1. 企業情報

櫻島埠頭株式会社は、大阪港を基盤とする商業埠頭会社です。主な事業は、石炭、コークス、原塩などの「ばら貨物」の荷役・保管、石油製品や化学品などの「液体貨物」の荷役・貯蔵、そして物流倉庫事業(化学品センター、冷蔵・低温倉庫など)です。その他、太陽光発電による売電事業も展開しています。設立は1948年で、長年にわたり大阪港の物流を支えてきた歴史があります。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は「大阪唯一の商業埠頭会社」という説明から、大阪港内において強固な事業基盤を有していると考えられます。特定の地域に特化し、ばら貨物や液体タンク群といった専門性の高い設備を持つことで、大阪港における競争優位性を確立しています。一方で、港湾運送業界全体では、景気変動や国際貿易、エネルギーコストの高騰などが事業環境に影響を与える可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

同社は、第4次中期経営計画(2024年~2026年)において「産業構造の変化に対応する次世代ビジネスへのStep2」を掲げています。具体的な施策としては、設備の計画的な更新、新規倉庫の整備、タンク設備の更新・新設の検討を進めています。ばら貨物向け汎用倉庫の新設準備や、液体貨物での設備メンテナンス強化、倉庫事業でのパートナー連携による収益改善などが重点的に推進されています。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、港湾インフラの提供・運営を核としており、比較的安定した収益基盤を持っています。ばら貨物、液体貨物、物流倉庫と複数の事業を展開することでリスク分散を図っています。特に液体貨物事業は安定稼働しており、収益を牽引しています。市場ニーズへの適応としては、多様な貨物に対応できる設備と、低温倉庫のような専門性の高い物流サービスを提供することで、変化に対応しようとしています。ただし、景気動向や国際情勢、エネルギーコストの変動が事業収益に影響を与える可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

開示情報からは、特定の画期的な技術革新に関する具体的な言及は見られません。しかし、効率的かつ安全な荷役・貯蔵サービスを運用するための設備投資やメンテナンスを通じて、サービスの質を維持・向上させていると推測されます。収益を牽引している主力製品・サービスは、主に「液体貨物」の荷役・貯蔵事業です。第1四半期決算では、液体貨物セグメントが売上高350百万円、営業利益148.1百万円を計上し、連結営業利益の大部分を稼ぎ出しています。また、「ばら貨物」も売上高548百万円で最大の売上を構成しており、事業の柱となっています。

6. 株価の評価

  • 前日終値: 1,821円
  • EPS(会社予想): 145.05円
  • PER (会社予想に基づく計算値): 1,821円 ÷ 145.05円 = 約12.55倍
  • 業界平均PER: 11.8倍
  • PBR(実績): 0.41倍 (データ上)
  • PBR (実績BPSに基づく計算値): 1,821円 ÷ 4,598.16円 = 約0.396倍
  • 業界平均PBR: 0.5倍

現在の株価は、会社予想PERで計算すると業界平均PERよりやや高めの水準にあります。一方で、PBRは業界平均PBRと比較して低い水準にあり、実績BPSから見ると割安感があるとも考えられます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、10月3日の1,915円から翌営業日以降、緩やかに下落傾向にありました。10月10日の終値は1,879円で、前日終値(1,821円)からは上昇していますが、年初来高値2,059円と比較すると約9%低い水準にあります。また、年初来安値1,420円からは上昇しており、株価は年初来のレンジの中央やや高めの水準に位置していると見ることができます。直近の日々の出来高は数千株と少なく、流動性は高くないようです。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:

    • 2022年3月期: 4,198百万円
    • 2023年3月期: 3,865百万円
    • 2024年3月期: 4,112百万円
    • 過去12ヶ月 (LTM): 4,338百万円
    • 2025年3月期 (会社予想): 4,100百万円

    売上高は一度減少したものの近年回復基調にあり、LTMでは過去数年で最高水準です。ただし、2025年3月期の会社予想では前期比で若干の減収を見込んでいます。
    利益:
    – 営業利益は2022年3月期の108百万円から2024年3月期の235百万円へと順調に増加しました。過去12ヶ月では203百万円となっています。
    – 親会社株主に帰属する純利益も2022年3月期の177百万円から過去12ヶ月では232百万円と堅調に伸びています。
    – 第1四半期(2026年3月期)の連結実績では、売上高1,037百万円(前年同期比+12.2%増)、営業利益92百万円(同+270.6%増)、純利益103百万円(同+106.2%増)と大幅な増益を達成しており、好調なスタートを切っています。
    収益性指標:
    – ROE(実績): 3.51%

    ROEは、業界平均との比較がないため一概には評価しにくいですが、やや低い水準です。
    財務健全性:
    – 自己資本比率(実績): 62.8%
    – 自己資本比率(第1四半期末): 63.9%
    – 流動比率(第1四半期末): 約199%

    自己資本比率は非常に高く、流動比率も良好な水準であり、財務体質は極めて健全であると評価できます。

    9. 株主還元と配当方針

    • 配当利回り(会社予想): 2.13%
    • 1株配当(会社予想): 40.00円
    • 配当性向(会社予想): 会社予想1株当たり当期純利益145.05円に対し、40円の配当は配当性向約27.6%に相当します。

同社は安定的な配当を実施する方針であり、2025年3月期、2026年3月期ともに年間40.00円の配当を予想しています。自社株買いに関する情報は開示されていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は、一時的に高値を付けた後、軟調な推移が見られますが、年初来安値から大きく上昇した水準を維持しています。日々の出来高は少なく、市場全体の投資家からの関心は限定的と推察されます。信用買残は減少し、信用売残は0であることから、個人の買いが少しずつ手仕舞いされている状況ですが、特段の需給要因による大きな変動は見られません。
株価に影響を与える要因としては、大阪港の貨物取扱量、エネルギー価格などのコスト変動、中期経営計画の進捗、そして定期的に発表される四半期決算内容が挙げられます。

11. 総評

櫻島埠頭は大阪港に強固な基盤を持つ港湾運送会社であり、安定した財務体質と収益基盤を持っています。特に液体貨物事業が収益を牽引し、近年は利益が堅調に推移しています。第1四半期の業績も好調に推移しており、収益力の改善が見られます。経営戦略としては、中期経営計画に基づき設備投資や新規事業の検討を進めており、事業の持続可能性を高める努力がうかがえます。株価バリュエーションではPBRに割安感がある一方で、PERは業界平均よりやや高めです。株価は年初来のレンジでは中位圏ですが、直近は調整局面にあるようです。出来高が少なく、市場からの注目度は限定的ですが、安定した事業運営と健全な財務が特徴と言えるでしょう。

12. 企業スコア

  • 成長性: B
    • LTM売上成長率(YoY)は+5.49%、直近3年の売上CAGRは約+6.09%と成長傾向にあります。しかし、2026年3月期の会社予想では売上高が前期比で△5.5%の減収を見込んでおり、成長性には不透明な要素があるため「B」と評価しました。
  • 収益性: A
    • LTMの営業利益率は約4.68%、EBITDA率は約17.09%です。最新の第1四半期では売上総利益率が約23.1%、売上高営業利益率が約8.9%と、前年同期比で大幅な増益を達成しており、収益性の改善が顕著です。業界平均データがないものの、安定した事業構造と利益率の改善を評価し「A」としました。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率は前期末で62.8%、第1四半期末で63.9%と非常に高く、財務基盤は強固です。流動比率も約199%と健全な水準にあります。これらの指標を総合的に判断し、「S」と評価しました。
  • 株価バリュエーション: A
    • PER(会社予想に基づく計算値)は約12.55倍で業界平均(11.8倍)よりやや高めです。一方、PBR(実績BPSに基づく計算値)は約0.396倍と業界平均(0.5倍)を下回っており、純資産に対して割安感があると言えます。PBRの割安感を重視し、「A」と評価しました。

企業情報

銘柄コード 9353
企業名 櫻島埠頭
URL http://www.sakurajima-futo.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業

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