古河機械金属(5715)企業分析レポート
株価:2,696円(2025-10-10終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:1875年創業の総合素材・機械メーカー。ロックドリル(削岩機)で国内最大手、高純度ヒ素で世界首位。機械(三事業:産業機械・ロックドリル・ユニック)、素材(金属・電子・化成品)、不動産・その他を展開。祖業の銅製錬は縮小。
- 主な事業
- 産業機械:砕石プラント、粉砕・選別、集塵・水処理設備等
- ロックドリル:油圧クローラドリル、トンネルドリルジャンボ、ブレーカー等
- ユニック:トラック搭載型クレーン、ミニクローラクレーン、海洋クレーン
- 金属:電気銅・電気金・電気銀、硫酸等(収益は相場・為替影響大)
- 電子:高純度ヒ素、ガリウム・リン系材料、回路部材、アルミナ/窒化アルミニウム(AlN)セラミックス、回折光学素子等
- 化成品:酸化銅・亜酸化銅、硫酸第二鉄等
- 不動産・その他:賃貸・仲介、粉体、鋳物、運輸等
- セグメント構成(売上比率の目安):産機11%、ロックドリル17%、ユニック14%、金属46%、電子3%、化成品5%、不動産1%、他2%(カッコ内は参考的な利益率水準)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 強み
- ロックドリル:国内最大手のブランド力と導入実績、アフターサービス網
- 高純度ヒ素:世界首位シェアの希少性・品質優位(半導体/光デバイス用途)
- 事業分散:機械(投資財)と素材(相場連動)のポートフォリオで景気循環を緩和
- 主な競合
- 掘削・掘進機:サンドビック、エピロック、コマツ等
- トラッククレーン:タダノ等(国内のトラック搭載型クレーンで競合)
- 非鉄素材:国内外大手製錬・商社各社
- 課題
- 金属相場・為替の影響が大きい(金属売上構成比が高い)
- 産業機械の受注残減(1Q末:86億円、前年同期比△55億円)
- ユニックの出荷減(短期的な減収減益見通し)
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性(短信・開示の記載/示唆)
- 機械事業の収益性改善:原価低減、追加原価縮小、製品ミックスの改善
- 素材事業の安定運営:相場前提の見直し、委託損益・在庫評価の適切化
- 電子・化成品の強化:高純度金属・コイル・AlNセラミックス等の成長ドメイン拡大
- 財務健全性維持:有利子負債抑制、自己資本比率50%超を維持
- 2026年3月期の見通し(会社予想)
- 売上194,000百万円(前年比△3.6%)、営業利益7,700百万円(△21.1%)、純利益5,400百万円(△71.0%)、EPS 159.39円
- ロックドリルは利益率改善、ユニックは出荷減で減益見込み。金属は相場上振れ想定。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 機械:新設・更新投資+保守・消耗品のストック型収益が一定比率
- 素材:相場・為替に連動するフロー収益(価格ヘッジ・在庫管理が鍵)
- 不動産:安定高利益率の補完
- 適応力
- 受注型ビジネスのコスト管理改善が進捗(前期の追加原価縮小)
- 電子・化成品の高付加価値化で景気・相場のブレを平準化
- 地政学・通商政策・為替・銅価など外部要因の影響は引き続き大きい
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性
- 高純度ヒ素:極微量不純物管理のプロセスノウハウで世界上位
- AlNセラミックス、回折光学素子等の先端材料
- ロックドリル・油圧機器の耐久性・施工効率、デジタル/遠隔監視の適用余地
- 収益牽引
- 機械:ロックドリルの利益率改善、産業機械の黒字化継続
- 素材:電気金の販売増・相場上昇寄与、電子部門はコイル・高純度金属が堅調
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 実績・予想指標
- 株価:2,696円、時価総額:982.6億円
- 予想EPS:157.78円(会社予想に準拠)、PER:約17.1倍
- 実績BPS:3,828.57円、PBR:約0.70倍
- EV概算:1,368.9億円(時価総額982.6+有利子負債545.1-現金158.7)
- EV/Sales:約0.68倍(EV 1,368.9/売上 2,021.5)
- EV/EBITDA:約9.0倍(EBITDA 151.6)
- 参考比較
- 業界平均:PER 80.4倍、PBR 0.8倍
- コメント:PBRは業界平均を下回り、PERも平均比で低位。相対的には割安圏。ただし今期予想は減益見込みで、利益水準の変動に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均:2,748円、200日移動平均:2,256円
- 現在値は50日線をやや下回り、200日線を上回る。中長期上昇トレンドを保ちながら、短期は調整局面。
- 位置取り
- 年初来高値:3,070円、安値:1,519円。現状は高値から約12%下、安値からは大幅上昇後の中位~やや上のレンジ。
- 需給
- 信用倍率:9.47倍(買い長)。信用買残は前週比で減少、売残はやや増加。短期は戻り待ちの売り・需給整理の影響に留意。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上:2022/3 199,097 → 2023/3 214,190 → 2024/3 188,255 → 過去12か月 201,216(前年比+6.9%)
- 2026/3 1Q:売上+2.0%、純利益+6.4%(前年同期比)
- 収益性(LTMベース)
- 粗利率:約14.7%(29,556/201,216)
- 営業利益率:約4.9%(9,765/201,216)
- 実効純利益率:約9.3%(一過性の影響含む)。正規化純利益率:約3.4%(Normalized 6,871/201,216)
- EBITDAマージン:約7.5%(EBITDA 15,160/売上)
- ROE(実績):14.28%、ROA:2.47%
- 安定性・効率
- 自己資本比率:50.9%(1Q末 52.2%)
- 流動比率:2.17倍、有利子負債/自己資本:41.2%、現金同等物:158.7億円
- コメント
- 2024/3に減収後、LTMは回復。利益は一過性の寄与が大きく、正規化では中位水準。財務安全性は良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期実績:年70円(中間30・期末40)
- 2026/3期会社予想:年70円(同水準)
- 予想配当利回り:約2.6%(株価2,696円)
- 予想ベース配当性向:概ね44%(70円/EPS 157.78~159.39円の範囲で試算)
- 自社株
- 自己株式を保有(期末自己株式数 2,567,384株)。直近の新規自己株買いの開示は確認できず(短信記載なし)。
- 過去平均
- 5年平均配当利回り:約4.1%(現在はそれを下回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 短期:直近10営業日で下落基調(2,872円→2,696円)。出来高は概ね3カ月平均並み。
- 中期:52週騰落+58.1%と強含み。200日線上でトレンド継続。
- 需給・関心
- 機関保有比率:約31%、インサイダー約30%(データ提供値)。信用買い長で短期変動性に注意。
- 影響要因
- 銅・金など非鉄相場、為替(円安/円高)、地政学・通商政策、受注残の推移、ユニック出荷動向、電子材料の需要。
11. 総評
- 機械(特にロックドリル)と電子・化成品の高付加価値領域を伸ばしつつ、金属相場に左右される収益の平準化を図る戦略。1Qは増収増益で、機械の原価改善が奏功。
- 財務は堅実(自己資本比率50%超、流動比率2倍超)。配当は維持方針で予想性向は40%台。
- バリュエーションはPBR0.7倍、PER17倍で業界平均比では割安。一方、通期は減益予想で、利益水準のブレ(相場・為替・受注/出荷)に注意が必要。
- テクニカルは中長期上昇継続のなか短期調整。信用買い長のポジションが短期ボラティリティに影響し得る。
(本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を推奨するものではありません)
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比+6.9%と回復も、3年CAGRは概ね横ばい域。今期会社予想は減収見通し。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約5%、EBITDAマージン約7.5%。正規化純利益率は約3~4%台。業界内で中位水準と評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率50%超、流動比率2.17倍、D/E約41%で健全。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER17倍・PBR0.7倍で業界平均(PER80.4、PBR0.8)を下回る。EV/Sも0.68倍と低位。
参考データ
– 発行済株式数:36,445,568株
– 予想EPS:157.78円、実績BPS:3,828.57円
– ROE(実績):14.28%、自己資本比率:50.9%
– 今後のイベント:2025-11-07 決算発表予定、2026-03-30 権利落ち予定日(配当)
企業情報
銘柄コード | 5715 |
企業名 | 古河機械金属 |
URL | http://www.furukawakk.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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