グリーホールディングス (3632) 企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
1. 企業情報
グリーホールディングス株式会社は、2004年に設立され、ゲームSNS「GREE」の運営から事業を開始しました。現在は、主にスマートフォンゲームを主軸とするゲーム事業、スマートフォン向けメタバース「REALITY」などを提供するメタバース事業、アニメやマンガなどのコンテンツ制作・ライセンスを行うIP事業(2025年4月新設)、SaaSソリューションやDXコンサルを提供するDX事業、インターネット・IT領域のファンド・スタートアップ投資を行う投資事業の5つのセグメントで事業を展開しています。2025年1月にはGREE, Inc.から現在の社名に変更しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社はソーシャルメディア黎明期からSNS「GREE」を運営してきましたが、現在はスマートフォンゲーム事業が連結売上の約65%を占める主力事業となっています。近年はメタバースやWeb3といった新たな領域への参入、DXソリューションの提供、IP事業の強化、投資事業による次世代ビジネスへの関与など、多様な事業ポートフォリオを構築し、市場ニーズの変化に対応しようとしています。しかしながら、主力ゲーム事業の軟調が示唆されており、競争環境は依然として厳しいものと推察されます。具体的な市場シェアデータは提供情報に含まれていません。
3. 経営戦略と重点分野
同社は中期的な方針として「事業ポートフォリオの安定収益力向上」「国内外ユーザー拡大」「コンテンツ・サービス拡充」を掲げています。
2025年6月期には、コマース事業をDX事業へ統合し、IP事業を新設するなど組織再編を実施しており、事業ポートフォリオの再構築と収益源の多様化に向けた施策を継続しています。特にメタバース事業においては、REALITYのコンテンツ・機能拡充とグローバル展開、費用効率化を図っています。DX事業ではリカーリング型モデルへの転換投資を進めています。投資事業を通じてインターネット・IT領域への戦略的投資も行い、新たな成長機会を模索しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益モデルは、主力であるスマートフォンゲームのアイテム販売や広告収入が中心です。加えて、メタバース、IP、DX、投資といった多角的な事業展開により、市場ニーズの変化への適応を図っています。特にゲーム事業においては既存タイトルの長期運営と海外展開、新規タイトルの開発を進める一方で、メタバースやDXといった成長分野での収益基盤の確立を目指しています。投資事業は成長機会をもたらす可能性を秘める一方で、市況や投資先の評価に左右されやすく、収益の変動要因となる可能性があります。2025年6月期はゲーム事業が軟調である一方、投資事業は評価損益の影響を受けています。
5. 技術革新と主力製品
具体的な技術開発に関する詳細な記述は少ないですが、Web3事業への参入や、スマートフォン向けメタバース「REALITY」の展開から、XR(VR/AR)やブロックチェーンなどの先端技術領域への投資意欲がうかがえます。
現在の主力製品・サービスは、売上構成から見てゲーム事業、特に既存のスマートフォンゲームが収益を牽引しています。次いでメタバース事業の「REALITY」が主要な柱の一つです。IP事業やDX事業も今後の成長ドライバーとして位置付けられています。
6. 株価の評価
現在の株価は419.0円です。
過去12か月のDiluted EPSは6.91円であるため、PER(株価収益率)は 約60.64倍(419.0円 ÷ 6.91円)となります。業界平均PERが23.2倍であることと比較すると、PERは高水準にあります。これは、直近の純利益が大幅に減少しているためと考えられます。
一方、PBR(株価純資産倍率)は0.77倍(実績)です。1株当たり純資産(BPS)542.93円に対して株価が低く、業界平均PBR 2.3倍と比較すると割安な水準にあります。
PERに比べてPBRが割安な水準にあるものの、純利益の急激な減少と今後の業績予測の不確実性が株価に影響を与えている可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価419.0円は、年初来高値628円から大きく下落しており、年初来安値419円と同水準に位置しています。直近10日間の株価推移を見ても、453円から419円へと下降傾向にあり、短期的な下落の勢いが見られます。
50日移動平均線(457.18円)と200日移動平均線(499.65円)を共に下回っており、中長期的な下降トレンドにあることを示唆しています。現在の株価は、これらの移動平均線を大幅に下回る安値圏にあると評価できます。
8. 財務諸表分析
損益計算書を見ると、連結売上高は2023年6月期の754億円をピークに、2024年6月期613億円、2025年6月期(LTM)571億円と継続して減少傾向にあります。
営業利益も同様に、2023年6月期の125億円から、2025年6月期(LTM)49億円へと減少しています。特に親会社株主に帰属する当期純利益は、2023年6月期93億円、2024年6月期46億円から、2025年6月期(LTM)12億円と大幅に減少。これには為替差損や投資先評価の影響も影響しています。
営業利益率は2023年6月期の16.6%から、2025年6月期(LTM)では8.5%まで低下しています。
キャッシュフローについては、営業キャッシュフローが2024年6月期の35億円から2025年6月期(LTM)6.7億円に大幅に減少しました。一方で、財務キャッシュフローは長期借入れによりプラスに転じ、期末の現金及び現金同等物は増加しています。
自己資本比率70.0%、流動比率544%、D/Eレシオ27.44%と、財務健全性は非常に高い水準を維持しています。しかしながら、ROE(自己資本当期純利益率)は1.27%(LTM 1.21%)と、収益性の著しい悪化を反映して低い水準にあります。
9. 株主還元と配当方針
会社は連結配当性向70%を上限、DOE(純資産配当率)3%程度を確保しつつ、連結配当性向30%程度以上を目処に安定還元を基本方針としています。
2025年6月期の実績配当は年間14.50円(普通配当4.50円、創立20周年記念配当10.00円)でした。記念配当が含まれるため、連結配当性向は207.7%と高くなっています。記念配当を除いた普通配当(4.50円)の場合、LTM EPS 6.91円に対して配当性向は約65.1%となり、会社の方針範囲内です。
現在の株価419.0円とForward Annual Dividend Rate 4.5円から計算される予想配当利回りは1.07%です。直近の自社株買いに関する明確な情報はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下降傾向にあり、年初来安値に到達しています。S&P 500が年間で大きく上昇しているのに対し、同社の株価は52週間で12.34%下落しており、市場全体と比較して劣後しています。
出来高は直近3ヶ月平均や10日平均と比べて本日やや高い水準にあります。
信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率は7.50倍となっています。
投資家関心に影響を与える要因としては、主力ゲーム事業の軟調な推移、投資事業における評価損益の変動、メタバース・Web3といった新規事業の成長性への期待と不確実性、そして連結業績予想が未開示であることによる先行き不透明感が挙げられます。特に純利益の大幅な減少は、投資家の懸念材料となっている可能性があります。
11. 総評
グリーホールディングスは、SNSおよびゲーム事業で培った基盤を元に、メタバース、IP、DX、投資といった多角的な事業展開を進めています。特に、成長領域への積極的な投資や事業ポートフォリオの再編は、将来的な収益基盤の多様化を目指す経営戦略と整合しています。しかし、現在の主力であるゲーム事業が軟調なことに加え、投資事業における損益変動、為替差損が重なり、近年は売上高および利益の水準が著しく低下しています。特に2025年6月期は純利益が大幅に悪化しました。
財務体質は非常に健全であり、豊富な現金と高い自己資本比率を保っていますが、収益性の指標は悪化しており、資本効率も低下しています。
株価は年初来安値圏にあり、PBRは割安感がありますが、PERは直近の低い純利益を反映して高水準です。現状、連結業績予想が非開示であるため、今後の収益改善や事業成長に対する見通しの不確実性が高い状態です。
12. 企業スコア
- 成長性:C
- 過去数年間の売上高は減少傾向にあり、LTM売上成長率(YoY)もマイナス6.8%と売上の縮小がみられます。
- 収益性:C
- 営業利益率(LTM 8.5%)は、過去数年と比較して大幅に低下しています。ROEも1.21%と低く、全体の収益性が悪化している状況です。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率70.0%、流動比率544%、D/Eレシオ27.44%と、極めて高い財務健全性を保っています。負債は少なく、自己資金が豊富です。
- 株価バリュエーション:C
- PBRは0.77倍と業界平均(2.3倍)を下回り割安感がありますが、PERは60.64倍と直近の低い利益水準により業界平均(23.2倍)を大きく上回っています。純利益の大幅な悪化と連結業績予想の非開示による将来の不確実性を考慮すると、割安とは判断しにくい状況です。
企業情報
銘柄コード | 3632 |
企業名 | グリーホールディングス |
URL | https://hd.gree.net/jp/ja/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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