7%(59.5/556.1)。
    • 参考:2026/3期1Qの営業利益率は3.2%(季節性・進捗影響)。
  • 効率性・資本収益性:
    • ROE(実績):7.43%、ROA:4.64%。
  • 安全性:
    • 自己資本比率:72.3%(2025/3期末)、77.4%(2026/3期1Q末)。
    • 流動比率:約388%(1Q末)。
    • 有利子負債:11億円、D/E約0.25%—実質ネットキャッシュ(現金226億円)。
  • 受注動向:
    • 2026/3期1Q 受注高:263億円(前年同期比+118%)。
    • 受注残:629億円(前期末比+51%)。
  • 四半期動向(1Q・前年同期比):
    • 売上 -7.7%、営業利益 -19.9%、純利益 -19.5%(採算は維持も売上減で減益)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想:年間44円(中間22円・期末22円)を継続予想。
  • 予想配当性向:約39%(LTM EPSベース)。
  • 自己株式:6.37%保有(直近での新規自己株買いの開示情報は本文資料内に記載なし)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週で+17.6%。直近は50日線を割り短期調整、200日線は上回る。
  • ボラティリティ:5年β 0.31(相対的に低ボラティリティ)。
  • イベント:
    • 次回決算:2025/7/末〜8/初に発表済み(1Q)。以降の具体日程は未記載。
    • 権利落ち予定:2026/3/30(予定)。
  • 流通株:インサイダー保有57.8%、フロート約896万株と流通は限定的。

11. 総評

  • 事業基盤:北陸電力向けを軸に、内線・空調・配電線の三本柱で安定性。受注残の積み上がりが中期の業績確度を押し上げる。
  • 成長性:LTMで増収、3年CAGRもプラス。1Qは減収だが受注は大幅増、期中以降の進捗に注目。
  • 収益性:LTMの営業利益率は7–8%台まで改善。一方、四半期は3%台と季節性・進捗影響を受けやすい。
  • 財務:実質無借金・高自己資本比率・高流動比率で非常に堅固。
  • バリュエーション:PER・PBRとも業界平均をやや下回り、ネットキャッシュを踏まえると指標面の水準は相対的に落ち着いている。
  • リスク:人手不足・原価上昇、特定顧客比率、案件進捗による四半期の振れ幅。

(本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。)

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上YoY +4.1%、3年CAGR約+6.6%。1Qは減収も受注残が厚い。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率約7.8%、EBITDA率約10.7%。足元1Qは3.2%。業界平均比較データが不足のため中立寄り評価。
  • 財務健全性:S
    • 根拠:自己資本比率72–77%、実質ネットキャッシュ、流動比率約388%、D/E 0.25%。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER13.6倍(業界14.0倍)、PBR0.91倍(業界1.1倍)、EV/S約0.36倍。赤字でないためPERも参照。

企業情報

銘柄コード 1930
企業名 北陸電気工事
URL http://www.rikudenko.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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By シャーロット

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