レオン自動機(6272)企業分析レポート
株価: 1,407円(終値)/時価総額: 399億円/市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: レオロジー(流動学)に基づく「生地の成形・包あん・分割」技術を強みに、食品加工機械(包あん成形機、製パンライン等)をグローバルに展開。アフターサービス(保守・定期点検・オーバーホール)も提供。米国ではグループによる食品製造・販売(オレンジベーカリー等)も行う。
- 事業構成(連結・2025/3期ベース):
- 食品加工機械製造販売: 売上比率59%(営業利益率目安: 約19%)
- 食品製造販売: 売上比率41%(営業利益率目安: 約12%)
- 海外売上比率: 69%
- 本社: 栃木県宇都宮市/設立: 1963年/従業員: 1,075人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 包あん成形機・製パンラインの専門機械で国内トップクラスの技術蓄積。世界各地域に販売・サービス拠点を持ち、海外売上が約7割。
- 競争優位性:
- 生地の物性を損ねにくいレオロジー技術に基づく独自ノウハウ
- 大手・中堅ベーカリー向けのライン提案力とアフターマーケット(保守・部品)の継続収益
- 労働力不足・省人化投資ニーズ、補助金対象製品登録などの需要追い風
- 課題:
- 為替(円高)や地域需要に左右される外部要因
- 欧州での展示会強化に伴う費用増、食品製造販売(北米)の需給変動
- 受注~据付までのリードタイム管理(期ズレ)と半導体・部材価格の変動
3. 経営戦略と重点分野
- 長期ビジョン(〜2032年度): 「レオロジー技術で美味しさを求めつづける」、スマートファクトリーの実現
- 中期経営計画(2023〜2027年度)
- 成長基盤強化: 新機種開発、ソリューション提案、海外展開深耕
- 利益基盤強化: アフターマーケット強化、為替・地政学リスク耐性のある収益構造
- 経営基盤強化: ガバナンス・人材育成・デジタル活用(保守の高度化・遠隔支援等)
- 重点投資: 連結子会社オレンジベーカリーによる米国新工場用不動産取得(3,000万USD、2025/7/8)— 北米の食品製造販売体制の強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 一過性の機械販売+継続性の高い保守・部品・オーバーホール収入、加えて食品製造販売のクロスセグメント構成
- 需要ドライバー: 省人化・品質安定化ニーズ、国内補助金活用、外食・中食の回復、海外ベーカリー市場の拡大
- リスク対応力: 高自己資本比率・ネットキャッシュ基盤により景気変動に対する耐性が比較的高い一方、為替・地域需要の変動には注意が必要
5. 技術革新と主力製品
- 技術: レオロジーを核とした生地のダメージを抑える成形・包あん・分割技術、ライン化・自動化、(将来的な)遠隔監視・保守の高度化
- 主力: 包あん成形機(単列・多列)、製パンライン、関連オプション・周辺機器
- 収益牽引:
- 日本: ライン修理・その他は堅調だが、直販機の一部で減少(2026/3期1Q)
- 北米: 現地通貨ベースでは堅調だが円高で円換算売上に影響
- 食品製造販売(北米): 既存顧客向け減少で1Qは減収減益
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 1,407円
- 会社予想EPS: 118.9円 → PER: 11.83倍(業界平均16.6倍を下回る)
- BPS(実績): 1,418.97円 → PBR: 0.99倍(業界平均1.4倍を下回る)
- 配当: 年48円予想、配当利回り約3.41%
- トレーリング配当性向: 約30%(実績EPSベース)
- 予想配当性向: 約40%(予想EPSベースの概算)
- EV/売上高(LTM): 約0.68倍(EV ≒ 266.98億円、売上 392.1億円)
- EV/EBITDA(LTM): 約3.9倍(EBITDA ≒ 68.1億円)
- コメント: 業界平均比でPER・PBRとも低位、ネットキャッシュを勘案したEV倍率も抑制的
7. テクニカル分析
- 直近価格: 1,407円(50日線 1,399円、200日線 1,307円)
- 50日線>200日線で中期は上向き基調
- 年初来高値1,497円まで約6%下、年初来レンジ上方帯に位置
- 需給: 信用買残 6.0万株(前週比▲6,200)、信用売残 2.89万株(+6,700)、信用倍率2.08倍
- 買い残減少・売り残増加で短期はやや様子見
- 出来高: 直近は3カ月平均に近い水準(流動性は安定的)
- 短期モメンタム: 10日間で揉み合い〜やや軟化。50日線近辺での攻防
8. 財務諸表分析
- 成長(売上高・利益)
- 売上高: 265.9億(2022)→352.7億(2023)→377.0億(2024)→392.1億(LTM)
- 3年CAGR(2022→LTM): 約+13%前後、LTM YoY: 約+4%
- 営業利益: 11.0億(2022)→30.1億(2023)→48.8億(2024)→52.98億(LTM)
- 当期純利益: 14.9億(2022)→27.4億(2023)→36.8億(2024)→38.9億(LTM)
- 2026/3期1Q: 売上 88.4億(YoY ▲7.2%)、営業益 7.3億(YoY ▲25.5%)、純利 4.36億(YoY ▲40.6%)
- 収益性
- 粗利率(LTM): 約45.4%(改善傾向)
- 営業利益率(LTM): 約13.5%(1Q単体は約8.3%と低下)
- ROE(実績): 10.44%/ROA(LTM): 6.72%
- 安全性・流動性
- 自己資本比率: 78.5%(6/30時点 79.0%)
- 流動比率: 3.24倍
- 有利子負債/自己資本: 約3%(ネットキャッシュ: 現金等144億>有利子負債11.5億)
- キャッシュフロー
- EBITDA(LTM): 約68〜69億円、減価償却費は年14〜15億円程度
- 大型投資(北米新工場用地取得)に伴い、今後の資金配分・FCF推移に留意
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025/3期 実績44円 → 2026/3期 予想48円(増配方針)
- 予想配当利回り: 約3.41%(5年平均利回り2.13%を上回る)
- 配当性向: トレーリング約30%、予想約40%(会社予想EPSベースの概算)
- 自社株: 自己株式比率5.21%(現時点で新規の自己株買い公表は無し)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: ▲7.0%(S&P500 +11.8%の外部ベンチマーク比ではアンダーパフォーム)
- ベータ: 0.33(低ベータ、相場変動耐性が相対的に高い傾向)
- 需給・関心: 機関投資家保有比率約23.5%、インサイダー約22.0%、浮動株は限定的。信用買い残減少と売り残増加で短期は中立〜やや弱含み
11. 総評
- 事業: 包あん・製パン領域に特化した技術優位とアフターマーケットを備え、海外売上が高いグローバル機械メーカー。北米の食品製造販売を併営し、収益源の分散を図る。
- 成長・利益: 3年で売上・利益は段階的に改善し、LTMでも増収増益。ただし2026/3期1Qは為替や需要調整、費用増の影響で減速。一時的か持続的かは上期〜通期の進捗確認が必要。
- 財務: 高い自己資本比率とネットキャッシュで財務健全性は強固。大型投資(北米新工場)は中期成長に資する一方で、短期の利益・CF変動には留意。
- バリュエーション: PER・PBRは業界平均を下回り、EV/EBITDAも低水準。配当利回りは自社過去平均を上回る水準。
- 注目点(今後):
- 上期・通期ガイダンスに対する進捗(1Q進捗: 売上約22.6%、営業益約15.4%、純利約13.6%)
- 北米の食品製造販売の反転、欧州の費用負担収束、国内の補助金案件取り込み
- 為替(円高)感応度と価格転嫁、部材コスト・人件費動向
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上YoY +約4%、3年CAGR +約13%前後。短期(1Q)は減速。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約45%、営業利益率LTM約13.5%、ROE約10%。機械業界平均を上回る水準と推定。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率78.5%、流動比率3.24倍、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER 11.8倍(業界平均16.6倍以下)、PBR 0.99倍(同1.4倍以下)、EV/EBITDA約3.9倍、EV/S約0.68倍。
参考データ
– 年初来高値/安値: 1,497円 / 1,020円
– 50日/200日移動平均: 1,399円 / 1,307円
– 信用倍率: 2.08倍
– 配当(予想): 年48円(中間24円・期末24円)
– 次回主なイベント: 2025年8月6〜12日 決算発表予定(会社IRカレンダーに準拠)/権利落ち予定 2026年3月30日
注記
– 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘・推奨を目的とするものではありません。数値は資料間で定義差・端数調整がありうるため、最新の決算短信・有価証券報告書等でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6272 |
企業名 | レオン自動機 |
URL | http://www.rheon.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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