グリーホールディングス(3632)企業分析レポート
株価:419円(2025-10-10終値ベース)
市場:東証プライム/情報・通信業
時価総額:約753億円
1. 企業情報
- 概要:ゲーム、メタバース、IP、DX、投資の5事業を展開。スマホ向けゲームの企画・運営(GREE/WFS/GREE Studios等)、メタバース「REALITY」、VTuber関連、Web3(ブロックチェーンゲーム)、アニメ・マンガIP、SaaS型DXソリューション、インターネット領域への投資を行う。
- 体制:2025年1月にグリーホールディングスへ社名変更。2004年設立、港区六本木に本社。従業員1,489名。
- 事業構成(2025/6期 売上/セグ利益 百万円):
- ゲーム:36,936 / 4,596
- メタバース:8,276 / 660
- IP:1,737 / 282
- DX:7,041 / 922
- 投資:3,346 / ▲413
- 連結営業利益:4,860(全社費用調整後)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ:国内スマホゲームを軸に、メタバースやIP・DXへポートフォリオを拡張する中堅クラス。ヒット依存度を下げるための多角化が特徴。定量的な市場シェアは非開示。
- 競争優位性:
- ゲーム長期運営の運営ノウハウ、マルチブランド(GREE/WFS/Studios)の開発体制
- 「REALITY」によるメタバース×モバイルの先行アセット
- 高い自己資本比率・潤沢な流動性による投資余力
- 課題:
- ゲーム既存タイトルの収益減少と新作の収益貢献のタイミングギャップ
- 投資事業・為替等の外部要因による業績変動性
- メタバース・Web3領域の市場規模・規制/収益化モデルの不確実性
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針(会社開示):事業ポートフォリオの安定収益力向上、国内外ユーザーの拡大、コンテンツ・サービスの拡充。
- 重点施策:
- 組織再編:コマースのDX統合、IP事業新設(2025/4/1)で収益源を多様化
- ゲーム:既存タイトルの長期運営・海外展開、新規タイトル開発
- メタバース:「REALITY」の機能/コンテンツ拡充、費用効率化とグローバル展開
- IP:アニメ・マンガ・ライセンスの収益化基盤を整備
- DX:SaaS/コンサルのリカーリング型へシフト
- 投資:VC/スタートアップ投資継続(市況の影響を考慮)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:ゲームのアイテム課金・広告、REALITYのデジタルアイテム/機能課金、IPのライセンス・制作、DXのSaaS/受託、投資の評価・売却益等。
- 持続性評価:
- ゲームはヒット依存だが、長期運営・海外展開で安定性向上を志向
- メタバース/VTuberは成長余地と同時に変動性も高い
- 投資は市況連動でボラティリティが大きく、連結利益のブレ要因
- 高い自己資本比率と手元資金で環境変化への耐性は相対的に高い
5. 技術革新と主力製品
- 技術/プロダクト:
- メタバース「REALITY」(スマホ特化、アバター/配信等)
- Web3/ブロックチェーンゲームの開発・パブリッシング
- ゲーム開発はWFS/GREE Studios等の内製体制
- IP領域:アニメ・マンガ制作/配信、DADAN(マンガアプリ)、DEDEN(電子書籍運用SaaS)
- 収益牽引:
- 2025/6期はセグ利益ベースでゲームが中核(営業利益4,596百万円)。メタバース・DXも黒字寄与。投資は損失。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- PBR(実績):0.77倍(BPS 542.93円、株価419円)— 業界平均2.3倍と比較して低位。
- PER(参考・TTM):約60.7倍(419円/6.90円)。業界平均PER 23.2倍と比べ高位(当期純利益が低水準のためPERの有用性は限定的)。
- EV/S(概算):約0.91倍(EV約521億円=時価総額753億+有利子負債257億−現金489億、売上571億)。1倍未満で資産/売上対比は抑制的。
- 補足試算(参考値・目安):
- 業界平均PBR 2.3倍をBPSに適用した場合の参考株価:約1,250円
- 業界平均PER 23.2倍をEPS(TTM)に適用した場合の参考株価:約160円
指標間で示唆が分かれる(利益が低い局面ではPERが割高に出やすい一方、PBR/EV/Sは低位)。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日線(約457円)、200日線(約500円)を下回り、下落基調。
- 位置:年初来安値圏(年初来安値419円、52週安値401円付近)。短期は戻り売りの抵抗帯として434〜457円(直近レンジ高値〜50日線)が意識されやすい一方、410〜420円が下値の目安。
- 出来高・信用:10日でじり安、出来高は平均並み。信用倍率7.5倍と買い残優位で、需給の振れに注意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益動向:
- 売上高:74,906(2022/6)→75,440(2023/6)→61,309(2024/6)→57,111(2025/6、△6.8%YoY)
- 営業利益:11,498→12,498→5,982→4,860(減益傾向)
- 当期純利益:10,122→9,277→4,629→1,194(為替・投資評価影響等で悪化)
- 収益性:
- 粗利率:約51%(29,209/57,111)
- 営業利益率:約8.5%(会社提示)
- 純利益率:約2.1%(TTM)
- ROE:約1.3%、ROA:約2.3%(低水準)
- キャッシュフロー・財政状態:
- 営業CF:+674百万円(前期+3,502から縮小)
- 投資CF:+312百万円
- 財務CF:+6,023百万円(長期借入れ9,000が主因)
- 現金同等物期末:839億円、流動比率:約5.4倍、自己資本比率:70%
- 総有利子負債:約257億円、ネットキャッシュ約232億円(現金−有利子負債)
- セグメント:
- ゲームの収益縮小をメタバース/DXが補完。投資セグメントは評価替えで損失。
9. 株主還元と配当方針
- 2025/6期の配当:年間14.5円(普通4.5円+創立20周年記念10円)。配当性向約208%(一過性の記念配当含む)。
- 2026/6期の配当予想:未定。
- 方針:連結配当性向30%程度以上を目安、上限70%、DOE約3%を確保し安定還元を基本とする旨を開示。
- 参考利回り(株価419円):普通配当4.5円ベースで約1.1%(記念配当を含めた前期実績ベースでは約3.5%、ただし一過性)。
- 自社株:信託口分等の取り扱い注記あり。自己株取得の新規公表は本データ内では未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日:453円→419円と下落基調、陰線優勢。
- 3カ月〜年初来:50日・200日線とも下向き。52週変化率は約▲12%。ベータ0.03と市場連動性は低い。
- 需給:信用買残が増加(前週比+79.9千株)、信用倍率7.5倍で買いに偏り。出来高は3カ月平均と同程度。
- 予定イベント:2025-11-06 決算予定(投資事業や為替の影響に注意)。2025-06-27が直近の権利落ち日。
11. 総評
- 収益面では、ゲームの成熟化と投資・為替の影響から減収減益が続き、ROEは低水準。一方、メタバース(REALITY)やDXは黒字貢献し、事業の多角化は着実に進む。
- 財務安全性は高く、ネットキャッシュを確保しているため、新規投資や不確実性への耐性は相対的に強い。
- バリュエーションはPERが高水準、PBR・EV/Sは低位と分かれる。利益が低い局面ではPERの説明力が低下するため、資産・売上対比の指標も併用が有用。
- テクニカルは安値圏で弱含み。短期はイベント(決算)や需給の影響を受けやすい局面。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上成長率△6.8%、3年CAGRもマイナス(約▲8〜9%)。
- 収益性:C
- 根拠:営業利益率約8.5%、純利益率約2.1%、ROE約1.3%と業界平均を下回る水準。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率70%、流動比率5.4倍、D/E約27%で健全。ネットキャッシュも厚い。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超(割高示唆)だが、PBR0.77倍、EV/S約0.9倍と低位で総合中立。
注記
– 不明な項目や将来見通しは会社開示資料をご確認ください(2026/6期の業績・配当予想は未開示)。
企業情報
銘柄コード | 3632 |
企業名 | グリーホールディングス |
URL | https://hd.gree.net/jp/ja/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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